2017年09月14日 公開

金融教育!?これからの子どもたちに知ってほしい「お金の教養」とは?

キッズ版MBA・新スクール「dot.school」が10月から東京・中目黒で開校。フィンテックのマネーフォワード監修で「お金の教養コース」が開始されます。9月3日の記者発表会では「なぜ、今子どもたちに金融教育が必要なのか」「子どもたちに知ってほしい『お金の教養』とは?」を伺いました。必要不可欠な金融スキルを習得できる金融教育をご紹介します。

キッズ版MBA・新スクール「dot.school」が10月から東京・中目黒で開校。フィンテックのマネーフォワード監修で「お金の教養コース」が開始されます。9月3日の記者発表会では「なぜ、今子どもたちに金融教育が必要なのか」「子どもたちに知ってほしい『お金の教養』とは?」を伺いました。必要不可欠な金融スキルを習得できる金融教育をご紹介します。

なぜ今子どもたちに金融教育が必要なのか?

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株式会社マネーフォワード 取締役 瀧俊雄さん。2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、 野村證券株式会社入社。 2011年スタンフォード大学MBA修了。 2011年より野村ホールディングス株式会社CEOオフィスに所属。 2012年株式会社マネーフォワードに参加。 2015年マネーフォワードFintech研究所長に就任。
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新スクール「dot.school」で開校される 「お金の教養コース」には、 資産管理、 家計簿管理ツールを展開するフィンテックの株式会社マネーフォワードが監修に入っています。 次世代を生きる子どもたちにとって、必要不可欠な金融スキルを習得できる金融教育の提供を目指しているそうです。

その開講に先立って、なぜ今、金融教育なのか、そもそも金融教育とはどのようなことを指すのか、記者発表会で、マネーフォワード取締役の瀧さんに伺いました。

なぜタブー?お金の扱いはみんな苦手なもの?

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内閣府世論調査によると、つねに7割前後の人が、なんらかの悩みや不安を感じている「お金」の問題。少子化が進む日本では、経済的な不安が、結婚の壁や子どもの二人目、三人目の壁の大きな理由にもあげられているほどです。

しかし、なぜかお金の話には「タブー感」がつきもの。日本では、給料や貯蓄についての話は配偶者ともためらうほど、家族や友人とも話ができないという問題があります。

また、奨学金の返済や給料や税金など、身近に具体的な課題がありながら、毎年刻々と変化し、世代差もあるので、自分の親のアドバイスもあてにならないという問題もあるのです。

さらに、瀧さんは、そこに「専門知識が、よくわからない感」、「ひとそれぞれで違う感」「わかっていてもうまくいかない感」が加わり、お金の扱いが不得手だと感じる理由にあげています。

それなのに、国内の教育現場では金融教育があまりにも不十分ではないでしょうか?という訳です。

日本国内の教育現場での金融教育は?

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瀧さんが取り上げた資料で、金融経済教育を推進する研究会による「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」によると、社会科や家庭科、公民科などでも扱う年間時間数は非常に少ないもの。

教育現場では、多くの教員が「賢い消費者としての知識を身に付けるため」や「社会の仕組みを理解するため」などの理由で、金融や経済教育の必要性を認識しているのに、授業時間が不足しているという現状があります。

さらに「生徒にとって理解が難しい」ということと「教える側の専門知識が不足している」との声も。

世界の金融教育状況を見てみると、ノルウェーやスウェーデン、デンマークの北欧3国では70%以上の人が金融の基本を理解しているのに、日本はランク外の38位というフォーブスの調査もあります。

最低限身につけるべき金融リテラシーとは

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金融庁による、平成25年の金融経済教育研究会の報告書によると、最低限身につけるべき金融リテラシーとして4分野、15項目をあげています。その4分野とは「家計管理」「生活設計」「金融知識及び金融経済事情の理解適切な金融商品の利用選択」「外部の知見の適切な活用」です。

例えば、家計管理には、適切な収支管理(赤字解消、黒字確保)の習慣化などがあり、とても身近な問題であることがわかります。

では、この金融経済の知識はいつ頃までには身についていることが望ましいでしょうか。

いつ頃から金融教育が必要なの?

Selan (64056)

9月3日に行われたオープンスクールより。世界のお金を実際に手にとって眺めている子どもたちの様子。
via Selan
ひとつの目安として、選挙権があり、クレジットカードも保有可能である18歳までにはという考え方があります。高校の授業内で、給料、借金、キャッシュレス化についてなど、社会とお金の仕組みを考える授業を行うと非常に反応も良いようです。

お小遣い以外にも、子どもが実感のないまま消費してしまいがちな、スマホ代、ゲーム代など、教えていかなければいけないことは色々あります。自立した価値観を身につける方法を学校以外にも考えていく必要が親の側にもあるのではないでしょうか。

未就学児、小学校低学年ではどうでしょうか。お金の問題をタブー視しすぎず、「お金」の存在や価値を意識するのは良いことかもしれません。家庭内でも、普段の買い物やお店やさんごっこ、また、お小遣い・お年玉などをあげたり管理する過程で、少しずつ意識して、普段の会話の中でも触れていくと良いかもしれませんね。

ちなみに、こちらのスクールで展開するコースの参加目安は、小学校1〜3年生。ただし、算数要素が含まれるので、少なくとも二桁の足し算や引き算が問題なくできる子どもとしています。

最後に

瀧さんは、お金に関するとても大事なことはとして、「お金を増やすことは3つしかない」それは、収入を増やす、支出を減らす、貯まったお金を投資することだ、と話していました。

子どもに、このような基本的な金融の考え方や知識の基本を身につけ、社会や経済環境の変化によって現れる課題について、自ら考え、答えを出せるように育ってほしい、と願うことは、実はとても大事なことかもしれません。

そのための新スクールの概要はこちらでご紹介しています。

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この記事のライター

志田実恵
志田実恵

エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。