2019年9月13日 公開

【八王子】自然環境で探求学習!「東京ウエストインターナショナルスクール」

東京・八王子にある「東京ウエストインターナショナルスクール(TWIS)」。都心から近く、自然豊かな地理的条件を活かした運営や多様な教師・生徒構成も魅力です。COOの川崎由起子さんと、学校事業統括責任者の村田学さんに、校内の様子や授業内容を詳しく伺いました。

【連載】インターナショナルスクール事情
Vol.1 プリスクールが子どもの英語教育で注目を浴びる魅力とは? 
Vol.2 インターナショナルスクールは日本の小学校と何が違うの?
Vol.3 自然環境で探求学習!「東京ウエストインターナショナルスクール」 ←今回はここ 

「東京ウエストインターナショナルスクール」の魅力は?

豊かな自然に抱かれ、広い構内に運動場や25mプールなどさまざまな施設も完備した校舎。
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東京ウエストインターナショナルスクールは2010年4月に東京都立川市に創立。幼稚部から小学部に生徒の進級とともに教育課程を増やし、2015年には中等部も開設されました。現在、幼稚部・小学部・中学部までの教育課程がある男女共学の幼小中一貫教育インターナショナルスクールとして運営。2015年から現在の八王子市梅坪にキャンパスを移設しています。

COOの川崎由起子さんと、学校事業統括責任者の村田学さんに、校内の様子や授業内容を詳しく伺いました。

パーマカルチャー:食育や農業に力を入れた総合学習を展開予定

学校の裏には広々とした農地も設けられている。
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探究的な学びの場として、八王子キャンパスの豊かな自然に囲まれた環境と、周辺ロケーションを活かした教育を実施。今後は「パーマカルチャー」(恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系)を意識して取り入れていくそうです。「パーマカルチャー」とは、パーマネント(永久な)、アグリカルチャ-(農業)を組み合わせた造語。発祥のオーストラリアやアメリカで大変注目されています。

村田さん:今年度からは探究的な食育・農業プログラムを実施していきます。

川崎さん:生きているものを肌で感じる、育てる経験は重要です。一生懸命やっても、枯れたり、実がならないことも。いつもうまくいって実がなるとは限りません。「なんで枯れたんだろう?」と振り返る力を育てるにはうまくいかない経験も必要ですよね。

総合学習としては、例えば小麦を育てるなら、小麦の歴史や文学、小麦の生産量や世界のどの地域で小麦がどのくらい生産されていくか、社会や地理、数学などにつなげていくことも可能です。

日本人はどのくらい?英語母語比率は……

幼稚部、K5(年中)のサマープログラムのスナックタイムの様子。
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コース/生徒数

・幼稚部/72名(4学年)
・小学部/180名(6学年)
・中等部/54名(3学年)
合計306名(2019年度)

※プリスクール(保育部)を2019年度から募集し、9月に開校。

少人数制でアットホームな雰囲気

年と年度によっても変わるが、2019年度の生徒構成は、日本人が55%、アメリカ人が20%、中国・韓国などが15%、ヨーロッパやオセアニアが10%。ダブルの国籍を持つ生徒が年々増えており、また近年、オースト ラリア、中東・アフリカ出身の生徒が増えつつある。
村田さん:東京ウエストインターナショナルスクールは、新興のインターナショナルスクールですが、英語母語比率を意識的に20%前後は必ず確保しています。ほぼ日本人のインターナショナルスクールもありますが、小学校課程の5年から6年間を過ごした後、生徒の英語コミュニケーション能力に大きな差が出ると考えています。

本校の場合、横田基地があるのでアメリカ人家庭の比率が多めです。大使館など都市部から通う方もいます。

川崎さん:横田基地では極端な話「明日から違う国へ」というくらい移動が多いので、横田のお子さんは出入りがすごく多いのですが、子どもたちは別れや出会いに順応性を持って対応していけるというメリットもあります。どこの国の人とでもやっていけるようになりますし。

また、いろんな国籍の子どもと幼い頃から接していられることは、日本人しか見ていない環境より、恵まれていることだと思います。子ども達へのギフトだと思います。

カリキュラム、授業内容は?

