2019年1月24日 公開

学習面の「9歳の壁」とは?乗り越えるために考える力を鍛えよう

「9歳の壁」は「小4の壁」とも呼ばれ、小学生の子を持つ保護者には目下の悩みかもしれません。学習面、精神面、生活面と一筋縄ではいかない「9歳の壁」。何が問題か、まずは学習面の原因と対策をまとめました。未就学児の頃から意識したい対処法をお伝えします。

「9歳の壁(小4の壁)」とは?

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9~10歳の子どもが学習面などで直面する時期のこと

「9歳の壁」とは、体や心の成長や学校での学習内容に伴って迎えるつまづきのことを言います。9〜10歳になった子どもは心身ともにグッと成長し、大人になる準備をはじめます。小学校4年生前後に直面する出来事なので、別名「小4の壁」とも呼ばれています。

似たような言葉で「小1の壁」がありますが、これはどちらかというと働くパパママ(共働き家庭の保護者)にとって大きな問題。しかし、「9歳の壁」は子ども自身が直面する問題ゆえに、すべてのパパママに関わってきます。

9歳の壁の問題点

この時期の子ども達はギャングエイジとも言われ、体つきも、気持ちの面でも、そして子どもたちを取り巻く環境も大きく変化を遂げる時期を迎えます。

学校の先生や保護者など大人よりも自分の友達や仲間を優先する時期で、大人への反抗期を迎える子ども達も出てきます。

さまざまな側面を持つ「9歳の壁」は、大きく分けると「精神面」「学習面」「生活面」の3つに分類できます。

それではまずは、「学習面における9歳の壁」に焦点を当て、掘り下げていきたいと思います。

【学習面の9歳の壁】算数の苦手意識が濃厚に!

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算数は、具体的な内容から抽象的な内容に変化

小学校低学年から中・高学年へと学年が上がるにつれて、当然学習内容もどんどん高度に、複雑になります。取り扱うテーマも目に見える具体的な内容から抽象的なものへと変わっていきます。

そんな中、特に「9歳の壁」として立ちはだかる教科といえば算数です。低学年までは単純な計算問題などが多く、反復練習ができていれば算数が得意!と思えることが多いです。

しかし、小学4年生からは学習内容のレベルが上がります。たとえば文章問題です。計算力だけでは補えず、「読解力」や「考える力」が必要になってきます。そのため計算は得意だったのに、文章問題になった途端にできなくなってしまう……というケースに陥ることがあります。

また、小3から分数や小数について学びますが、この時点では概念の学習なので目に見える形で理解しやすいです。しかし小学4年生からは分数や小数の掛け算や割り算など(四則計算)がはじまり、分母が違う数同士の計算も出てきます。これも算数につまずくきっかけとして考えられます。

たとえば、1/3+3/4の答えは13/12となりますが4/7と答えてしまう子がいます。分母が違う数字同士をまず同じ分母に直して(通分)計算するルールは、違う世界にあるものを同じ世界に置き換えて考えるようなもので、計算が得意と思っていた子どももイメージがしづらいのかもしれません。

他にも、低学年では「物の個数」や「長さ・量」の比較など実生活に身近な内容が多いですが、高学年になると「割合」や「比」「速さ」など抽象的な内容が出てきます。これにより算数への苦手意識が芽生えてしまうことがあります。

このように、単純な計算問題などから文章問題など高度な内容に進んだときに対応ができなくなることが「学習面の9歳の壁」と言われています。

【学習面の9歳の壁】乗り越えるカギは「考える力」

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「考える力」とは、自分なりに解決方法を道びく力のこと

学習面における「9歳の壁」に、どうやって向き合っていけば良いのでしょうか。キーワードとなるのが、「考える力」です。「考える力」とは、ずばり「抽象的思考」のことです。

昨今、子どもたちが学習面でつまずく理由として、「考える力」の低下がよく挙げられます。昔に比べて生活は各段と便利になった現代では、以前より日常生活で頭を使う経験が少なくなったともいえます。

