体も心も大きく育つ小学校6年間。私立ならどこでもいいという考えだけでお受験をするのはおすすめしません。どんな小学校にわが子を入れたいか、私立公立問わずじっくり考えてみる必要があります。お受験も視野に入れた場合、いつまでに何を考えたら良いのかをお伝えします。
小学校を選ぶということ
「地元の小学校に行くつもりはありません」とおっしゃる方もいますが、そもそもなぜ行かないとはじめから決めているのでしょうか?子どものためでしょうか?それとも親のためでしょうか?
お受験をするのは6歳児。小学校も6年間。生まれてからの同じ年数を過ごすわけですから、さまざまな選択肢の中から真剣に考えてみるのが良いと思います。
選ぶポイント1:学校の場所を考える
近所の友だちと遊ぶこともできますし、地域のコミュニケーションが増えるのもメリットでしょう。
私立小学校の場合はさまざまです。近くの私立小学校が志望校になるとは限りません。
遠くの小学校に通うことになった場合、電車やバスなどの公共交通機関を利用することになります。気になる学校があるなら、できれば一度通学の時間に合わせて電車・バスに乗ってみると良いでしょう。
たとえば朝の小田急線上り電車のラッシュの凄まじさは小学生には厳しいものがあります。迂回して行けるか?時間はどのくらいかかりそうか?もし可能であれば子ども連れで平日に体験してみることをおすすめします。
選ぶポイント2:教育内容を考える
私立小学校は教育内容に大きな特色があります。男女別学・共学。キリスト教・仏教・無宗教。大学の附属校・全員が中学受験をする小学校などなどさまざまです。
学校説明会や授業見学など多くのイベントが用意されていますので、気になる学校には早くから足を運び、自分の目で見て判断することをおすすめします。
実は、学校に足を運んだ回数をカウントしている学校も多いです。面接や願書でのPRにも繋がりますので、受ける受けないは関係なく気になればフットワーク軽く動きましょう。
国立小学校の場合は見学はできないことが多いと思います。ただ、各校のWEBサイトを見るとどのような取り組みをしているかなどの詳細なレポートがあります。また、国立小学校の先生は教育関係の雑誌・書籍などに関わることが多く、その考え方はそれらを通して知ることができます。
学校の付近まで行けば、登下校中の生き生きとした生徒たちの様子を見ることができます。学校ごとの機関誌も購入できる場合がありますので調べてみましょう。
説明会やイベントに行ってみよう!「『お受験』はじめました!」vol.22 – Chiik! – 3分で読める知育マガジン –
選ぶポイント3:出口を考える
出口を確保できるという考えはわかりますが、その「出口」のことをよく考える必要があると思います。時代はどんどん変化しており、日本の大学よりも海外の大学を目指す学生も多くなってきています。
子どもたちが大学生になる頃。選択肢を奪っていないかどうか?のんびりしすぎて勉強しなくならないか?(いわゆる附属校上がりの特徴の一つ)
そういった意味でも大学附属校に入ったから安心ということはないと私は考えていました。
ほぼ全員が中学受験をする「受験小学校」においてもさまざまな教育内容があります。たとえば、5年生までに小学校の教育課程をすべて終え、6年生時には入試対策を学校で行うとか、基本的に学校からは宿題を出さずに塾に行きやすくするとか、学校での受験対策をみっちりやり、その延長で受験にもつながるような宿題もしっかり出すなど、いろいろあります。
お受験前に考える6・9・12年後?!「『お受験』はじめました!」vol.31 – Chiik! – 3分で読める知育マガジン –
選ぶポイント4:ワーキングマザーの場合
学校の近くに学童保育があるか?シッターさんが手配できるか?など、事前によく調べておく必要があります。
現在、娘のミヤピーは放課後に下校したあと地元の公立小学校に直行して学童保育のお世話になっています。その学童保育では他の私立小学校の子どもたちも通ってきています。このあたりは自治体によって制度が異なるので予め調べておくと良いでしょう。
最近では学校にアフタースクールが設置されている学校もあります。数年前に聖心女子学院初等科にアフタースクールが新しく設置されたことも話題になりました。その反面、下校後の立ち寄りを固く禁じている学校もあります。
昔と違い、働く母親も増えており、子どもを預かるサービスも充実してきています。それでも難しい局面はたくさんあります。うまく乗り越えられる小学校かどうかも調査しましょう。
おすすめは登下校時のチェック
とある学校の最寄り駅付近を歩いていたところ、低学年の生徒が物を落としたときに同じ学校の高学年の生徒たちがさっと集まり優しく集めてあげていました。また、道を歩く小さい子どもが転んだときにさっと手を差し伸べる生徒、自転車を倒してしまった女性に駆け寄って荷物を拾い、自転車を起こす手伝いをしている生徒もいました。
人として大切なことが当たり前としてしっかりできる生徒が多い学校なのだなと好印象を持ちました。
しかし、その逆の学校もありました。実際に見てみないとわからないことも多々あります。
いつごろから志望校を決めるか?
もしも受験を少しでも意識しているなら、年少から学校訪問をはじめることをおすすめします。また、私立小学校フェアなどさまざまな学校が一堂に会するところや、大手塾が開催するイベントで学校紹介を行うことも多いので、少なくとも年少から情報収集を開始すると良いでしょう。
第一志望となる学校は新年長(年中の11月ごろ)には確定できるようにすると、塾での志望校別クラスなどに参加することもでき、効率的に受験対策をすることもできます。
子どもの意見は参考にしない
結果としては親が連れて行ったところを「いい」と言ったにすぎないのではないでしょうか。別のところに連れていけばそこを気にいるでしょう。
小学校に関しては決めるのは100%親です。どんな小学校生活を過ごさせたいか。子どもが気に入ったからという理由ではなく、親がしっかりと選んであげましょう。
ただ、実際に見てみて気持ちが盛り上がればいいですが、「この学校以外は価値がない」とまでに刷り込まれてしまう子どももたまにいます。あくまで選択した中の一つに過ぎず、さらに小学校受験は人生のすべてを決めるものではありません。親子ともに思いつめないように、楽しく小学校選びをしてみると良いと思います。
それでは次回もお楽しみに!