2017年9月13日 公開

21世紀の子どもたちに必要なことって?世界の初等教育最前線

キッズ版MBAともいえる新スクール「dot.school」が2017年10月から東京・中目黒で開校。コース開始に先立ち、「21世紀の初等教育最前線」と題した最新教育トレンドなどを解説する記者発表会が9月3日に行われました。そこで紹介された各国の教育事情や、今後注目される力などをご紹介します。

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左:株式会社Selan、代表取締役・樋口亜希さん。日本人の父、中国人の母の元、東京生まれの後、幼少期から大学までアメリカ、 中国、 日本で過ごす。北京大学国際関係学部卒。 リクルートを経て、 株式会社Selan代表取締役就任。2017年、 世界経済フォーラムGlobal Shapersメンバーに選出。
via Selan

世界の最新教育トレンドって?

バイリンガル教師による保育園や学童からの送迎付き、子ども向けプライベート英語レッスン「お迎えシスター」や、グローバル教室「世界と出会えるサタデースクール」を提供してきた株式会社Selan(セラン)は、10月7日より、21世紀の子どもたちが必要な“生きる力”を身につける新スクール「dot.school」を開校。

この新スクール開設にあたって行われた記者発表会では、代表の樋口亜希さんが、欧米、アジア諸国の最新教育事情を解説。その世界のトレンドを踏まえた上で、これからの子どもたちに必要なのは教養教育や金融教育などによって得られる「多角的視点」と、そこで得た知識を活かしつつ「考える力」が大事である、また、それらを総合して得られる力が今後の「生きる力」であり、そのための機会を従来の教育機関外で提供したいと、スクール開設の意図を語りました。

dot.school | 世界で”生きる”力をつける21世紀型Weekendスクール

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dot.schoolでは子ども達は"教わる"のではありません。お姉さん、お兄さんも一緒に手を動かし、学び、考えます。私たちは、誰よりも子どものたちの可能性を信じ、パッションに寄り添える存在でいたいと考えています。

結果重視型から「プロセス重視型」の教育へ

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via Selan
樋口さんによると、ヨーロッパは教養を重視したアカデミックな教育、アメリカでは実学を重視し、個を尊重とする教育に重心が置かれているそうです。一方、中国や韓国などアジアは欧米と比べると、超学歴社会で、英語教育の徹底が過熱しています。

どれも、今の日本の教育機関ではまだまだフォローしきれていない分野が多いですね。「dot.school」では「教養教育」として国際情勢から宗教などにも踏み込んで学びつつ、アイデンティティーを大事にすることで個も尊重。また、レッスンはすべて英語で行うなどで、日本の義務教育では教えられない教育をカバーしていきたい方針のようです。

さらに、日本も含めていえるのは、結果重視型からプロセス重視型の教育に移行しているということ。知識がいかに記憶されているかを従来型の試験などで確認するのではなく、学ぶ過程での問題解決能力や思考力を重視する国が増えているようです。「dot.school」ではこのあたりも、徹底的に鍛えられる機会がありそうです。

では、ヨーロッパからは、教育先進国のフィンランド、そしてアメリカ、アジアからは中国、シンガポール、韓国の教育事情を紹介します。

教育先進国フィンランドでは教科横断型学習が開始

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Michal Knitl / Shutterstock.com
フィンランドは読書量世界一の国として知られています。読書が趣味だと答える子どもが約6割いる、人口ひとりあたりの図書館の蔵書数の多さなどもよく取り上げられます。そのほか、義務教育の学費(授業料、教材、文具、給食を含む)がすべて無料、国際学力比較調査のPISAでも常に上位にランクインするなど、世界が注目する教育先進国です。

そんなフィンランドでは2016年8月に10年に1度のカリキュラム改正が実施されました。特に注目された、新しい教育コンセプトは”教科横断型学習”。複数の教科にまたがった横断的な教育を行う時間を最低でも1回設けることが義務付けられました。「地球温暖化」や「欧州連合」などのテーマを数週間にわたるプロジェクトで学ぶそうです。プログラミングも必修化され、様々な教科に取り入れられるようです。

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個別学習とSTEAM教育が進むアメリカ

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Monkey Business Images / Shutterstock.com
アメリカ全体では個別学習(Personalizerd Learning)がキーワード。子どもたちそれぞれの興味に合わせたプロジェクトを個別カリキュラム化し、異なる年齢の子どもたちを少人数制で教える小規模スクールが全米各地で続々と開校しているそうです。

