2020年03月18日 公開

小学校受験する前に、親が考えておくべき「お受験の問題点」5つ

小学校受験を終えた今、冷静に考えると見えてきたお受験ならではの問題点や課題。一方で、受験を通して親子で得たものもたくさんあります。お受験のメリットデメリットや落とし穴ともいえる、小学校受験前に知っておきたい点を5つにまとめました。連載:『お受験』はじめました!vol.55です。

小学校受験を終えた今、冷静に考えると見えてきたお受験ならではの問題点や課題。一方で、受験を通して親子で得たものもたくさんあります。お受験のメリットデメリットや落とし穴ともいえる、小学校受験前に知っておきたい点を5つにまとめました。連載:『お受験』はじめました!vol.55です。

1.親が教育熱心になりすぎる

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小学校受験は「親の受験」ともいわれます。

志望校は親の意思で選びます。そして学校側は、学校の教育に合う子ども・学校の理念や教育方法に共感している家庭を選ぶので、入学後に起きる問題が比較的少ないといわれています。ご縁をいただいた小学校に通わせている私も実際、そう感じています。

しかしながら、教育熱心な家庭が多い故に起こるトラブルもあります。

その多くが勉強への要望が天井知らずになってしまうことです。たとえば、入学前に塾のテストや模試で競い合ってきた癖が抜けずに、親はわが子が成績上位でないと不安になってしまい、入学後も自宅で詰め込み学習を強いてしまう、という話をよく聞きます。

2.費用は入学前後でそれなりに必要

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「お受験」にはお金がかかります。

塾に入っている場合、通常の授業の他に、模試や講習なども不安感からすすめられるまま軒並み受けてしまいます。友人はかかったお金をリストアップしている途中に、現実を直視でき、計算をやめてしまったと言っていました。

冷静な金銭感覚を失わせてしまうお受験。入学後にもそれなりにお金がかかるので、志望校選定にあたって大学卒業までの費用を一通り計算してみた方がよいでしょう。

入学後は、学費以外にも学校指定の制服などの購入、校外学習の費用など、さまざまにかかります。寄付金もあります。義務ではありませんが、多くの人が払っていると思います。国立小学校でも同様に寄付金を求められます。

意外と知らない人もいるのですが、附属の中学校・高校がある場合もそれぞれの入学時に入学金が必要になります。

第一子を私立に入れたけれど、思った以上に費用がかかるため第二子以降を同じだけの金額で教育できなくなったというご家庭もあります。

裕福なご家庭も多く、ちょっと遊びに誘われるとあっという間に数万円が飛んでいってしまうときもあります。

まずは概算でいいので試算と計画をしてみることを強くおすすめします。

3.私立には給食がない小学校も多い

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公立小学校は給食が提供されますが、私立ではお弁当の学校も多いです。

お弁当を毎朝作ることのストレスは大きいです。わが家は共働きで娘のミヤピーは保育園に通っていたため、毎日給食が出て当たり前の環境でした。

幼稚園でも給食が出る園もあると思いますが、それが、小学校に入学したとたん、毎日お弁当を作ることになると考えると……その負担は相当厳しいと想像します。お弁当の中身も適当なものを詰め合わせただけではダメだ、という緊張感が生まれてきそうです。

志望校を選ぶときに一番重視するのは「教育方針」だと思いますが、お弁当も意外と重要なポイントかも知れません。

4.中学受験をしないからのんびり……の幻想

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小学校受験をする理由の一つとして「附属の中学校がある小学校を選べば小学校時代をのびのびと過ごせるから」というものがあります。

しかしながら、国私立小学校の生徒の中には塾に通っている子どもも多いと推測します。大学まである私立の附属校であっても、それは同じです。

理由はさまざまですが、一番大きいのは

「中学校から受験して入ってくる生徒たちとの学力差を埋めるため」

でしょう。中学受験と同じレベルの勉強をしておくことで、中学進学後に落ちこぼれることを防ぎたいという想いが働くのです。

小学校受験をさせる親は教育熱心なので、上位を狙わせるために勉強に力を入れます。結果として中学受験をする子どもと同等の忙しさを強いてしまっている例をたくさん見ています。

5.不合格だった場合の子どもの心のケア

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小学校受験をすれば全員合格できるわけではありません。中にはすべての学校を不合格になってしまう場合もあります。

先ほども書きましたが、小学校受験では子どもが自分で小学校を選び、教育理念に共感し……なんてことはありません。親が受験校を選んでいます。

娘のミヤピーが受験した、ある小学校の合格発表を見に行った時のこと。帰り道に一組の親子とすれ違いました。親は塾に電話をかけていて「●●先生!!先生にご指導をいただきながら、不甲斐ない結果に終わり申し訳ありません……。お詫びのしようもございません」と泣きながら話していました。テンションが高まってしまっているのかとても大きな声です。子どもも横でずっと泣いていました。

実はこのとき、娘のミヤピーも不合格。私も心がしぼんでいたのですが、この親子の様子を見てハッとしました。

子どもががんばるのは親が喜ぶから。

子どもが辛いのは親が悲しむから。

受験は子どもの幸せを願ってやっていること。不合格でも子ども自身が不幸になるわけではありません。まして受験しているのは就学前の小さな子どもです。子どもが悲しいのは不合格そのものではなく、親の悲しむ様子を見ることです。子どもを悲しませてはならないのです。

悲しい思いを引きずったまま小学校に入学した子どもが問題行動を起こした例も知っています。

いつもお受験のときのようなきちんとした格好を学校でもさせられ、成績も1番であることを常に言い聞かせられ。塾にも入学前から入り、学校よりも塾を重視させられる。そういったご家庭にとって「小学校受験」とは何なのでしょうか……?

小学校受験の前によく考えてほしい

ママミーヤ自身は、小学校受験の準備を通して娘に多くの学ぶ機会を与えられたと思っています。知恵のつく問題や、手先の器用さを鍛えられる良質な問題に多数触れることができました。季節のことを問う問題も多いので、勉強も兼ねて家族で1年の歳時記を確認し、旬の食事や行事を知り、共に楽しむこともできました。

結果が駄目でも、就学前にいろいろなことを学ぶいい機会になると思いながら取り組んでいました。もしかしたら、こんな気持ちで取り組めたのは、塾に通っていなかったことで、周囲の目を気にせずに済んだからかもしれません。

小学校受験は学校との「ご縁」に尽きると思います。中学以降の受験のように、子どもがコツコツ勉強して偏差値の高低を競い合うスタイルとは違い、家庭と学校との相性が重視されます。

小学校受験が不合格だったとしても、決して終わりではありません。単なる通過点です。学校教育はまだはじまっていないのです。

合格することだけを目標にしてしまうと親子ともに精神が破綻してしまいます。

どんな事態になっても子どもと一緒に次を向いて笑っていられるように。

「なぜ小学校を受験させるのか」何度も何度も思い返していくことがとても大切だなと今でも思います。

次回の連載もお楽しみに!過去の連載は↓から

『お受験』はじめました!

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この記事のライター

ママミーヤ
ママミーヤ

フルタイムではたらくママ(時に数日にわたる徹夜あり)。 会社員から脱却し、フリーランスになるが前より忙しくなる誤算に悩む。 0歳から保育園に通う娘が一人。昨年、塾なしで小学校受験に挑戦して無事に入学。 0歳からの幼児教育・お受験の勉強を自宅で行うためのコツ・時間のやりくりなどをお伝えします!