子どもの情緒を豊かに、そして自立した人間に育てるメソッドとして人気の高いシュタイナー教育。とはいえ、日本ではシュタイナー幼稚園はまだまだ数が少なく、入園は難しいのが現状です。そこで、家庭の中でシュタイナー教育を取り入れる、ポイントとコツをご紹介します。
テレビなし、ゲームなし、スマホなしで子どもと向き合う
シュタイナー教育では、「10歳くらいまで、テレビやビデオ、そしてゲームなどの電子機器の使用は避けるべき」という考え方があります。
幼少期は、現実と画面の中の世界、そして過去や未来などの認識が難しいため、バーチャルな刺激を避け、現実の経験に重きを置いた子育てが推奨されています。といっても、実際にテレビのない生活は大変!
筆者は長男が3歳まで、テレビ教材を使った育児をし、家事などで忙しいときはテレビに子守り担当をお願いしていました。
しかしシュタイナー教育に出会ってからは、テレビを家庭内では使わずに12歳まで育てました。テレビが壊れて使えなくなった!という演技からはじめ、テレビが担っていた役割を、一緒に遊ぶことで補いました。
一緒に絵を描く時間、工作や粘土などでじっくりと遊ぶ時間が増え、子どもの想像力がとても豊かになったという実感があり、続く次男、三男も同様の子育てを実践しています。
「すべての時間」は無理でも、テレビのない日を定期的につくってみるところから実践してみてはいかがでしょうか?
おもちゃは【自然素材で】皮膚感覚を育てる
シュタイナー教育というと、ナチュラルなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
6~7歳くらいの、歯が抜け替わる時期までの子どもには、過度な刺激を避け、肉体の機能の発達に重点を置くのがシュタイナー独自の発達段階に応じた考え。そのため、強い色を使ったものやプラスティックなどのおもちゃは、シュタイナー教育では使用しません。
木製のつみきや電車、木の実、羊毛でつくられた人形、シルクの草木染の布、みつろう粘土など、温かみのある素材を使い、皮膚感覚を育てていきます。
シュタイナーには市販のおもちゃもたくさん!
教育の現場でも使用!素朴でやさしいシュタイナーのおもちゃ3選 – Chiik! – 3分で読める知育マガジン –
創造力と想像力を育む!シュタイナー教育で使われる蜜ろう粘土 – Chiik! – 3分で読める知育マガジン –
四季や行事を感じる、季節のしつらえも大切
シュタイナー幼稚園では、季節のテーブルと呼ばれる、季節の飾り物をするテーブルが設けられています。
木の実や貝殻、フェルト、羊毛、石、布などを使い、季節が感じられたり、その季節をイメージして学ぶことができます。日本独自の行事のしつらえも取り入れつつ、ご自宅を飾ってみてはいかがでしょうか?きっと、子どもの情緒を育てることにつながるでしょう。
こんな本を参考に!ウールの手仕事も素敵
タイトル:めぐる季節のウールワーク
著者:DOMBURI
出版社:精巧堂出版
羊毛でつくったもの+自然素材で、季節のテーブルを作成することが多いです。お花も飾って、美しく仕上げます。
暮らしのことを一緒に楽しむ、手仕事をお手伝いに
手先を器用に使い、暮らしのことを楽しむことも重要です。摘んできた野の花を活けたり、お料理をしたり、編み物や縫物をしたり……。
自分の手でつくり、それを実際に暮らしの中で活かしていくことを幼少期から行っていくことで、生きていく力を身につけることができます。ママのお手伝いをすることも重要です。
苦手な子も一歩ずつ。ママが苦手なら、得意なママ友やおばあちゃんにサポートをお願いしてもよいですね。
まとめ
「今」という時間を大切に過ごすことが、家庭でのシュタイナー教育の第一歩につながります。子どもたちを観察し、必要なものを与え、そして見守ってあげることで、子どもたちは自ら選択し、創造していく力を身に着けるのだと感じます。
まずはゆとりのあるお休みの日にでも、試してみてはいかがでしょうか?