キッズ版MBAともいえる新スクール「dot.school」が2017年10月から東京・中目黒で開校。コース開始に先立ち、「21世紀の初等教育最前線」と題した最新教育トレンドなどを解説する記者発表会が9月3日に行われました。そこで紹介された各国の教育事情や、今後注目される力などをご紹介します。
世界の最新教育トレンドって?
この新スクール開設にあたって行われた記者発表会では、代表の樋口亜希さんが、欧米、アジア諸国の最新教育事情を解説。その世界のトレンドを踏まえた上で、これからの子どもたちに必要なのは教養教育や金融教育などによって得られる「多角的視点」と、そこで得た知識を活かしつつ「考える力」が大事である、また、それらを総合して得られる力が今後の「生きる力」であり、そのための機会を従来の教育機関外で提供したいと、スクール開設の意図を語りました。
dot.school | 世界で”生きる”力をつける21世紀型Weekendスクール
結果重視型から「プロセス重視型」の教育へ
どれも、今の日本の教育機関ではまだまだフォローしきれていない分野が多いですね。「dot.school」では「教養教育」として国際情勢から宗教などにも踏み込んで学びつつ、アイデンティティーを大事にすることで個も尊重。また、レッスンはすべて英語で行うなどで、日本の義務教育では教えられない教育をカバーしていきたい方針のようです。
さらに、日本も含めていえるのは、結果重視型からプロセス重視型の教育に移行しているということ。知識がいかに記憶されているかを従来型の試験などで確認するのではなく、学ぶ過程での問題解決能力や思考力を重視する国が増えているようです。「dot.school」ではこのあたりも、徹底的に鍛えられる機会がありそうです。
では、ヨーロッパからは、教育先進国のフィンランド、そしてアメリカ、アジアからは中国、シンガポール、韓国の教育事情を紹介します。
教育先進国フィンランドでは教科横断型学習が開始
そんなフィンランドでは2016年8月に10年に1度のカリキュラム改正が実施されました。特に注目された、新しい教育コンセプトは”教科横断型学習”。複数の教科にまたがった横断的な教育を行う時間を最低でも1回設けることが義務付けられました。「地球温暖化」や「欧州連合」などのテーマを数週間にわたるプロジェクトで学ぶそうです。プログラミングも必修化され、様々な教科に取り入れられるようです。
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個別学習とSTEAM教育が進むアメリカ
また、MOOCsなどのオンライン学習や、最新技術を駆使したSTEAM教育、多民族国家のアメリカならではのオルタナティブ教育も盛んです。
ちなみにKhan AcademyはMOOCsのなかでも、子ども向けのコンテンツを豊富に揃えているそうで、興味がある方はチェックしてみては、とのこと。
STEAM教育はSTEM(科学、技術、工学、数学)に加え、さらにクリエイティブ分野のArtにも重点をおいたものです。
また、有名起業家のイーロン・マスクは、オルタナティブ教育を行う学校「Ad Astra」を設立し、自分の子ども5人も通わせています。学年という概念はなく、それぞれが得意な分野を伸ばせ、問題解決能力を高める教育を目指しているそうです。
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3歳からバイリンガル教育を進めるシンガポール
インターナショナルスクールも増加していて、2012年に65校だったのが、2016年には86校と約32%も増えています。
2015年の国際学力調査PISAでは、シンガポールは数学的応用力、科学的応用力、読解力全てにおいて1位。また、2015年のIBプログラム試験では、受験者11,763人中満点を取ったのは81人でしたが、そのうち48人がシンガポール人だったことが、話題を呼びました。
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エリート人材育成を進める中国
特に理系・イノベーション人材のエリート育成政策を展開。飛び級制度もあります。
英語教育にも力を入れ、2001年から小学校3年生から週4回以上の英語授業を実施し、2013年には大都市部で小学校1年生から実施されているそうです。
英語とデジタル教育(ICT教育)を進める韓国
英語教育も1997年から抜本的改革を進め、アウトプット型にシフト。小学校3年生から英語が必修科目で、ネイティブスピーカー教師の会話授業を週2時間行っているそう。2001年からの10年間でTOEIC平均点を70点もあげています。
戦後最大規模の教育改革で日本の教育はどう変わる?
小学校3〜4年生で英語は必修化され、小学校5〜6年生は英語教科化。センター試験が廃止された後の大学受験英語は、従来のリスニングとリーディング重視型に加えて、スピーキングとライティングも加えて4技能が見られるようになります。
要するに、日本でも、知識や技能など、学んだことを理解しているかが重要な「結果重視型」だったのが、これからは知識や技能を元に、自分で考え、表現し、判断して、実際の社会で役立てるかが重要な「プロセス重視型」になってくるということなのです。
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21世紀の子どもたちに必要なのは……
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