2023年04月25日 公開

【体験談】自学力が育つ!小学校中学年以降の家庭学習時間を伸ばす方法

小学校中学年以降の家庭学習時間の確保と定着方法を、筆者の体験を基にご紹介します。小学生に推奨される家庭学習時間は学年×10分または、学年×10分+10分と言われています。中学年は学力格差が広がり始める時期。宿題以外の勉強をする「家庭学習習慣」を定着させたいですね。

一般的に家庭学習時間の目安は学年×10分、または学年×10分+10分と言われています。(他に学年×15分とする説もあります。)1,2年生のうちは30分以内の学習時間なので、勉強をそれほど苦痛に感じない子が多いでしょう。
というのも小学生の集中力持続時間は15分程度。30分以内であれば、何とか頑張れるのではないでしょうか。

ただ3年生以降になると40分、50分・・・と学習時間が伸び、集中力や忍耐力が問われるようになってきます。
この記事では学力格差が広がり始める、小学校中学年からの家庭学習の取り組み方、勉強時間の増やし方についてご紹介いたします。

素直に勉強しないのは成長の証

以下のようなお子さまの学習の取り組み方に、悩む親御さんは多いかと思います。

・親が勉強を促すと「今やろうと思ってたのに!」などと、口答えをして、なかなか取り組まない。

・学習時間を、宿題だけでやり過ごす。(もっと早くできるはずなのに、宿題をゆっくりやって他の勉強をする時間をなくす。)

・宿題だけ短時間で済ませて遊びに行ってしまうので「学年×10分」の学習時間は確保できていない。

・漢字、計算ドリルの宿題に疲れてしまい、他の勉強ができない。

小学校中学年はいわゆる「ギャングエイジ」と呼ばれる中間反抗期。友達との関りの優先順位が高く、親に反発することも増えてきます。
そのため親から「勉強しなさい」と言われることで余計にやらなくなることも。
ギャングエイジの扱いにくさは成長の証です。自立心が芽生え、自分の意思が明確になってきているのです。
ただ親としては学力格差が広がる中学年以降こそ、宿題以外にも自主的に学習する時間を増やしたいところです。

自立心、友達との仲間意識が強くはなる、この時期は「命令口調」で勉強を促すのは逆効果。
子どもの自主性を尊重した親のサポートがあれば、学習意欲が育ち、勉強時間も自然と長くなるでしょう。

【体験談】小学校中学年の子の学習意欲の引き出し方と保ち方

筆者には現在中学1年生の娘がいます。公立小学校から私立中高一貫校に進学したのですが、入学直後からテストや課題が次々あることに驚きました。そしてそれらを納得いく成績や形にするには、小学校時代よりも長い勉強時間が必要となりました。
のんびりと過ごして来た彼女が、環境の変化に対応できるか心配でしたが、意外とすんなり受け入れ、自主的に勉強しています。

「予習をしっかりしよう!そうすることで次の日の授業も意欲的に受けることができて、復習が短時間で済むよ。」
という、担任の先生の言葉が響いたようです。

そんな彼女も小学3年生の頃は、親に言われないと勉強しない、言われると反発する「ギャングエイジ」真っ只中でした。
帰宅後はランドセルを玄関に置いたら、仲良しの女子4,5人と遊びに行きます。お互いの家に行ったり、公園で遊んだり・・・楽しそうで良いのですが、チャイムが鳴るまで目いっぱい遊ぶため、クタクタ。帰宅後は宿題をするだけで精一杯の日もありました。

夕方からソファで寝落ちすることも多い娘。

「このままでは高学年以降詰む!」
危機感を感じた筆者は、試行錯誤しながら5つの対策をとり、学習時間を確保&延長することができました。

対策1:帰宅直後、テンション高めなうちに勉強

体を動かしたり、大声で騒いだりしたりした直後は、脳内で幸福感や意欲を高める神経伝達物質ドーパミンが分泌されています。
つまり集中力学習意欲が高い状態。
遊んで帰宅したら、ダラダラする前に宿題+家庭学習を促しましょう。親が不在の場合は手紙やメッセージで励ますのがおすすめ。

「お疲れ様!ママパパは〇時に帰ります。それまでに勉強終わらせておこうね。」
「わからないところは一緒にやろう。夕ご飯の後は一緒に○○(ゲームや遊び)しようね。」

などと伝えておくことで、子どものやる気は高まるものです。

小学3,4年生は体力の回復は早いですが、まだまだ疲れやすいです。帰宅後、時間を置いてしまうと疲労感とともに睡魔が襲ってくるので要注意。

対策2:家庭学習の課題は30分以内で終えられるものを

小学1年生から某通信教育のタブレット教材で学んでいた娘。1回15分程度で終わるものでしたが、漢字練習や計算ドリルなどの宿題の後に取り組むと、集中力が低下してきて30分以上かかることもありました。
ダラダラして進まないときは、「今日はやめちゃえば?」と私の方から言ってしまうことも。(良くないですね・・・)

そういう風に言われると、逆に途中でやめるのが悔しくなるようで、時間をかけても最後まで終わらせていました。今考えると、無理に1日の学習量をキープせずに、疲れている時は教科数を減らす5分間で取り組めるドリルに置き換えるなど、臨機応変に教材を変えてあげれば良かったと思います。

