2016年08月18日 公開
海外で働いて今思う:ためになった乳幼児期の英語教育4選
英国で暮らし始めて5年。 異文化に囲まれる毎日で感じているのは、乳幼児・学童期に受けた英語教育や、世界で通用する生活習慣の大切さです。「海外で働いて今思う」シリーズ、今回の記事では筆者の実体験を元に、3〜10歳のお子さんにオススメしたい英語教育をご紹介していきます。
英国で暮らし始めて5年。 異文化に囲まれる毎日で感じているのは、乳幼児・学童期に受けた英語教育や、世界で通用する生活習慣の大切さです。「海外で働いて今思う」シリーズ、今回の記事では筆者の実体験を元に、3〜10歳のお子さんにオススメしたい英語教育をご紹介していきます。
「ことば」としての英語を身に付けよう
海外生活では、大きく分けると2つの英語力が必要です。1つは中学校以降に習う「科目」としての英語。文法やボキャブラリーは、英語で学業や仕事をする上では欠かせないものです。
もう1つは「ことば」としての英語です。 日々の生活に溶け込んだ英語は、実際に使わない限り、中々身につけることはできません。日本にいながらこの英語力を磨くには、英語が「科目」になる前、幼稚園から小学校中学年くらいまでが決め手なのではと思います。
今回は筆者の子どもの頃に受けた英語教育から、海外生活で「ためになった!」4つの方法をご紹介します。筆者がこの教育を主に受けた年齢を参考までに見出しに記しましたが、特に何歳からでなければはじめられないというものはありません。ぜひ思い立ったときに気軽に取り組んでみてくださいね。
①ビデオは英語or字幕で!(3・4歳〜)
小さいころに観たディズニーやワーナー・ブラザーズの作品、我が家では全て日本語字幕か英語版でした。英語版の内容は理解できませんでしたが、親に聞いて教えてもらったり、また歌と映像だけでも十分楽しんでいたように思います。大きくなってから、ディズニーの歌に日本語歌詞があることを知って驚いたくらい、これらの作品は英語でインプットされています。
英語を身近にするのにぴったり!
1日数時間のテレビタイム、そこに英語が使われていたことで、耳が自然と英語に慣れていたのだと思います。また、断片ながらフレーズや単語、キャラの表情やジェスチャーが記憶に残り、それらを真似ることで英語表現が身近になりました。大人になり英国で暮らすようになってからは、小さい頃の記憶と自分が実際に使う英語がリンクする瞬間があり、それが支えになっていました。
現在は通販やオンデマンドで手軽に英語の映像作品が手に入りますし、英語圏のDVD・Blu-rayは日本のものより安価です。毎日の生活に取り入れやすいという意味でも、ぜひ試していただきたいアイデアです。
②フォニックスは早期習得が鍵(6・7歳〜)
筆者が通っていたカトリック系の私立の小学校、雙葉小学校では、1年生から英語の授業がありました。文法は5年生まで教わらず、それまでは単語やフレーズの紹介、それから後述するナーサリーライムを歌う授業でした。中でも印象に残っているのがフォニックスの訓練です。
口真似からでも効果は絶大
先生の口の形を真似しながら、「F F F F……」や「th th th th……」というように、一音ずつひたすら発音をします。これらの音が入っている単語も一緒に習った記憶がありますが、子ども心には遊びのようで、クラスでクスクス笑いながら励んでいました。
筆者が英国人に言われることのトップ2は「日本人の発音じゃないね」と「英語がうまいね」です。帰国子女ではないので決して流暢ではありませんが、それでも褒めてもらえるのは、このフォニックス訓練があったからだと思います。英語への不安感が1つ減るだけでも、大きな自信につながっています。
フォニックスは筋トレ!
発音は口や舌の筋肉の動きで作られるため、フォニックスの訓練は言わば筋トレと同じ。ピアノや水泳、バレエと同じように子どもの頃に正しい形を覚えることで、自分の一部にすることができます。英語の発音は7歳まで…という説もありますが、大切なのは年齢ではなく、繰り返し練習する機会を作ることではないでしょうか。
③ネイティブの方と遊ぶ(5歳〜)
幼稚園の頃、ならいごととして、同級生の家に月に1回、ネイティブの方をお呼びしてみんなで英語で遊んでもらっていました。また、小学校に入ってからは週に1度、我が家に別のネイティブの方が来てくださっていました。
英語で遊ぶ、英語で伝える
1回のレッスンは1時間ほど。その間は先生と子どもたちだけで、 主に現地発のゲームをしていました。「スクラブル」(アルファベットを組み合わせて単語を作るボードゲーム)を始めとする知育ゲームや「蛇とはしご」、「モノポリー」などのボードゲームが多かったです。会話はもちろん英語だけ。ルールの説明や質問も英語で行っていました。
ネイティブの方とのコミュニケーションでは、本場の英語に慣れることができるのはもちろん、 自分の意見や感情を英語で伝える機会を作ることができます。また、ゲームを通して英語に接していたので、他のならいごとより楽しみにしていた思い出があります。海外で暮らし始めた当初、「あの頃出来ていたのだから大人になってもできるはず」と、自分を奮い立たせていた大切な思い出です。
信頼の置ける方を探しましょう
子どもの頃は「先生」とお呼びしていましたが、大きくなってから聞いたところ、日本に勉強に来ていた方をお知り合いから紹介して頂いていたようです。資格などにこだわらないのであれば、知り合いにネイティブの方がいらっしゃればその方の周りで探して頂いたり、交換留学制度を設けている大学に問い合わせてみたり、信頼の置ける方を探すのが大切だと思います。
④ナーサリーライムで遊ぶ(3歳〜)
学校でもならいごとでも、ナーサリーライムは英語教育の第1段階として重宝されていました。ナーサリーライムとは英語の童謡のこと。数え歌や振り付けのある歌が多く、楽しみながら英語に親しむには最適です。また、「セサミストリート」や「Barnie & Friends」などの子ども向け番組は、さまざまな英語の歌を覚えるきっかけになりました。
能動的に英語で遊ぶ
英語でビデオを観るのと同じく、自然に耳と口が慣れていくナーサリーライム。さらに、例えば 「Hickory Dickory Dock」という歌では時計が出てくるので、数字や時計の読み方を覚えることができます。
一方、通常のビデオ鑑賞と異なるのは、一緒に歌って一緒に踊るという要素が加わること。また、歌詞の自由度が高いのも特徴です。先の「Hickory Dickory Dock」は時間を変えることでゲームのようにもなりますし、ネズミを別の動物に変えていくバージョンもあります。今は有料・無料を問わず子ども向けの動画サービスが豊富にありますので、お子さんの興味に合った歌を見つけて、一緒に遊んであげましょう。
「毎日少しずつ」が大きな成果に
筆者が子どもの頃に体験した英語習得方法。今回は4つご紹介しましたが、実は全てがつながっています。ナーサリーライムはビデオや授業など異なるシチュエーションの中で覚えましたし、フォニックスも訓練だけでなく、ネイティブの先生やビデオから得た部分も大きいはずです。
遊んだり、真似をしたり、一生懸命話してみたり……毎日少しずつ、さまざまな形で英語に触れることで、日本にいながら「ことば」としての英語が身に付いていきます。バランスの良い英語力を伸ばすために、1つからでも試してみてください。
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