小学部の教室。各クラスにサークルタイムのスペースや読書スペースがある。
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村田さん:現在はアメリカ式のカリキュラム(米国標準カリキュラムとUNISの複合カリキュラム)に第二言語の日本語・国語でのテーマ学習を取り入れて学んでいます。

今後は国際バカロレアの認定も目指しています。

小学1年生の時間割。
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幼稚部は年少からフォニックスを導入

川崎さん:フォニックスはアメリカなどよりも早い段階から取り入れています。英語が母国語で無い子どもが多いので、できるだけ早いうちから、英語をナチュラルに扱えるようにするためです。

幼稚部、K4(年少)教室。フォニックスのほか、数字などにも早くから触れていく。
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教育環境・教師・費用・入学について

参加体験、実用的体験の「ハンズ・オン」やSTEAM教育も存分に取り入れられています。
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多国籍の先生の元、育まれる多様性

村田さん:アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏とフィリピン、インドなど英語が公用語となっている国など、教員の出身国籍はさまざまです。そのため、多様な価値観や背景、文化を持つ先生方と一緒に探究的に学ぶ中で、自然と多様性も育まれていきます。もちろん、それぞれ母国での教員免許を持っている先生を採用し、指導の質も高いです。

川崎さん:各クラスに担当が付きますが、先生は持ち回りではなく、基本的に3年は同じ学級を担当します。同じ学級をどう教えるか、年を重ねるごとに深まってきます。音楽、アート、体育、日本語などの専門科目は専任の先生が担当します。

村田さん:各クラスは、少人数制の16名前後が多く、アットホームな雰囲気も魅力です。

通学手段:充実のスクールバス

基本的には、公共交通機関と自転車、徒歩など合わせて片道30分以内。

スクールバスが多方面から利用でき、八王子駅より10分、立川駅より30分、玉川上水駅より40分、多摩センター駅より40分、国立駅より45分、町田駅より60分で到着。
※幼稚部はアテンド付きの専用バスを運行。

比較的安価な学費

2019年度の学費。別途希望者はランチ代などがかかる。
インターナショナルスクールとしては比較的安価な価格設定なのはポイント。学期ごと・月ごとに分割納入も可能だそう。

入学について

スクール年度は毎年4月に開始、翌3月に終了。途中入学、編入は定員に空籍があれば可能。

入学選考・面接は英語で、幼稚部以外は、対応できる英語力が備わっていない場合は入学できません(英語補習クラスも特に無い)。

※出願料20,000円(税込)

卒業後の進路は……

幼稚部K6(年長)の教室。飾り付けや展示物も華やか。
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<中学校・進学先>
・私立中学(早稲田実業学校中等部、玉川学園・国際バカロレア(IB)クラス、工学院大学附属中学校など)
・公立中学校(東京学芸大附属国際中等教育学校など)
・インターナショナルスクール中学部(千代田インターナショナルスクール東京、セント・メリーズ・インターナショナルスクール、清泉インターナショナルスクールなど)

<高等学校・進学先>
・ 私立高等学校(早稲田実業学校高等部、ドルトン東京学園・高等部など)
・公立高等学校
・インターナショナルスクール高等部(千代田インターナショナルスクール東京、セント・メリーズ・インターナショナルスクール、清泉インターナショナルスクールなど)

他、国内および海外のボーディングスクールなど
2014年に長野県軽井沢町に開校した全寮制のインターナショナルスクールUWC ISAK Japan (International School of Asia Karuizawa)、2018年4月に開校した、千代田インターナショナルスクール東京(CHIST)の説明会も開催するなど、各校と提携し、進路相談にも乗っているそうです。

