2023年03月15日 公開

子どもと楽しむ春の草花散歩!簡単手軽な知育のコツや楽しみ方

春の草花散策についてのコツをまとめました。親子で楽しみながら植物について学べるツールや、散策時の注意点、春を代表する桜・つくし・タンポポの観察ポイントをご紹介します。

吹く風の匂いも変わり、本格的に春を感じられる季節となりました。
いつも歩いている道の景色までパアッと明るくなったような気がするのは、暖かな気候に加えて そこにある草花たちが冬から春の姿へと変化したからです。
新しく芽を出し花開く植物の様子は、子どもだけではなく大人もウキウキするものです。
知らない花を見つけたり、同じ花を「きれいだね」と共感し合うだけでも、充分に素敵な春の親子時間になりそうですよね。

草花を通じて春を楽しもう!

今回はそんな春の草花散策についてのちょっとしたコツや、便利なツールなどを紹介していきたいと思います。
天気の良い日は是非 身近な春を探しに親子で出かけてみましょう!

散策前にあると便利!植物 丸わかりツール

前記したように、知識が無くても一緒に発見し共感し合えることで子どもにとって楽しい散策になるでしょう。
しかし、「せっかくなら春の植物について学ぶきっかけに繋げたい!」という方も多いのではないでしょうか。
以下では植物について簡単に調べる事ができるツールをいくつかご紹介したいと思います。
事前に準備しておくと、散策がよりスムーズ且つ楽しくなりますよ♪

図鑑を使って散策

植物の図鑑にも色々な種類がありますが、今回おすすめしたいのは道端や土手に生えているような身近な草花をメインに紹介している図鑑です。
親子の草花散策に向けて出版されているものもあり、観察のポイントがわかりやすく書かれていたり、可愛らしいイラストで子どもも興味を持ちやすい内容になっているのが魅力です。


図鑑における最大の利点は、「子どもが読みたい時にいつでも自分で手に取ることができる」ということだと思います。
園や学校帰りに見つけた花や、公園で見つけた木の実など…子どもが植物に興味を持つタイミングは春以外にも時折訪れます。
そんな時、身近に図鑑があることで「自分で調べて知る」という習慣が身に付きやすくなるのです。
また、春の草花散策をするにあたって予習ができるのはとても理想的です。
予習といっても、堅苦しいものではなく…「この花 知っているね」「こんな名前だったんだね」「お外でも見つけられるかな」等と声掛けをしながら一緒に本を眺めるだけで充分です。
きっと、外で図鑑と同じ草花を見つけた時に「これ知ってる!」と自信に繋がりますよ。

「見つけたよシール」で達成感湧く散策にするのも◎
散策中に見つけた草花が載っているページにはシールを貼るのもおすすめです。


見つけた草花には★シールを貼っています

自分だけのコレクションが増えていくような感覚で、楽しく散策が楽しめます。
見つけた草花だけでなくまだ見つけられていない草花にも興味を持つきっかけになりますよ。

アプリを使って散策

次は散策に役立つアプリの紹介です。
アプリの利点は何といっても手軽さです。
自身のスマートフォンで「すぐに」「無料で」試すことができるのは、ありがたいですよね!
ここでは2種類のアプリを紹介したいと思います。

1つ目はGoogleレンズです。

Googleレンズは、Googleが提供しているサービスの一つで、目の前にあるものが何かを調べることができる検索ツールアプリです。
このアプリを使って撮影した物(事前に撮影した手持ちの画像でもOK)と類似している内容の写真や記事をネット上から瞬時に検索し表示してくれるので、「この花なあに?」と聞かれたものの…わからない…!!という時にとっても便利です。

アプリ内のカメラ撮影すると…

すぐにボケの仲間だとわかりました!

子どもが興味を持ったものを、その場で一緒に知ることができるので、散策がとてもスムーズになります。

ちなみに、こちらのアプリ…植物以外のものでも検索できるので、日常の中でも結構便利です。
「このキャラクターなんていう名前だっけ?」「これ定価何円だったっけ?」という時など…普段のちょっとした「?」に幅広く活躍してくれるアプリです。

2つ目にご紹介するアプリはいきものコレクションアプリBiome(バイオーム)です。

Biome(バイオーム)は自分の発見した草花をデジタル図鑑のように記録できる、長い目で見ても楽しめるのが魅力的なアプリです。
アプリ内で起動したカメラを使って撮影した植物や生き物は、AI判定で名前の候補を出してくれるので、知識が無くても大丈夫!
もし判定に自信が無くても「みんなに質問する」という機能があり、他のユーザーに教えてもらう事も可能です。
図鑑に保存した写真はきちんと分類わけされ、まるで本当の図鑑のようになりますよ。
全国のユーザーが投稿した「生き物マップ」を開くと、近隣で撮影された動物や植物の情報を確認することができたり、季節ごとにクエストがあったりと…身近な自然に対して、まるで冒険に出かけるようなワクワクを演出してくれるアプリです。

装備品で子どもの気分をアップ!