子どもたちの遊び方も、動画やDVD、テレビゲームやインターネットなど与えられた情報を受け入れるだけで楽しみを得られることが多いです。そうなると自分であれこれ考える機会も減っていきます。

スマホやテレビが全て悪というわけではありません。生活に欠かせない大切な道具であることに間違いありません。しかし、便利ゆえにそばにあると頼り切ってしまうことが問題なのです。そこで、自分で考える機会を積極的に子ども達に与えるよう、大人が意識をすることが大事になります。

「考える力」を鍛えるというと何か特別な方法を取り入れたりしなくてはいけないイメージをお持ちかもしれませんが、そんなことはありません。

では具体的に「考える力」を鍛える方法をいくつかお伝えします。

子どもの「考える力」3つの鍛え方

たとえばこのような方法が「考える力」の向上に繋がるといわれています。

・体験型の学習や遊びを行う
・ブロック・パズルや読書で想像力と創造力を鍛える
・興味のあることを見つけてとことん突き詰めてみる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

体験活動で心と頭を育てよう

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実際に手足を動かして「体験する」ことは、子どもの心身にとてもいい影響を与えます。知らないものに出会ったり、家族や友達との絆が深まったり、できなかったことができるようになったり。自分で考えて挑戦することは、成功したとしても失敗したとしても、普段できない経験を得ることに繋がります。

幸いなことに体験型の遊びはたくさんあります。職業体験や工場見学、農業体験などができる施設も多いです。昨今では謎解きイベントなども盛んです。

昔ながらの外遊びも、「体験型」といえます。陣取り、缶蹴り、木登り、ゴム飛びなど。大型アスレチックやボルダリング施設も最近では人気ですね。特にボルダリングは体を動かしながら思考力も鍛えらえるスポーツで、習い事としても近年注目を集めています。

虫取りや森の散策など自然体験もおすすめです。見つけた虫や植物について調べることで、さまざまな発見に繋がっていきます。地域が開催する自然散策のイベントなどに参加してみるのも良いでしょう。

おうちの中でできることとしては、一緒に料理やお菓子作りをするのはいかがでしょう。その際、どんな献立にするのか、何が必要なのか、どんな盛り付けにしたらおいしく見えるかなどを子どもに考えさせてみてください。

体験活動は受動的な姿勢だと進まないことが多いです。「考える→やってみる」を繰り返し、周囲とコミュニケーションを取りながら進めていくので、成長に大切な力が自然な形で身につきます。

ブロック・パズルや読書で想像力と創造力を育てよう

ブロック・パズル遊びや読書は定番です。やはり「想像力」「創造力」を身につけるには最適といえるでしょう。
【ブロック・パズル】

算数のつまづきは具体的思考から抽象的思考へのステップをたどることがうまくいかないことが原因です。わからないときはまずイメージ化するトレーニングも効果があるでしょう。

そのためには、ブロックやパズルといった具体物はとても役立ちます。遊びながら図形や数に触れることができ、抽象的思考をイメージ化するトレーニングになります。

具体物を使うことに慣れてきたら、以下のような学習ドリルもおすすめです。学習といっても、子どもが楽しむ要素が満載なので、飽きずに取り組んで学べます。

タイトル:考える力がつく算数脳パズル 鉄腕なぞぺー<小学4年~6年>
著者:高濱正伸
出版社:草思社
【読書】

読書もストーリーを読んで、実際には見えない情景を頭に思い浮かべることができるため、想像力や想像力を育むのに最適です。

読書は無理やりやらせようと思っても、習慣がなければなかなか難しいです。文字だけの本はなかなか進まない……という場合は、いっそ漫画からはじめてみても良いと思います。歴史や伝記など学校の勉強に繋がる内容の漫画も探すとあります。

もしこの記事を読んでいる方が未就学児のパパママであれば、ぜひ小さいうちから「読み聞かせ」をしてあげてください。読み聞かせをしているとしていないでは、その後の語彙力・想像力・本への興味・集中力などに大きく違いが表れます。

子どもの興味を育てよう

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「興味を持つ」こともとても大切です。たくさんでなくてもいいので、何かひとつでも子どもが「好きなこと」を持てる機会を作ってみましょう。

