子どもの英語習得を目的にインターナショナルスクールへの進学を検討しているご家庭もあるかと思います。英語環境に身を置くことができることは最大のメリットですが、いざ進学をするならデメリットも把握しておく必要があります。連載【小1から英検チャレンジ】vol.24です。
子どもが英語を習得するには環境が大事?
子どもに英語を習得してもらいたいと願う親は多いと思います。
もちろん私もその一人です。
ただ、熱心に取り組めば取り組むほど、普通に英会話教室に通わせても話せるようになる確率は低いと感じるようになりました。
一番いいのは「英語圏の土地で生活すること」ですが、それが叶う人は少ないでしょう。
そこで、子どもの生活環境を、一部でもいいから英語にしたい、という要望が生まれてきます。
子どもを英語環境に置くために真っ先に思い浮かぶのが、英語のプリスクールやインターナショナルスクールではないでしょうか。最近では就学前に英語プリスクールに子どもを通わせるご家庭が増えています。では、インターナショナルスクールの場合はどうでしょうか?
インターナショナルスクールってどんな学校?
文部科学省のウェブサイトによると、インターナショナルスクールとは、「”外国人学校”のなかで主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設」のことを称しています。
外国人学校は、「中華学校」「朝鮮学校」「インド人学校」などさまざまなルーツを持つ子どもたちが通う学校も含まれています。
日本の学校「一条校」との違い
日本の学校は学校教育法第1条に規定されており、一般的に「一条校」と呼ばれています。
一条校は文部科学省からの補助を受けるため、文部科学省の学習指導要領に沿う必要があります。中には一条校として認められているインターナショナルスクールも数校存在しますが、独自の教育方針を持つ外国人学校の場合は一条校にならない場合がほとんどです。多くは学校教育法第134条に規定する「各種学校」となっています。
「一条校」でないとどんな問題があるか?
文部科学省のウェブサイトには、一条校でないインターナショナルスクールに通わせても法律で定められている義務教育の就学義務を果たしたことにならないと書かれています。
たとえば、インターナショナルスクールの小学部を終えた児童が中学校から日本の公立中学校(一条校)への入学を希望しても、認められないということです。インターナショナルスクールの中学部の途中で日本の中学校へ編入学を希望する場合も、同様に認められません。
ただ、教育を受ける権利はありますので、実際のところは各自治体の教育委員会の判断によるようです。
保護者は子を「小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部」、「中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部」に就学させると規定されています。よって、保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。
インターナショナルスクールのメリット
それでも子どもをインターナショナルスクールに通わせるご家庭は毎年一定数います。
そのメリットを挙げてみると
1.学校内での言語は英語になるため、英語に触れる時間が絶対的に多くなる。
2.授業も英語で行われ、友人との会話も英語になるので、発話ができるようになる。
3.文部科学省の学習指導要領とは違う独自の教育プログラムが実施される。
こういったところになるでしょうか。
日本で英語教育を続けていても、英語で考え、発言するレベルに至るまではなかなか困難です。子どもの頃から英語環境に身を置くことで、当たり前のように話せるようになるのは間違いありません。日本在住のままネイティブ並みに英語で自らの意見を表現できるようにするには、最も確実な方法だと思われます。
また、3に挙げた教育カリキュラムも魅力の一つです。
日本の教育と違い、授業を受けるだけではなく自ら考えて発言し、議論をするような内容のものが多いです。
インターナショナルスクールのデメリット
1.高校受験、大学受験
メリットもありますが、デメリットは先にも挙げた「一条校」でないことです。
日本の教育課程を終了していないため、高校や大学の受験に制限が出てしまいます。
たとえば、日本の公立高校の受験条件の中には義務教育を終了していることというものがあります。しかし、インターナショナルスクールの場合は義務教育ではないので、これを満たすことができません。この場合は「中学校卒業程度認定試験」を受験し合格する必要があります。
大学も同様に日本の高等学校を卒業していないと受験できない場合もありますが、「高等学校卒業程度認定試験」(大検)に合格すれば受験することができます。
ただ、国際バカロレア認定校となっているインターナショナルスクールに在籍しプログラムを終了した場合は、高校を卒業した生徒と同等以上の学力を有していると認められており、大学入試の受験資格が認められています。
2.英語以外の教育
日本の教育プログラムに則っていないため、日本人としての学習機会が失われます。
たとえば国語・古文・日本史などの知識に差が出ます。日本の大学を受験したい場合は、英語以外の学習に苦労することも多いようです。
3.費用
一条校でないことのデメリットとして大きいのは費用面も挙げられます。文部科学省や自治体からの助成がないため、学費が非常に高くなる傾向があります。
4.親の英語力
学校からの連絡は基本的に英語になります。親の英語力が低いとかなり苦労します。
メリデメを理解した上で、気になるスクールは調べてみよう
メリット・デメリットを挙げましたが、各家庭によって感じ方は大きく異なると思います。
インターナショナルスクールは習い事と違って気軽に辞めるということが難しくなります。習い事としての英語教育では決して身につかない英語力は身につきますが、他のことと天秤にかける必要があります。
ママミーヤの場合は子どもをインターナショナルスクールに入れるだけの経済力も勇気も英語力もありませんでしたので選択肢にはありませんでしたが、教育内容には興味がありました。
特に東京都内には多くのインターナショナルスクールもあります。気になるスクールがあれば、教育方針や費用などを調べてみるのもいいかもしれませんね。
次回もお楽しみに!
■執筆者プロフィール
ママミーヤ
フルタイムで働く1児の母。ワーキングママ×保育園児で塾に通うことなく小学校受験をパス。英語学習は子どもが0歳の頃から聞き流しを開始。小1で英検5級・4級に、小2で3級・準2級に、小3で2級に合格。現在準1級を目指し英語学習を継続中。連載【小1から英検チャレンジ】では、自宅でできる子どもの英語学習法を紹介しています。お受験の経験を綴ったコラムはコチラ→連載『お受験』はじめました!