デジタルカメラやルーペ等、気になった草花を自分で観察できるグッズを持たせるのもオススメです。
子どものテンションも上がるような「特別な装備」があると、散策がより楽しくなります。
「今日きれいだなと思った植物の写真を撮ってみよう!」「毛が生えてる葉っぱはあるかな?見つけたら教えてね!」等、事前に声掛けをして持たせてみましょう。

まずは身近な場所でOK!草花を観察してみよう!

普段通る道も、よく観察してみるとたくさんの草花を目にすることができます。
道のわきに咲くタンポポや鉢植えのチューリップ等…これだけでも充分に春を感じることができそうですね。
よく通る場所で出会える植物は、散策の時だけでなく後日も目にして名前を思い出したり、成長を観察することができます。
まずは身近な場所から観察を始めてみましょう。

花壇の草花を観察しよう

公園の花壇や玄関先のプランターには色とりどりのお花が咲く季節。
野原にに咲く花とはまた違った華やかさがあり、素敵ですよね。
野原の花と大きさや色を比較しながら観察してみると、色々な意見が出そうです。
どの花も美しさに思わずウットリ見とれてしまいますが、花壇や鉢植えの草花は勝手に触ったり、花壇や他所の敷地に入らないよう気を付けましょう。

意外とある!道路脇の草花!

道路脇にも意外とたくさんの草花が生えています。
中にはアスファルトを押し上げて生えているものも…!
本当に逞しいですね。
生命力の強さに感心しながら草花を観察するのも発見がたくさんありそうです。
「どうやって種がここに飛んできたのかな」と予想するのも楽しそうですね。
通りの邪魔にならないよう注意しながら、車には充分に気を付けて観察しましょう。

たくさんの草花を一度に探したい方には野原や公園もおすすめ!

もっと色々な種類の草花を観察したい!
普段通る道では目にしないような少し珍しい草花を探したい!
そんな時は思い切って野原や公園へ出かけてみましょう。
きっとたくさんの草花に出会うことができますよ。

天気予報を確認して出かけよう

せっかくの散策も雨が降ってきてしまっては台無しです。
出かける前にまず天気予報をしっかりチェックしましょう。
寒暖に合わせて服装を選んだり、帽子など持ち物を用意できるとお出かけの際も安心です。
また、意外と見落としがちなのがです。
強風が吹いていると草花が激しく揺れて観察しにくいだけでなく、飛んできた土埃や砂が目に入ってしまったりと…アクシデントに繋がることもあります。
なるべく天候の穏やかな日を選んで散策に出かけられると良いですね。

服装は「動きやすい」「汚れてもいい」「ズボン」がおすすめ!

草花散策中は、意外と身体を動かします。
特に子どもは見つけた草花に向かって走ったり、観察の際には「移動してしゃがむ」という動作も多く、気が付くと足元やお尻の周りが土だらけになってしまうことも…!
散策の際は汚れてもよい服でお出かけしましょう。
ストレッチ素材の長ズボンだと、動きやすく且つ植物の棘や虫からも身を守ってくれるので、安心して散策することができます。
日によって寒暖差がある季節なので、カーディガンやパーカーなど着脱ぎして体温調節できるような服装で出かけましょう。
濡れたり酷く汚れたりの可能性がある場合は、着替えも準備しておくと良いでしょう。

袋とウェットティッシュが何枚かあると便利

散策の際は持ち物にポリ袋とウェットティッシュを何枚か準備しておくと心強いですよ。
摘んだ草花や拾った実を「持ち帰りたい~」と言われることはありませんか?
袋があればそんな時にパッと子どもに手渡せますし、汚れた着替えやちょっとしたゴミを入れたりもできるので…何かと便利です。
また、散策中は花粉や泥、植物の汁などで手が汚れてしまうことがあります。
野原や土手ではお手洗いが無かったりもするので、そんな時にサッと手の汚れをふき取ることができるウェットティッシュがあると便利ですよ!


春を代表する3種類の花を解説

ここからは、この季節によく見かける草花を簡単に解説したいと思います。
植物のの特徴や観察のポイントなど、参考にしてみて下さいね。

満開に咲き誇る桜の花を、毎年楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
桜はバラ科の桜属の総称で、自生している種類だけでも15種類程…園芸用に品種改良されたものを合わせると…なんと300種類以上あると言われています!
代表的な品種の染井吉野は薄いピンク色の花びらが5枚。外側に三角の切れ込みが入ったような形をしています。
他の花と、花びらの形を見比べてみましょう。
この形の花びらは桜の個性だという事に気が付くはずです。
また、桜の花びらは薄くてよく震えるので、両手の指で唇に押し当て上手に息を吹くと「ピー」と音が鳴ります。
そんな桜笛に挑戦してみるのも楽しいですよ!

