なお名門州立大学とされる公立大学は、厳密には決まっていません。著名な大学関係ジャーナリスト・有名大学京職員・大学受験情報を提供する企業や、黒人の大学進学を奨励する雑誌などが独自の観点と目的において「高い評価」をしたものを、パブリックアイビーとして発表しています。

そのためパブリックアイビーのリストは8校であったり、31校であったりとさまざまです。ただ、どのリストにおいても「入学競争率・教育レベル・学生の質などが高い公立大学」のみが選ばれています。

パブリックアイビーとして多くの人に知られているのは、「モルのリスト」「グリーンズガイドのリスト」に記述されている州立大学です。どちらも学術的な比較検証が行われたリストとなります。

今回は評価項目が多く、「パブリックアイビー」ということばをはじめて用いたモルのリストから8校を見てみましょう。

モルのリストによるパブリックアイビーは、以下の8校になります。

・ウィリアム・アンド・メアリー大学
・マイアミ大学
・カリフォルニア大学8校
・ミシガン大学
・ノースカロライナ大学チャペルヒル校
・テキサス大学オースティン校
・バーモント大学
・バージニア大学

グリーンズガイドのリストによるパブリックアイビーは以下の31校です。

【東部】
・ウィリアム・アンド・メアリー大学
・ペンシルベニア州立大学
・ラトガース大学
・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校
・コネチカット大学
・デラウェア大学
・メリーランド大学カレッジパーク校
・ノースカロライナ大学チャペルヒル校
・バージニア大学

【西部】
・アリゾナ大学
・カリフォルニア大学バークレー校
・カリフォルニア大学サンディエゴ校
・カリフォルニア大学サンタバーバラ校
・カリフォルニア大学ロサンゼルス校
・カリフォルニア大学アーバイン校
・カリフォルニア大学デービス校
・コロラド大学ボルダー校
・ワシントン大学

【五大湖・中西部】
・インディアナ大学ブルーミントン校
・マイアミ大学 (オハイオ州)
・ミシガン州立大学
・オハイオ州立大学
・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
・アイオワ大学
・ミシガン大学アナーバー校
・ミネソタ大学ツインシティー校
・ウィスコンシン大学マディソン校

【南部】
・フロリダ大学
・ジョージア大学
・テキサス大学オースティン校
・ストーニーブルック大学

合衆国大統領のトーマス・ジェファーソン（第3代）、ジェームズ・モンロー（第5代）、ジョン・タイラー（第10代）をはじめ、政界・財界・官界・学界のリーダーが籍を置いた大学として知られる同校。入学するのが最も難しい大学のひとつです。入学難易度としては、ハーバード大学・イェール大学などのアイビーリーグと同等とされています。

・バークレー校
・デイビス校
・サンディエゴ校
・サンフランシスコ校
・サンタ・クルーズ校
・サンタ・バーバラ校
・ロサンゼルス校
・アーバイン校
・リバーサイド校
・マーセド校

IT系・コンピューター分野・科学での研究で大きな成果をあげていて、出身者にノーベル賞受賞者70人以上のバークレー校、世界最大規模の教養学部と医療研究機関・オリンピックメダリストが多いロサンゼルス校など各校の徳勅は豊か。規模や主要学部も異なります。

10校すべてに共通するのは、卒業生に政界・財界に影響力のある人物が多いことです。

卒業生には、大統領・政治家・物理学者・プロスポーツ選手・歌手などの著名人も少なくありません。学力の高さはもちろん、一芸に秀でた人物が多く在籍しています。「よく遊び、よく学ぶ」校風で、スポーツ・サークル活動がさかんな一方、伝統行事を重んじる一面も。

ミシガン大学アナーバー校は、1955年にポリオワクチンを開発し、多くの人命を救ったことで、その名を広く知られるようになりました。また人工知能分野・言語学・政治学・心理学・社会学等の社会科学分野、また医療・コンピュータ科学・工学での研究実績は、世界的に高く評価されています。

学部教育にはかなり力を入れていて、少人数セミナー・研究を質の高い教授やスタッフがきめ細かくサポート。著名な教授陣のなかには、ノーベル生理学・医学賞を受賞したオリヴァー・スミティーズやノーベル化学賞を受賞したアジズ・サンジャルが含まれています。

卒業生には、幅広い分野にわたって功績・名声を残す人物が多数見られます。ノーベル賞、ピューリッツァー賞、アメリカ国家科学賞、アメリカ国家技術賞等の受賞者・有名企業のCEO・数学者・プロ野球選手など、その功績・活躍は世界レベルです。

理学部・経営学部・理数学部・農学部・教育学部・看護学部・環境学部の7学部があり、専攻は100以上、修士課程50、博士課程22となっています。生徒数は約12,000人と州立大学としては小規模ですが、教育環境・教員の質は世界最高レベル。ノーベル賞受賞・ピューリッツァー受賞者・政治家など、各分野でトップレベルの活躍をする出身者が多くいます。

経済学・英語学の教育内容・研究実績が、世界的に高く評価されている理由のひとつ。少人数クラスでのディスカッション、教員とスタッフの手厚いサポートで、世界で活躍できる人材を長年に渡って輩出し続けています。

ジェファーソンによって建築された構内の建築物は、荘厳で格式高く美しいものばかりです。伝統と規律を重んじる校風とあいまって、名門公立大学らしさをもっとも感じる大学ともいえるでしょう。

・アメリカ大学進学適性試験で高得点である
・スポーツ・芸術などの一芸に秀でていること
・ディベート・論文が得意であること
・課外活動でも良い成績を収めていること

優れているポイントが多ければ多いほど、もちろん有利です。州立大学のため、州外・留学生には不利な条件もありますが、相対的に「総合力の高い人」であれば入学は許可されます。

目安として、バブリックアイビーの平均学費を参考にしてみてください。

州内出身者　約12,000ドル（約130万円）
州外・留学生　約34,000ドル（約380万円）

考え方が柔軟な幼児期に、たくさんのことを体験させてあげてください。「もっと知りたい」という好奇心から、「世界は面白いことにあふれている」という気づきにつながるかもしれません。