2019年04月14日 公開

中学受験しない選択!公立中学進学までに身に付けておきたいこと

小学校高学年にもなると、中学受験をするかどうか悩むことも……。中学受験をしないと決めた場合、学習面でどのような取り組みをすればいいのでしょうか?家庭学習や塾選びをはじめ、筆者の長男の体験から、小学生の間におさえておきたいポイントをご紹介します。

小学校高学年にもなると、中学受験をするかどうか悩むことも……。中学受験をしないと決めた場合、学習面でどのような取り組みをすればいいのでしょうか?家庭学習や塾選びをはじめ、筆者の長男の体験から、小学生の間におさえておきたいポイントをご紹介します。

中学受験しないメリットは?

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筆者の長男は、小学校3年生後半から塾に通いはじめ、塾の先生に何度も中学受験をすすめられました。悩みましたが、家族で話し合った結果、中学受験を選ばないことに。わが家の体験もふまえ、その理由や中学受験しないメリットについてまとめてみました。

習い事を続けられる

中学受験を目指す子どもは、早ければ小学3年生の終わりころから進学塾に通いはじめます。5~6年生になると、週に何日も通い、勉強に費やす時間が大幅に増えるのが、一般的です。

そのため、小さい頃から続けてきた習い事をやめざるをえない場合も。実際に、長男の所属するサッカー部の中学受験組は、5年生になると休みがちになり、5年生の終わりから受験終了まで休部することになりました。

習い事によっては、高学年になってから伸びてくる場合があり、中学受験をしないなら、子どもは好きな習い事を続けられます。

友だちとの遊びを通してたくさんの経験が得られる

中学受験をしない場合、学校以外でも友だちと過ごす時間をたくさん持てます。子どもたち同士で楽しく遊び、意見を言い合い、ときにケンカをしながら、社会性を育むことにもつながります。

仲良くなれば、お互いの家を行き来することも多くなり、親は子どもがどのような友だちと仲良く遊んでいるのか、わが子を含め、同世代の子どもの考え方を実際に耳にすることも。

小学校の高学年になると、反抗期がはじまる場合もありますが、友だちを連れて自宅で遊んでいるときの会話から、子どもの普段の様子がよくわかります。

勉強にかける費用がおさえられる

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中学受験を目指す、多くのお子さまが塾通いを選択しているのではないでしょうか。そういった場合の塾代は、目指す学校によって異なりますが、全般的に高額になりがちです。

中学受験対策の塾としては、進学塾大手・四谷大塚も有名ですが、四谷大塚の月額受講料(4教科)を参照してみると、4年生は3万3,000円、5年生は4万1,000円、6年生前期は5万2,500円、6年生後期は7万2,500円かかります。それ以外にも、教材費やテスト代などが必要です。

中学受験しないと決めたわが家の長男(5年生)も塾には通っていますが、月に1万2,000円程度。その分、他のことに費用をかけることができます。

教育費が家計にやさしい

高額な塾代の次に待っているのは、私立中学でかかる費用です。

文部科学省の調査によれば、1年間にかかる学習費の総額は私立中学で132万7千円、公立中学で47万9千円。私立中学は公立中学に比べて約2.8倍です。学校教育費、学校給食費、学校外活動費(塾・習い事)も含まれます。

個人差はありますが、中学3年間ともなれば、かなりの違いになるのではないでしょうか。

子どものペースで勉強できる

中学受験をしない場合、子どものペースで勉強できます。中学入学までに苦手科目を徹底的に学習したり、得意科目をさらに伸ばすことも。

筆者の長男は、やや苦手な国語だけを個人塾で1年半みっちり学習。算数が好きだったので、夏休み・春休みだけは算数を加えてメリハリをつけました。

子どもの得手不得手、子どものペースに合わせて勉強に向き合えるのは、中学受験しない大きなメリットといえるのではないでしょうか。

中学受験しないデメリットは?

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わが家は中学受験をしない選択をしたものの、中学受験を目指すお子さまと比べると、やはり主に学習面においてデメリットを感じる点がありました。

学習時間が少なくなる

小学校や担任の先生の方針により差はありますが、小学校で出される宿題はそれほど多くありません。長男の通う小学校では、家庭学習という自主性に任される宿題がよく出されるため、子どもによって学習時間にかなりの差があります。

しかも習い事がない日は、遊びやゲーム、テレビなどに費やす時間が長くなりがちに。宿題だけでなく、塾や通信教育、ドリルなどを取り入れるなど、自主的に勉強時間を捻出しなければなりません。

時間の使い方を学びづらい

中学受験を目指す場合、毎日のスケジュール管理が必要です。週に何日も塾に通い、宿題やテストをこなし、睡眠時間も確保するなど時間を効率よく使わなければいけません。

中学受験せずに習い事をたくさんしている場合、ある程度、時間のやりくりが必要ですが、中学受験という大きな目標を達成する子どもより、時間管理の能力が学びづらい傾向にあると感じています。

中学の部活と高校受験の両立が難しい

中高一貫校なら、高校受験を気にせずに、好きな部活を6年間じっくりと取り組むことができます。しかし、公立中学では、3年後の高校受験を考えると、部活によっては両立が難しいことも。

早朝や放課後、土日、夏休みなども活動があるため、学習時間の確保のためには、睡眠や遊びの時間を削る、または希望する部活ではなく、活動日が少ない部活を選ぶなど、妥協が必要な場合もあります。

中学受験しない小学生の学習方法とは?

