2018年8月6日 公開

公立中高から東大へ!中学受験をしないという選択【気づいたら娘が東大生】

充実した教育環境を求めて、小学校や中学校の受験に挑戦するご家庭も多いです。でも何が子どもにとって、いい環境なのでしょうか?わが娘は中学受験なし、高校も都立に進み、東大に合格しました。連載2回目ではなぜ中学受験をしなかったか、公立校のメリットなどを紹介します。

中学受験、する?しない?

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ちょっと教育熱心なパパママなら、一度は「小学校受験」や「中学受験」について考えたことがあるかもしれませんね。特に首都圏ではここ数年、中学受験をする児童の比率が上昇しているようです。実際、筆者もあるとき大学の同窓会に参加したら、久しぶりに会った友人に「お子さん、6年生なんだ。じゃあ、受験で大変ね」と言われ、もはや中学受験をするのがスタンダードなのかと驚愕したのを覚えています。

でも、わが家の場合はあれこれ考えた末、「中学受験はしない」と決めました。娘は地元の公立中学から都立高校へと進み、のびのびと楽しい学校生活を送りました。

そして、思いがけず東大を受験することになり、学校の先生方の熱心な指導の下、現役で合格することができたのです。

中高一貫校のメリットとは?

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もちろん、中学受験をして公立や私立の中高一貫校に行ったほうが、地元の中学よりもしっかり勉強できるんじゃないか……と迷う気持ちもありました。周りの娘のお友だちが中学受験のために塾に行きはじめるのを見て、焦りを感じたこともあります。

中高一貫校の魅力は、何といっても中学高校を通して6年間、一貫した教育システムの下で勉強できるということでしょう。学校によってカリキュラムはさまざまですが、中1~高2の5年間で高校卒業までの学習内容を終わらせ、最後の1年間は大学受験向けの実践演習に集中するという学校も多いようです。

高校受験がないので、部活や課外活動などに熱中できるのも大きなメリットです。中には短期や中長期の海外留学に行く生徒もいます。多感な思春期に受験を気にせず、さまざまなことにチャレンジできるのは大きな魅力でしょう。

学校の理念や特色がはっきりしているので、子どもに合った学校を選びやすいというメリットもあります。語学教育に力を入れている学校、体験学習を重視する学校など、それぞれの理念に沿った教育環境や設備が整っているので、子どもにより豊かな経験をさせてあげられそうですよね。

中学受験、そこまでしなきゃいけないの?

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それでも、わが家があえて中学受験を選択しなかった一番の理由は、受験勉強が大変すぎるということでした。早ければ小3の終わり頃から塾に行きはじめ、小6になれば夜遅くまで塾で勉強し、さらに夜中まで塾の宿題に追われる日々。家族一緒に夕飯を食べることすらできません。

どんなに学校の勉強をしっかりやっていても、中学受験には太刀打ちできない。「受験のための勉強」が必要で、そのために塾に行かざるを得ない。でも、それって何だかおかしい気もして……。学校でしっかり学び、友だちと遊び、休日は家族と楽しく過ごす……という子どもらしい生活を犠牲にすることはできない、というのが筆者の正直な気持ちでした。

もうひとつ、中学受験は親の負担が大きいというのも躊躇した理由です。どんな学校を受験するか、そのためにどんなふうに勉強を進めるか、どこの塾に行くかなど、小学生の子どもだけで決められることではありません。子どもに合った進路を選ぶには、親の情報収集力も重要になってきます。

さらに、塾や模試の送迎、学校見学や受験当日の付き添いなど、日々のサポートにも時間を取られます。フルタイムで働いていた筆者は、とてもそこまではできない……と思いました。

合格=ゴールではない!中学受験のデメリット

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また、そうやってたくさんのことを犠牲にして中学受験を乗り越えても、新たな壁が出てきます。同じぐらいのレベルの子どもたちが集まるので、競争が厳しくなるのです。

「お子さんは授業についていけていないので、塾に行ってください」と担任の先生から言われたなんて話も聞いたことがあります。いい環境で勉強できると思いその中学を選んだのに、これでは高い授業料を払って子どもを通わせる理由がわかりません。

高校受験がないので、怠け癖がついてしまうとリカバリーが大変というデメリットもあります。中学受験の解放感からゲームにハマってしまい、成績がガタ落ち。そのままやる気も失って、せっかく難関私立中に行ったのに、大学受験は惨敗……というケースだってあるのです。

特に、親や塾の言うとおりに勉強してきた子は、自分で学習計画が立てられず、ちょうど反抗期で親の言うことも聞かなくなり、ズルズルと勉強しなくなってしまう……なんてこともあるようです。

私立の学校に行けばお金もかかります。学費がかかるのはもちろんですが、制服や通学バッグなどの値段も公立より高いことが多いし、課外活動が充実している分、その費用も多額になります。学校によっては裕福なご家庭のお子さまが多く通っていたりして、お友だちのお小遣いの金額を聞いてビックリ!なんて話も……。交遊費もかさみそうですよね。

公立校で培われた、自力で学習計画を立てる力

photo by author (110329)

娘の中学時代のノート。得意な絵を使いながら自分でわかりやすくまとめていました。
via photo by author
地元の中学に進んだ娘は、そこで素晴らしい先生と出会いました。全国トップレベルの学力を誇る秋田県出身の先生だったのですが、ご自身も経験した秋田の学習カリキュラムを参考にした勉強の仕方を、娘たち生徒に叩き込んでくれたのです。

中でも、定期テスト前の学習計画の立て方についてはみっちり仕込まれました。「勉強時間を削ってでも、まずはテスト前にやるべき内容をすべて洗い出し、それを日々の学習計画に細かく割り振れ」と教えられ、先生のOKが出るまで何度も学習計画表を再提出させられたのです。

「そんなにいい先生に当たるとは限らない」という声も聞こえてきそうですが、現在、別の公立中学に通っている次女も、やはり学習計画の立て方を細かく指導されています。使いやすそうな計画表も学校が準備してくれます。すべての生徒が公平に学べるよう、まずは基本的なことをしっかり教えてくれる、それが公立の良さなのでしょう。

実際、娘の場合、中学時代に培った計画力が大学受験でも大いに役立ったようです。

あまり締め付けの厳しくない公立校に行ったからこそ、娘は自分のペースで勉強をこなすことを覚え、受験勉強もコツコツと進めることができました。引っ込み思案でのんびり屋の娘がもし私立の進学校などに行っていたら、熾烈な競争についていけず、大きな挫折を味わっていたかもしれません。

公立がいい、私立がいいなどと一概には言えませんが、近年の中学受験ブームにただ流されるのではなく、わが子にとって一番いい進路はどういうものなのか、ぜひ一度ご家族でじっくりと考えてみませんか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

fuyumi fuyumi  東京都在住。大学で心理学を学び、卒業後は出版社にて編集業務を担当。現在は編集経験をいかしてフリーランスのライター兼編集者として活動中。2018年の春、小中高公立で過ごした長女が現役で東大に合格。共働きだったため夫婦ともに教育熱心な子育てをしてきたというよりも、いつの間にか本人の努力で東大!なのが本音ですが、子育てや教育を振り返る連載をはじめました。皆さんのヒントになれば幸いです。