また、MOOCsなどのオンライン学習や、最新技術を駆使したSTEAM教育、多民族国家のアメリカならではのオルタナティブ教育も盛んです。

ちなみにKhan AcademyはMOOCsのなかでも、子ども向けのコンテンツを豊富に揃えているそうで、興味がある方はチェックしてみては、とのこと。

STEAM教育はSTEM(科学、技術、工学、数学)に加え、さらにクリエイティブ分野のArtにも重点をおいたものです。

また、有名起業家のイーロン・マスクは、オルタナティブ教育を行う学校「Ad Astra」を設立し、自分の子ども5人も通わせています。学年という概念はなく、それぞれが得意な分野を伸ばせ、問題解決能力を高める教育を目指しているそうです。

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3歳からバイリンガル教育を進めるシンガポール

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imranahmedsg/ Shutterstock.com
北京語やマレーシア語などの母国語以外に英語の授業も必須で、バイリンガル教育がスタンダード化されているシンガポール。ほとんどのシンガポール人が2カ国語以上を話せるそうです。

インターナショナルスクールも増加していて、2012年に65校だったのが、2016年には86校と約32%も増えています。

2015年の国際学力調査PISAでは、シンガポールは数学的応用力、科学的応用力、読解力全てにおいて1位。また、2015年のIBプログラム試験では、受験者11,763人中満点を取ったのは81人でしたが、そのうち48人がシンガポール人だったことが、話題を呼びました。

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エリート人材育成を進める中国

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LP2 Studio / Shutterstock.com
一人っ子政策の影響もあり、2000年からの10年間で小学校の児童一人当たりの教育予算は8倍に。義務教育に予算が重点配分されているとか。

特に理系・イノベーション人材のエリート育成政策を展開。飛び級制度もあります。

英語教育にも力を入れ、2001年から小学校3年生から週4回以上の英語授業を実施し、2013年には大都市部で小学校1年生から実施されているそうです。

英語とデジタル教育(ICT教育)を進める韓国

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BaitoeyPYN / Shutterstock.com
高い大学進学率を誇り、超学歴社会の韓国は、莫大な予算を投じてICT教育の整備を進めています。すでに小中学校に電子黒板、電子教卓、IPTVを配備しています。

英語教育も1997年から抜本的改革を進め、アウトプット型にシフト。小学校3年生から英語が必修科目で、ネイティブスピーカー教師の会話授業を週2時間行っているそう。2001年からの10年間でTOEIC平均点を70点もあげています。

戦後最大規模の教育改革で日本の教育はどう変わる?

一方の日本ではも、教育改革が進められています。話題になる主なポイントは英語教育とプログラミングの必修化、また大学入試の改正です。

小学校3〜4年生で英語は必修化され、小学校5〜6年生は英語教科化。センター試験が廃止された後の大学受験英語は、従来のリスニングとリーディング重視型に加えて、スピーキングとライティングも加えて4技能が見られるようになります。

要するに、日本でも、知識や技能など、学んだことを理解しているかが重要な「結果重視型」だったのが、これからは知識や技能を元に、自分で考え、表現し、判断して、実際の社会で役立てるかが重要な「プロセス重視型」になってくるということなのです。

小学校から必修化される予定の「プログラミング教育」とは - Chiik! - 3分で読める知育マガジン -

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21世紀の子どもたちに必要なのは……

Selanの樋口さんは以上を踏まえて、21世紀の子どもたちに必要なことは、多角的視点を持ち、考える力を養うことが必要だと説いています。世界情勢や各国や民族の環境の違いを知ることで視点や知識を広げると同時に、その知識を使ってどう考え、応用するかにもフォーカスし、多様性やアイデンティティーも育んでいける場を提供したいとのこと。そこで身につく力こそが「生きる力」となるのでは、とのことです。

そのための新スクールの紹介はこちら。もう受付開始していますのでお早めに!

キッズ版MBA開校! 21世紀型スクール事業が本格スタート - Chiik! - 3分で読める知育マガジン -

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「金融教育!?これからの子どもたちに知ってほしい「お金の教養」とは?」は別記事でご紹介します。

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この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

志田実恵 志田実恵  エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後はガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらバスクなど世界の料理本の編集のほか、webを中心に活動中です。