ドリッピング、または吹き流しと呼ばれる技法でできる「おうちアート」を親子で楽しんでみませんか。材料は100円ショップでも手に入るもので大丈夫。3歳くらいからの未就学児でもできる簡単な方法と、ポイント、作例の紹介までお届けします。
ドリッピング(吹き流し)とは?
スパッタリングやデカルコマニー、マーブリングなどと同じように、偶然性や即興性を重要視するモダンテクニックの一つで、筆やクレヨンなどと紙やキャンバスとが直接触れ合うことはありません。
ちなみに、この技法は、ジャクソン・ポロックの絵画に用いられたことで広く知られました。床に広げた巨大な平面に、全身を使って手首や腕を大きく動かし、飛ぶように放った顔料が、滴るように落ちていくものです。彼は、商業用の塗料も使い、かなり重みと迫力のある絵画作品を多数世に送り出し、その後のアートシーンに影響を与えています。
しかし、現在、日本の図工・絵画や幼稚園・保育園などで行われる「ドリッピング」や「吹き流し」はもう少し広範囲の定義。インクや絵の具を画用紙などにたらして、ストローなどを利用して息で吹いて仕上げる模様を楽しむ技法を指すようです。
思いも寄らない動きや形ができること、色の混ざり合いや、広がりを楽しめること、クレヨンなどで描く、塗る以外の表現を体験できます。
ドリッピング(吹き流し)に必要な材料と用具
<必要なもの>
・絵の具(水彩絵の具、ポスターカラー、アクリル絵の具など。花や果物の絞り汁でも)
・画用紙(不要なカレンダー、ハガキ、色画用紙なども使えます)
・ストロー(紙を細く丸めても)
<あると便利なもの>
・空のペットボトル(筆を洗ったり、水を継ぎ足したりする)
・ペットボトルのふた(絵の具を溶いて入れるのにちょうど良い)
・筆(割りばしなどでも代用可能)
・ウエットティッシュ(雑巾、タオル、ティッシュでも)
・シート(新聞紙など、周囲が汚れないように)
また、親子共に汚れても良い格好にしておきましょう。
ドリッピング(吹き流し)用の顔料を作ろう
幼児がちょうど良い量の絵の具を筆に付けて、画用紙の上に垂らしていくのはちょっとコツがいるので、ペットボトルの蓋の中で量を調整すると使いやすかったです。
まず好きな色を出して、ペットボトルの水を直接注ぐか、ペットボトルにストローをさして、水をストローに入れてから親指などで塞ぎ、少しずつ垂らしましょう。筆や割り箸を使って混ぜ、画用紙の上に流れやすい濃度に調整してください。水が少なすぎると流れず、多すぎると色が薄くなります。
2、3種類の絵の具を混ぜて好きな色を作っても良いでしょう。
画用紙の上に絵の具を垂らそう!
ただし、3歳くらいだとコントロールが難しかったので、ペットボトルの蓋から垂らす方法に。醤油の空き容器などを利用しても良さそうですね。
単色だけでも、たくさんの色を少しずつ垂らしていくのも、面白いです。
ストローで絵の具を吹こう!
絵の具が流れて、不思議な形や線を描いていくのを存分に味わいましょう。
画用紙を持ち上げて揺らしてみたり、あるいは壁に貼って、床に垂れていくのを楽しむのもステキです(あらかじめレジャーシートや新聞紙をひいておけば安心!)。
ドリッピング(吹き流し)の作例
できあがった線や形を見ながら、「何に見える?」と想像力を膨らませて見るのも楽しいですね。
水彩絵の具は乾いたときの濃淡がまた味わい深いです。メッセージを書き添えたり、クレヨンなどで描きたしても良いですね。ハガキサイズで作ると、そのままおじいちゃんおばあちゃんへの近況報告ハガキや何かのお祝いカードなどにしても喜ばれそうです。
さまざまな紙の上で試してみよう
ドリッピング(吹き流し)は宇宙や花火、草木の表現にピッタリ!
宇宙の場合は青や濃紺などの画用紙の上に細かいしぶきを吹き付けます。スパッタリングと組み合わせるのも良いでしょう。その場合、地球や惑星を表現したい箇所のところは、こうやって似た形(このときはコーヒーフィルターとラベルシール)の型紙で隠しておきます。
地球や惑星をマーブリングで表現するのもステキですよ(白と青をうまく使いましょう)。
また、黒や濃い青の紙の上に、鮮やかな色の絵の具を垂らし、吹き流しをすると花火っぽくなります。
茶色や緑色を使って少しずつ吹いていけば、草木の表現にもマッチしますね。
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色々な方法を実験しながら楽しもう!
どのくらいの加減で息を吹けば、どういう形ができるのか、その試行錯誤を親子で楽しみましょう。1枚を丁寧に仕上げるというよりは、何枚も何枚もいろいろな方法でやってみるのがオススメです。
でも、未就学児のお子さんなら、途中で他のことがやりたくなったり、他の方法を組み合わたくなることも多いのでは。その場合、親子でそれぞれ作業に没頭するのもいいですし、必ずしも「何かの作品を仕上げる」ことを目標にせず、過程や発見を大事にするのも良いかな、と感じました。
ぜひ楽しんでみてくださいね。