親になってから子どもの想像力や探究心、好奇心に驚かされる出来事は今までたくさんあったかと思います。

どんなに些細なことでも、パパやママが苦手なことでも、ぜひ子どもの「好きなこと」は広げてあげてください。何かを突き詰める経験は、まさに楽しんで「考える力」を鍛える方法なのです。

ひとつのことに熱中しすぎて心配なこともあるかと思いますが、そこから興味がどんどん枝分かれしていき、全然違う事柄に繋がることもあります。

そして、もし何かに興味や疑問を持ったときは、ぜひ「自分で調べる」習慣を身につけましょう。辞書や図鑑を使って調べれば、答えが見つかるかもしれないと知ることがとても大切です。

調べる習慣がないと、わからないことに直面したときにそこで思考停止してしまいます。ネット環境も整い情報も豊かですが、本を使って調べる術も教えましょう。

2、3歳の幼児が「なんで?どうして?」と終わりのない質問を繰り返すことを思い出してみてください。誰しも知的好奇心があって、それが満たされると楽しくなるはずです。

何かに興味を持つ、それについてあれこれ考える、そこでさまざまな知識を得る。その連鎖を勉強にも繋げてあげると自然と勉強が楽しいと思えるようになるかもしれません。

子どもの「考える力」を伸ばすために親が心がける3つのこと

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答えを先に与えない

子どもの「考える力」を伸ばすために親が何よりも気をつけなければいけないことは、「答えを先に与えない」ということです。

答えが先にわかれば考えることをやめてしまいます。それに慣れていくと、いざ自力で何かを解決しなければいけないときに方法がわからず、その先へ進めなくなります。

また、「わからない」という状態で固まってしまうと、説明を受け入れる余裕がなくなってしまうこともあります。一歩戻って考え直す、ということもできなくなってしまうのです。

分数や小数のなどイメージしにくい問題につまずく子どもが多いのは、そのような背景があるのかもしれません。

我慢強く待ち続け、できたら具体的に褒める

勉強に限らず、日常生活でも先回りして手助けしてしまうことが多いのであれば、子どもが自分でどうにかするのを我慢強く待ってみてください。

親がヒントを出しつつも、子どもが自分でやってみる・考えてみるという習慣を小さい頃から身につけさせてあげましょう。

大人はいざという時や子どもが助けを求めた時にはすぐに手を差し伸べられるよう見守る存在でいたいもの。とても忍耐力の必要なことですが、これが子ども達の心身の発達を促す方法です。

そして、やり遂げた後には具体的な声かけで褒めてあげてください。自分で成し遂げた達成感、そして周りの大人から認めてもらったという自信が子どもたちの自己肯定感を育む手立てにもなります。

失敗をあえて経験させる

失敗を怖がらずに小さな挫折をたくさん経験させておくと、子ども自身が壁を乗り越える技も自然と身についていくはずです。

「かわいい子には旅をさせよ」とよく言いますが、心身共に子どもが自らの力で頑張り立ちはだかる壁を乗り越えるという経験はとても大切です。

その途中には、成功だけでなく失敗もたくさんあるかもしれません。しかし、失敗から学び、立ち直ることを経験することで確実に強くなります。


・答えを先に与えない
・我慢強く待ち続け、できたら具体的に褒める
・失敗をあえて経験させる

この3つがパパママにとっても、「9歳の壁」をクリアする第一歩になるのではないでしょうか。

「9歳の壁」は大きな問題と捉えられがちですが、見方を変えれば子どもの発達の一段階のことであり成長のきっかけとも言えます。ネガティブに捉えすぎずに親子で乗り越え、前に進んでいけるよう考えていきたいですね。

この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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ねんねこ ねんねこ  東京在住。2人の男の子を育てています。自身の幼稚園・小学校受験の経験を活かして、日々子どもと無理のない知育活動を楽しんでいます。絵本が好きなので、親子で図書館通いが趣味です。ブックログをつけるのが楽しみ!教育だけでなく、おでかけ、おしゃれ、ハンドメイド、サブカル、音楽など好きなことには貪欲に生きています。