桜といえば…子どもも大好きなフルーツ、さくらんぼの実をつけるイメージがあります。
この染井吉野も可愛らしいさくらんぼのような赤い実をつけますが、残念ながら酸味と苦みが強く、食用には不向きだそうです。
しかし…芽が膨らみ、花が咲き、葉桜になり、実が成るという1つの植物の変化は、子どもにとって大きな学びになるはずです。
もし、普段通る道に桜の木があるようでしたら、そんな季節ごとの変化にも目を向けてみて下さい。

ちなみに食用になっているさくらんぼは西洋実桜(セイヨウミザクラ)という種類の桜から実り、染井吉野よりも少し白っぽい色の花を咲かせます。

「さくらんぼ」は桜の子どもを表す「桜の坊」が変化してついた名前だといわれているそうです。

つくし

つくしは、土手や原っぱなど日当たりの良い場所でよくみられる植物で、「スギナ」というシダ植物の一部です。
上の写真に写る大部分の緑色の植物がスギナです。
一見違う植物のように見えますが、土の下では全てが根っこで繋がっています。

スギナは花を咲かせない代わりに、胞子を飛ばし種の役割をしてくれるつくしを生やして仲間を増やすのです。
この胞子は、つくしの頭の部分にあります。
最初は六角形のタイルが敷き詰められたような形をしていますが、成長するとタイルのような部分が傘のように開き、中から緑色の粉(胞子)を飛ばします。
そしてスギナは茎をのばしながら更に成長していくのです。
このように、成長の過程でつくしの頭の部分の形が微妙に変わっていくので、散策の際には今どのくらい傘が開いているのか注目しながら観察してみると面白いと思います。

頭がまだ閉じているつくし

また、スギナの緑の葉は太陽から栄養を作る大切な役割を持っています。
スギナが枯れてもつくしが枯れても、仲間を増やすことができないのです。
是非、つくしだけでなくスギナにも注目して観察してみて下さいね。

タンポポ

タンポポは野原や公園だけではなく、石の隙間からも花を咲かせるような強い生命力を持つ植物です。
その分どこでも見かけることができるので、買い物帰りにふと春を感じさせてくれます。
私たちにとって身近なタンポポなのですが、実はこの花びらに見える1枚1枚が花であることをご存じでしょうか。
もし散策中に見つけたらじっくり観察してみて下さい。花1枚に対してしっかりとおしべ・めしべ・種のもとになる部分が確認できるはずです。
また、花びらのような形をよくみてみると細長く上の方が少しギザギザしています。
このことから、海外でタンポポは「DANDELION(ライオンの歯)」と呼ばれています。
「何の動物の歯に見える?」と一緒に想像しながら考えるのも楽しそうですね。

そして、タンポポは夜になると花を閉じて眠ります。
お家でコップにさして観察してみるとそんな昼間とは違う様子を発見することもできますよ。

たんぽぽも桜と同様、綿毛になるまでの変化が楽しい植物です。
「綿毛はどうして風で飛ぶのかな?」と考察しながら長く観察すると、たくさんの学びがありますよ。

実は3種類とも食べることができる植物

今ご紹介した桜・つくし・タンポポの3種類は春を代表する草花であるとともに、食べることができるという共通点もあります。
桜は葉を桜餅に使用したり、花を塩漬けにしたり…桜フレーバーの飲料や菓子も多いですよね。
つくしも食べてみると山菜のような味で、好んで食べる人も結構多いんです。

つくしの佃煮

調べてみるとつくだ煮やナムルなど…色々な調理法が出てきますよ!
タンポポもまた食用のイメージはありませんが…土手などで多く見られる西洋タンポポは、元々外国から食用野菜として持ち込まれたものだとか。
葉も根っこも食べられることから日本で広く食用として愛されることを期待していたのですが、定着しなかった上に生命力の強さから全国に種が飛び広がり今に至るわけです。
ちなみに、その時たんぽぽと同時に輸入された野菜がキャベツ・トマト・ジャガイモ・ニンジンだったと言われています。
このように少し観点を変えて、食べ物としてのルーツから知識を深めるのも楽しいですね。

*家庭で試食する際は、似ている他種の植物と誤食しないようお気を付けください*

見て触った経験が知識になる

タンポポ1つとっても、その植物を深く知ることでたくさんの発見があります。
どんな植物もネットや図鑑で気軽に調べることができる時代ですが、実物を「見て」「感じる」ことは子どもにとってもかけがえのない経験になるのではないでしょうか。
草花を観察しながらお子さんとたくさん会話してみましょう。
子どもの感性や想像力に、こちらがたくさんの発見を覚えるかもしれませんよ。

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この記事のライター

ちばまり
ちばまり

飲食業界→水族館→アクセサリーデザイン…と不思議な経歴を経て、現在は男の子を育てています。「経験は宝」と、自身のこれまでを重ねながら…キャンプや工作、科学実験等…親子で日々 色々なことにチャレンジしています! さぁ、どんな好奇心の種が育つかな…?