
一年の始まりを祝う「お正月」。初詣やおせち、正月飾りなど、さまざまな行事や風習がありますが、その意味を聞かれると、意外と答えに迷ってしまうこともあるのでは。
この記事では、お正月の由来から準備、三が日の過ごし方、その後の行事までを解説。親子で一緒に楽しめる工作や遊び、絵本なども紹介します。行事の意味を知れば、お正月がもっと豊かで特別な時間になりますよ。
正月とは?

お正月は、「年神様(としがみさま)」を家庭に迎え、一年の始まりを祝う行事です。年神様は五穀豊穣や子孫繁栄に関する神様で、門松やしめ飾り、鏡餅などを飾ってお迎えします。その歴史や由来ははっきりとわかっていませんが、6世紀半ばにはすでに存在していて、日本の行事としては最古のものだと言われています。
一般的に、お正月の期間は1月1日から7日(松の内)までを指します。地域によっては15日までをお正月とするところもあるそうです。 ちなみに、元日(がんじつ)は年の初めである1月1日のこと、元旦は元日の朝のことを指します。
お正月の準備を親子で楽しもう!
新年を気持ちよく迎えるために、年末から準備することがいくつかあります。ここでは、正月飾りや工作、料理、絵本など、親子で楽しめる準備をご紹介します。
お正月飾りの準備
お正月飾りの定番である門松、しめ縄・しめ飾り、鏡餅について、由来や意味を知っていますか。
飾るタイミングは、クリスマスが終わってすぐのものが多いので、事前に準備しておきましょう。年末は大人もとっても忙しいので、お子さんも一緒に積極的にお手伝いしてもらえると良いですね。
羽子板
羽子板は、子どもの無病息災を願うお守りでもあります。特に、もしお子さんが初正月を迎える年であれば、男の子には魔除けの「破魔弓(はまゆみ)」、女の子には「羽子板(はごいた)」を飾って、赤ちゃんの厄除けと成長を祈り風習もあります。
東京・浅草の浅草寺では毎年羽子板市(別名、歳の市)が開催されています。男の子でも女の子でも一度は訪れてみても楽しいかも。毎年その年の話題となった人物が羽子板になって飾られたりします。お近くの寺社でも正月準備や飾りの市が立つこともあるかもしれません。ぜひ調べてみてくださいね。
お正月モチーフの工作をしてみよう
年末の時間を使って、親子で手作りに挑戦するのもおすすめです。簡単なのに豪華に見えるお正月リースや食卓を飾る鶴の箸置きなどを紹介しています。
ちょっと遊べるオリジナルぽち袋なら、お年玉がより一層楽しみになるはず。
お正月に親子で作りたい料理
お正月の料理には、ひとつひとつに願いが込められています。黒豆や田作りなど、子どもと料理をして、味だけでなく文化も伝えられるとより良いです。
お正月料理には由来や楽しいエピソードを交えた絵本もたくさんあるので、この後にご紹介するお正月の絵本も一緒に楽しんでみてくださいね。
お正月に読みたい絵本
絵本は、行事の意味を楽しく理解できる心強いアイテムです。大人も実はよく知らない由来も丁寧に描かれていたりするので、忙しい時間の合間にのんびりと一緒に眺めてみるのもおすすめです。子どもも大人もお正月がもっと楽しみになるはず。
お正月の三が日は親子でどう過ごす?

三が日は、お家でゆっくり過ごす家庭が多いかもしれませんね。存分にのんびり楽しみたいですが、せっかくなのでお正月らしいことを少し取り入れてみても良いかもしれません。親子で楽しめる、三が日の風習や過ごし方を紹介します。
三が日とは
三が日とは、お正月の1月1日から1月3日までのことを言います。お雑煮やおせち料理を食べたり、初詣に行ったりと、家族で新年を祝うのが風習です。
福を払いのける掃除、縁切りを連想させる刃物の使用、灰汁(あく)=悪が出る火を使った料理など、三が日にしてはいけないと言われることも実はあるんですよ。タブーには諸説ありますが、それらを避けるためにおせち料理を前もって作っておき、作り置きを食べるようになったそうです。
初詣に行こう
一年の健康と無事を願ってお参りする初詣。せっかくなら正しい作法を知って参拝したいですね。
子連れで訪れたい初詣スポットの記事もいくつか集めました!お住まいの地域に合わせてチェックしてみてください。
昔ながらのお正月遊びを親子で楽しもう
凧揚げや羽根つきなど、日本の伝承遊びが活躍するのもお正月ならでは。遊びの背景や歴史を知ると、より深く楽しめます。カルタやすごろく、花札、百人一首など小さい頃から少しずつ親しんでいけるといいですね。
三が日を迎えた後の行事
三が日が明けても、お正月の行事は続きます。それぞれに文化や願いが込められ、親子で学ぶ良い機会です。
1月6日 出初式
出初式を知っていますか? 消防関係の方にはお馴染みかもしれません。それもそのはず、日本の消防が1月初旬に行う仕事始めの行事のことなんです。
お近くの地域の消防署でも出初式を盛大に行われていることもあると思うのですが、ご興味がある方は調べてみてくださいね。消防の放水はもちろん、ハシゴ乗りなどの伝統技能も披露されることもあるそうです。
消防出初式(消防出初め式)とも呼ばれ、新春恒例行事の一つとして、新年の季語にもなっているそうですよ。
東京消防庁など一部の消防ではライブ配信を行う自治体もあるそうです。迫力のある放水パレードだけでなく、伝統も楽しみたいものです。
1月7日 七草粥
こちらは比較的お馴染みの行事です。スーパーでも七草パックが店頭に並びますね。給食がある園ではお給食の献立にも出てくるかもしれません。
お馴染みだからこそ、実は詳しく由来を知らないことも多いのでは。日本にもともとあった「若菜摘み」と、中国から伝わったお粥が合わさったと言われています。「若菜摘み」は百人一首にも出てきますね。
1月11日 鏡開き
鏡餅そのものを飾る家庭は減っていますね。鏡開きを体験する機会はかなり減っていますが、せっかくなので文化伝統としては知っておきたいもの。おもちの絵本と合わせて楽しんでみても良いですね。
他にもある?もうひとつのお正月を知ろう
一般的な1月1日のお正月以外にも、別の時期に祝われる「小正月」「旧正月」があります。文化の違いを知ることで、子どもの世界も広がります。
小正月
元旦を中心とした正月を「大正月」、その後の15日頃を「小正月」(こしょうがつ)と呼びます。旧暦では1月15日が新年最初の満月にあたるため、この日に行事が行われていました。
地域によっては、正月飾りをお焚き上げする「どんど焼き」が行われたり、無病息災を願って小豆粥を食べたりします。女性が家事から少し離れて休む「女正月」と呼ばれることもあります。
旧正月
旧暦に基づくお正月(1月1日)を旧正月と言います。現在も中国や台湾などのアジア圏や沖縄の一部地域で祝われています。中国ルーツのお友達は旧正月の時期に里帰りして盛大に祝うということもよくあるようですよ。
親子でお正月を楽しもう

お正月は、準備から三が日、そしてその後の行事まで、親子で学びながら楽しめることがたくさんあります。お正月準備はとっても忙しいですが、行事や飾り、食べ物などの意味を知ると、一つひとつが特別な体験に変わります。絵本や工作、伝承遊びなども取り入れて、新しい年を家族で楽しく迎えましょう。

かすみ 



