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「中学校で勉強する内容は、小学校がベースである」と、多くの塾がよくいう言葉です。中学受験しないからといって、学校の宿題だけをこなすのではなく、小学校に通っている間は、時間がたくさんにあるので、学習時間を確保しましょう。

苦手科目があれば小学校卒業までに克服する

小学校4年生になると、国語の教科書では文章が長くなり、算数では文章問題や図形など、多くの子どもが苦手とする分野が出てきます。長男の担任の先生にも、「小学校4年生の勉強が、子どもにとって最初の壁になる最も大事な時期」と言われたことも。

高学年の学習をスムーズに進めるためには、小学校3年生までに、子どもの苦手科目を把握することが大事。学校のテストや授業参観での様子、個人面談で先生に聞くのもいいでしょう。

苦手な分野を克服するのは、簡単なことではありません。卒業までに克服できるよう、低学年のうちに何らかのアクションを起こしましょう。学校の宿題はもちろん、購入したドリルや通信教育などで、苦手な分野を親が丁寧にみるなど。カスタマイズできる個人塾に通うのも一手段です。

プラスαの学習をする

特に苦手科目がない場合は、学校の宿題よりレベルアップした学習をするのをおすすめします。中学受験のような難解な問題ではなく、がんばったら子ども自身で解けるレベルです。小学校で学んだことを定着させ、応用力をつけるためです。

筆者は、進学塾の内容に近い通信教育を長男に選んだところ、長男自身では解くのが難しかったようで、本人もこなすのが苦になり、続きませんでした。子どものレベルにあった通信教育やドリルを選ぶのが、一番のポイントです。

また、子どもは目標のある方がやる気になるため、漢検や英検、数検などにチャレンジするのもおすすめ。長男は漢検に挑戦しているおかげで、漢字に強くなりました。

中学校の先取り学習をする

中学生になると、定期テストがはじまります。高校受験の際に重要となる、内申点を大きく左右するものです。

スムーズに中学校の学習をスタートさせるために、余裕があれば先取り学習してみましょう。ただし、小学校の学習内容が定着していて、苦手科目がない場合に限ります。

先取り学習が可能な公文や、親がサポートしながらのドリル学習など、先取り学習の方法はさまざま。小学校6年生になってから、先取り学習を行っている塾に通う方法もあります。

塾は行くべき?塾選びのポイントは?

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地域により中学受験をする割合に差はありますが、千葉県に住む筆者の周りには中学受験しないお子さんがたくさんいます。ですが、通信教育、くもん、学研教室、学習塾など、なんらかの方法で家庭学習をしている家庭がほとんどです。

わが家は3年生前半までは通信教育、その後は塾に切り替えました。ただし塾は、家庭学習に比べると費用が高く、他の習い事との時間や曜日調整が難しいといったデメリットがあります。

子どもの家庭学習が定着しない、親がフォローを負担に感じる場合は、塾通いがおすすめです。ここからは、中学受験しない塾選びのポイントをお話します。

塾で学ぶ目的を明確にする

塾で何を学び、何を身につけたいのかを明らかにすれば、自然と塾がしぼられてきます。小学校の勉強に不安がある場合は、教科書ベースの予習復習がメインの塾がいいでしょう。

小学校の勉強だけでは物足りない場合は、少し発展的な学習を取り入れている塾がおすすめ。公立中学の学習をスムーズに進められたり、高校受験を見据えたりといった学習内容です。進学塾のなかには、中学受験コースの他に、公立中学進学コースを開講していいることも。

また、ある特定の科目だけなのか、複数科目だけを学びたいのかもポイントです。単科目でもOKな塾もあれば、「算数・国語」、「算数・国語・英語」などセットになっている塾もあります。

いつから塾に通うか

塾に通うと決めたら、いつ通いはじめるのかも悩むところです。筆者の周りでは、高学年になってから塾に通いはじめるケースが多いです。中学に向けて、または習い事がある程度の目標に達した時点で辞めて、塾に切り替えることも。

高学年になる前に、塾の春・夏・冬休みの短期講習に行ってみるのも一案。最後に、まとめテストがあり、学力や弱点が明らかになります。どの分野を勉強すべきか、直ちに、あるいはしばらく様子をみてから学習をスタートすべきなど、親身になってアドバイスしてくれる塾もあります。

集団か個別か

塾の形態には、集団と個別があります。子どもの性格によってどちらかが向いているか、見極めるのがポイントです。塾によっては両方のタイプがあり、途中で変更することも可能です。

発表が苦にならず、周りと切磋琢磨することで伸びるタイプは集団がおすすめです。自分のペースでじっくりと学習したいタイプは、個別がいいでしょう。

集団と個別の選択は、子どもの意見を尊重するのをおすすめします。両方とも体験して、本人がやる気になる相性のよい方を選んであげてください。

公立中学進学に向けてお子さまに合った勉強を!

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中学受験しない場合、中学受験する子どもと比べると、特に高学年において自由な時間がたくさんあります。勉強以外の習い事や趣味、友だちや家族と過ごす時間は、将来の大切な財産であり思い出です。

ただし、公立中学に進学する前におさえておきたい学習があります。まずは、小学校で学んだことを定着させ、苦手科目を作らないこと。そのうえで余裕があれば、発展的な学習に取り組んで応用力を身につけ、高校受験に向けた先取り学習を行うことです。

お子さまがやる気をなくさないように、無理強いすることや難しすぎる問題にチャレンジさせるのは避けましょう。そのためには、お子さまに合ったドリルや通信教育、塾選びが大切です。

家族をはじめ、小学校の担任や塾の先生とも相談しながら、公立中学でスムーズなスタートが切れるように、フォローしてあげられると良いですね。

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この記事のライター