最近はSNSなどで、ペットに関する発信をしている方が多くなり、世界中の可愛らしい動物たちの姿を目にする機会が増えました。日本で飼われているペットたちの多くがそうであるように、イギリスのペットたちも『家にいる動物』という分類を超えて、立派な『家族の一員』としてたくさんの愛情を注がれて生活しています。
今回のすくすくレポでは、イギリスに住んでいて気づいた、ペット(今回は主に犬・猫)に関する話題をお伝えしたいと思います。
人口の半分以上がペットオーナーの国!
イギリスの人口は日本の人口の半分ほど(約0.53倍)ですが、そのうちの52%がペットを飼っているという調査結果が出ています。(犬、猫だけでなく、ウサギやハムスター、爬虫類なども人気です。)
犬に関して言うと、イギリス家庭の約27%が犬と暮らしており、犬の飼育率は日本の2倍と言われています。イギリスで飼われている犬の数は1020万匹にものぼります。
猫の飼育率は約24%とこれまた高く、その数は1110万匹です。ちなみにイギリスで人気があるペットにウサギがいますが、ウサギの飼育率は2%ほど。それでも総数としては100万匹になります!
こうやって数でみると、本当にペットの数が多いことがわかりますよね。いろいろなご家庭に遊びに行って思うのが、ペットが家族の一員として本当に大切に扱われているということ。どの家に行っても、ペットの住環境がきちんと整えられています。犬は室内飼育が基本であり、大型犬を飼っている家庭が多いのもイギリスの特徴ですが、犬用スペースとして3/4畳ほどもある大きなフカフカのクッションがどどーんと置かれていて、人間から見ても心地よさそうです。また猫が屋外・屋内を自由に出入りできるように、猫用のフラップ式ドアが設置されていたり、ウサギが走り回れるように芝生の庭をウサギ用に開放している家庭も多く見られます。
逆にイギリスであまり見かけないのが、ペット用の洋服。犬が雨に濡れて体を冷やさないように着せるコートなどは見かけますが、ファッションのための洋服を着ている犬を見たことはほとんどありません。
イギリスで人気のペットの名前は?
ペットをお迎えしたら、名前をつけますよね。人間も動物も、名前があることはとても大切な意味をもちます。イギリスの犬・猫の犬は、どんな名前が多いのでしょう?
英国チャリティー団体BLUE CROSSの調査によるトップ10をご紹介します。
犬の名前:トップ10
【犬】 | 【オス】 | 【メス】 |
1 | Max | Bella |
2 | Charlie | Poppy |
3 | Buster | Daisy |
4 | Alfie | Millie |
5 | Buddy | Molly |
6 | Marley | Rosie |
7 | Toby | Lola |
8 | Milo | Roxy |
9 | Archie | Tilly |
10 | Rolo | Lexi |
猫の名前:トップ10
【猫】 | 【オス】 | 【メス】 |
1 | Charlie | Poppy |
2 | Felix | Bella |
3 | Finley | Misty |
4 | Buddy | Molly |
5 | Ralph | Daisy |
6 | Oscar | Tilly |
7 | Milo | Luna |
8 | George | Lily |
9 | Tigger | Lilly |
10 | Alfie | Willow |
ペットらしい名前もありますが、ほとんどは人間の名前と同じものが多いことに気づきます。名前を短く呼べて、親しみやすくしているものもあります。例えばIsabella(イザベラ)がBella(ベラ)のような感じですが、これは人間の名前でもよく使われるニックネームの呼びかたです。日本の名前で例を挙げるとすれば、「ゆきこ→ゆき」「まさよし→まさ」というような感覚でしょうか。
日本のペットの名前を見てみると、たとえば犬の1位から「ムギ」「ココ」「モカ」「ソラ」「マロン」「レオ」などがランクインしています。こちらは、ペットらしくて呼びやすく可愛らしい名前が多いですね。イギリスの名前も日本の名前もどちらも素敵だと思います。そして同時に、ペットの名前にも文化の違いを感じます。
イギリス原産の犬にはどんな種類がいる?
イギリスにおける犬の歴史は大変長く、イギリス原産の犬として登録されている犬種は、実に56種類にものぼります。あまり犬に詳しくない方でも、「あ!この犬、見たことがある。」と思うものも多数。イギリス原産の犬で有名な犬種には、
・ジャック・ラッセル・テリア
・ウェルシュ・コーギー(ペンブローク)
・ブルドッグ
・ボーダー・コリー
・ビーグル
・ヨークシャー・テリア
・イングリッシュ・ポインター
・シャットランド・シープドッグ
・イングリッシュ・コッカー・スパニエル などがいます。
それぞれに性格的・外見的特徴があり、魅力的な犬種がたくさん。牧羊犬や狩猟犬として人々の生活を支えたり、愛玩犬として貴族や王室に癒しと娯楽を与えてきた歴史があります。
▼イギリスの犬の話はこちら
イギリス原産の猫にはどんな種類がいる?
犬ほど種類は多くありませんが、イギリス原産の猫も多数。
イギリスのマン島を発祥とするマンクス、日本国内でも人気が高いブリティッシュ・ショートヘアー、くりくりの目と折れ耳が特徴的なスコティッシュ・フォールド、家庭猫として改良された美しい毛を持つヒマラヤン、他にもオリエンタルショートヘア、デボン・レックス、ソマリ、バーミラなど、さまざまな猫種がいます。
犬が住みやすい国イギリスとよく言われますが、イギリス人は猫も大好き。飼育頭数も年々増えています。猫や動物全般を守る法律も整備されており、また猫も犬と同様に店頭販売はされていません。誰かから譲ってもらうか、ブリーダーから引き受けることが一般的です。
▼動物福祉(アニマルウェルフェア)についての記事はこちら
親子で犬種や猫種を調べてみよう
今回ご紹介した犬種・猫種についてぜひ、お子さまと一緒に調べてみてはいかがでしょうか。辞典やインターネットを利用して、それぞれの特徴を写真つきで知ることは、お子さまにとっても興味深く、動物への優しい気持ちも育む一歩となることでしょう。
■いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの記事はこちら↓↓↓