子どもの集中力は15分程度であることを考えると、家庭学習の課題は30分以内で取り組めるものが望ましいです。
通信教育、5分間で取り組めるタイプのドリル、大手塾の問題集など、30分で終えられる家庭学習の教材はたくさんあります。
お子さまの性格、習得スピードに合った教材を選べば毎日の勉強は習慣化します。
宿題+自主的に勉強する時間を5分でも良いので作りましょう。

対策3:一言コメントでもOK!手を加えたプリントでモチベーションアップ

まだまだ甘えん坊で、親からかまわれたい、褒めてもらいたい気持ちがある小学校中学年。家庭学習に親が適度に関わることでモチベーションは上がります。

うちの娘は、私が作った計算問題や漢字の読み書きテストは喜んでやることが多かったです。

とは言え、毎日のことなのでイチから作るのは面倒くさい・・・無料学習プリントをダウンロードして、イラストやメッセージを少しだけ入れる、ということもありました。

「これが解けたら天才!」

「えっ?!もうできたの?」

などと問題文の間に書き込むだけでも、何も書かないプリントに比べて、娘の学習意欲は高まっていました。

対策4:友達も巻き込んで!一緒に勉強しよう

放課後、友達と遊ぶのであれば「宿題や勉強を友達と一緒にやってから遊ぶ」ことを提案してみましょう。

うちの娘は、友達とリビングで宿題をやったり、通信教育に取り組んだりしてから遊ぶようにしたら、そうでない日(友達と勉強しなかった日)も勉強をするようになりました。
平日が難しければ土日の空いている時間に、都合の合う友達と一緒に勉強&遊びの約束をしても良いですね。

友達はライバルでもあります。友達の勉強する姿を見ることは良い刺激です。宿題や勉強を怠けたくなった時に、頑張っている友達の姿を思い出すことでやる気が復活します。

対策5:「勉強しなさい」はNG。親の集中する姿を見せる

子どもは親の行動をよく見ています。特にギャングエイジの子どもは観察眼が鋭く、大人に批判的な見方をすることも。
ママパパがスマホばかり見ているのに、子どもに「ゲームは30分まで」と言ったり、テレビを見ながら「勉強しなさい!」と注意したりするのは説得力がありません。「ママパパもやってないよ!」と子どもが反抗したくなります。

子どもに勉強させたいのであれば、親が読書や仕事、勉強をしている姿を見せましょう。
親が静かに集中する様子を見れば、自分も同じようにやってみようと思えます。
そこで「○○も勉強する?わからないところがあったら教えるよ。」などと、誘うのも良いですね。

我が家はリビング学習派。私や他の家族がリビングで仕事や勉強をはじめると、娘がいつの間にか隣にきて、宿題をやり始めていました。
「そろそろ宿題したら。」と一声かけて、娘に動きがない場合は、それ以上声がけはせず、親が仕事や読書などをはじめるようにしていました。

子どもは「勉強はやるべきこと、やった方が良いこと」だとよくわかっています。親が先回りして指示を出し過ぎると、自学力が育ちにくいです。

勉強は15分、30分に分けて!

通信教育、塾の宿題、市販のドリル・・・宿題以外の勉強を消化するには「学年×10分(+10)分」を超える学習時間が必要になることも。
その場合は、勉強する時間を分割または分散させると良いでしょう。

娘の中学の国語の先生(進学指導に携わることも多い)が提案していたのが「例えば1時間半ぶっ通しで勉強するのは非効率。教科を変えて、休憩を取りながら勉強しよう。」でした。

具体例として以下のような勉強スケジュールをあげられていました。

上図のように、90分の勉強を30分×3回に分割することで、学習意欲と集中力が保たれるとのことです。

また、中学受験専門塾伸学会 代表 菊池洋匡氏は著書『小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』の中以下のように分散学習を推奨しています。
(勉強した内容の最初と最後は記憶に残りやすいと述べた上で)
”また、「3時間ぶっ続けで1つの科目・単元を勉強する」というような集中的な学習は避けましょう。結局、真ん中あたりで勉強したことは記憶からこぼれ落ちてしまいます。それよりは30分ずつ6つに分けて勉強したほうが、最初と最後が6倍に増えるから覚えやすくなりますね。”

菊池洋匡『小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』実務教育出版,2020年,P85

先にも述べた通り、小学生の集中力は15分程度です。長時間、続けて勉強するのは非効率。
時間や学習内容を分ければ、勉強時間を伸ばすことは難しくありません。

中学年以降は言葉よりも「環境づくり」が自学力を育てる

低学年までは、勉強は親主導で宿題や勉強をさせていても、素直に取り組む子が多いでしょう。しかし中学年以降も「親に言われるからやる、叱られるからやる」という受動的な勉強をしてしまうと、勉強=親のためとなってしまい、自学力は育ちにくいです。
自分で調べたり、考えたりして理解する楽しさを体験させるためには、親が学習環境を整えましょう。

・辞書・図鑑・地図帳などをいつも勉強する場所に置く。

・子どもが勉強するときは家族もテレビ、ゲーム等はしない。

・今日何を勉強するかを子どもに決めさせる。この時算数は30分、英単語暗記15分などのように時間配分も決めます。(長期スケジュールを組みたい子であれば、それもOK!)

・可能であれば添削をママパパがして、とにかく褒めることです。中学年であれば子どものモチベーションアップにかなり有効です。

・勉強することが将来の進路の選択の幅を広げることを伝える→勉強をするメリット

たとえ5分でも良いので宿題以外の学習に毎日取り組むことが、自学力を育みます。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。