親の英語力や職業は……

英文がぎっしり書かれたレポートも。親としては課題のサポートができるかどうかも気になるポイントかもしれない。
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ーー親の英語力はどのくらい必要でしょうか。

村田さん:留学歴があるとか、仕事でも英語を使っているような保護者の方はイベントにもよく参加されますね。

一方で、両親共に英語アレルギーで、苦手だからこそ、子どもには同じ英語アレルギーになってほしくない、という方も。入学後にお父さまが英会話スクールに通いはじめ「仕事で英語で商談できるようになったのは、息子がインターナショナルスクールに入学したのをきっかけに私も英語を習いはじめたため」とおっしゃってきたこともあります。

ただ、英語力はあったほうが便利で安心です。子どもが成長するにつれ、抱える悩みも心身ともに複雑になってきます。担任の先生としっかりと我が子の成長についてコミュニケーションを取れた方がいいですよね。

川崎さん:日本語がわかる職員がいますが、いつも通訳・翻訳ができるとは限りません。インターナショナルスクールに通わせるということは、担任の先生と英語でコミュニケーションを取る必要があると考えていただきたいと思います。今は、Google翻訳なども便利に使えるようになってきました。親は、英語コミュニケーションの努力をする覚悟を入学前に持ってきていただきたいと思っています。

ーー保護者の職業は?どんな方が多いのでしょうか。

村田さん:会社経営者や自営業の方、医者、弁護士、会計士、研究者などの専門職の方、共働きのパワーカップルも増えています。

また、働き方が自由な方も増えてきているため、本校がある八王子に引っ越され、特急あずさで都心に通勤される方もいます。平日はお父さまが都心のマンションに暮らし、お母さまとお子さまが八王子の自宅で暮らすパターンもあります。お子さまをインターナショナルスクールに入学させる保護者の覚悟を物語るケースだと思います。

最後に:入学前に決める親の覚悟とは

独立した音楽室にはドラムやギター、ウクレレなどさまざまな楽器が並んでいる。専任の音楽教師によると、面した中庭で演奏を行うこともあるそう。
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ーー入学前の心構えや準備を教えてください。

川崎さん:ご夫婦でよく話し合って、どういう子どもに育って欲しいか、英語でどういうことを学んで欲しいのか、早期英語教育をはじめる前にきちっとゴールを決めて欲しいですね。

「子どもをバイリンガルにさせたい」という親が多いですが、バイリンガルになるのは、非常に長い時間がかかります。私の経験でもバイリンガルとしてはいびつで未完成な生徒をたくさん見てきました。お金もかかりますし、本人も親も長い間、努力し続けるのはなかなか難しいので、決心や覚悟がないとできないことです。

日本語での読み聞かせも重要

川崎さん:とにかく日本語の本を読む機会を大事にしてください。私は日本語教育もやっていたので、バイリンガルになるのにもまず、第一言語が大事であることを痛感しています。

自分でまだ本が読めない時は、ご両親がたくさん本を読んであげてくださいね。
【所在地】東京都八王子市梅坪町185
【アクセス】八王子駅より西東京バス12分

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川崎由起子さん
アメリカ・シリコンバレーに20年以上住み、同地のギフテッドスクールでプログラムを作り15年教鞭をとる。保護者としてもギフテッドスクールとアメリカボーディングスクールのトップのテンスクールを経験。現在は東京ウエストインターナショナルスクールでCOOを務める。
村田 学さん
2012年、国際教育メディアThe International School Timesを創刊し編集長に就任。その後インターナショナルプリスクールである Central Forest International School Tachikawaの理事長を経て、2016年8月、株式会社GLOBAL EDUCATIONAL PARTNERSに入社。2018年1月、取締役に就任。学校事業統括責任者。東京ウエストインターナショナルスクール理事及び、マーケティング最高責任者。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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志田実恵 志田実恵  エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。