幼稚園入園前まで行ったインターナショナルプリスクールでの体験談を紹介します。息子が1歳半の時から母子同伴の英会話スクール、2歳半からは母子分離の英語プリスクールへ週1回4時間通いました。スクールに通うきっかけから、卒業後の変化や効果まで振り返ります。
そもそもインターナショナルプリスクールって?
プリスクールとは?
日本のインターナショナルプリスクールとは、オールイングリッシュでカリキュラムが進む未就園児向けの施設です。
教室によって概念や制度は異なりますが、筆者の息子が通っていたスクールはモンテッソーリの教えを取り入れていました。講師は、外国人2名と補助の日本人スタッフ2名の体制です。
コースは、各スクールによって異なりますが、幼稚園や保育園のように毎日通うコースや週2回など日数を選べるコースまでさまざまです。筆者は、幼稚園入園まで、週1回4時間通うコースを選択していました。
何歳から入れる?オムツ外れは重要?
アメリカでは、日本の年長にあたる年(キンダーガーデン)から義務教育がはじまりますが、それ以前にプリスクールやデイケアに通う場合があります。プリスクールはトイトレ完了が必須のところが多く、母子分離や集団生活の練習に加え、お勉強の要素もあります。キンダーガーデンに向けてのステップともいえるでしょう。
一方、日本のプリスクールは、受け入れ年齢は教室によっていろいろです。
年齢によってはオムツは外れていなくてOKというスクールもあるでしょう。息子が通っていたスクールは、オムツ外れ必須ではありませんでした。2歳半から通いはじめ、その後家庭でトイトレをはじめると、教室にいる間もサポートをしてくれていました。
プリスクールは英語学習に最適?英会話教室・幼稚園・保育園・インターとの違い
プリスクールのカリキュラムは?どんなことをするの?
近頃は日本でもフォニックス(アルファベットの綴りと発音の間にある規則のこと)学習が重要視されていて、カリキュラムの軸にしている英会話教室も増えています。
息子のプリスクールでもフォニックスに力を入れていて、毎回フォニックスソングを歌っていました。
また、アート&クラフトの時間があり、毎回凝った作品を作っていました。作品のアイデアがいつも面白いものが多かったのが印象的です。
手遊び歌や読み聞かせの時間もたくさんあり、毎週いろんな歌を覚えて帰ってきました。気に入った歌は家でもよく歌っていて、きれいな発音で覚えていたことが嬉しかったです。
「動物」「乗り物」「食べ物」など月ごとのテーマにそってクラフトや歌の内容が決められていました。毎回、歌や絵本のタイトル、学んでいるフレーズや単語などが書かれたレジュメが配られていたので、学習内容を把握しやすかったです。
まだ2、3歳だと子ども自らうまく説明できないことも多いですが、スクール側からきちんと説明があると安心でした。
プリスクールの1日の流れは?
プリスクールのスケジュール
教室に着いたら、まず先生が出迎えてくれるので英語でご挨拶。通っていくうちにドアを開けたらまず「Good morning!」と自分から挨拶できるようになりました。
親と「See you!」をしたら、手洗いを済ませ自由遊びの時間です。生徒が揃い時間になったらサークルタイム。みんなでご挨拶をし、自分の名前や年齢、その日の気分を英語で言う練習です。
それからみんなで手遊び歌やアルファベットの歌を歌ったら、スナックタイムへ。その後、フォニックスを学びます。
ランチタイムでは持ってきたお弁当をみんなで食べて、午後はアート&クラフトをする日やお外遊びの日もありました。最後にまたサークルタイム。読み聞かせの時間の後はさよならのご挨拶をしておしまいです。
どんな生徒たちが来ていた?
生徒は日本人が多かったですが、近隣で生活している外国人ファミリーも少なくありませんでした。中華圏やアメリカ圏のお子さまが目立っていました。
日本人生徒のパパママと話してみた印象では、やはり英語教育への感度が高い方が多いと感じました。海外在住経験がある方も多く、生まれてこのかた日本在住の筆者は最初は不安になりました。
ただ、日本人生徒たちの英語レベルは大きく差はありませんでした。これから英語に触れていくというお子さまが多かったです。英語が母語のお子さまを除いては同じレベルで英語に取り組んでいたと思います。
子どもの様子はどうやって知る?親も英語必須?
先述した通り、レッスンの内容は毎回配られるレジュメで確認していました。レッスン中の子どもの様子については、お迎えの際に日本人の補助の先生から詳しく聞くことができました。
トイレやお弁当の時間はどうだったか、外遊びの時の様子、英語の上達度などについてざっくりと報告がありました。事務的な話なども含め、基本的には日本語でのやりとりでした。
ただし、インターナショナルスクール内にある付属のプリスクールの場合は、親とのやりとりでもオールイングリッシュというスクールもあるようです。
プリスクールに通わせることにしたきっかけ
息子は1歳過ぎからおしゃべりがはじまり、1歳半頃には単語もだいぶ増えて真似をするのも上手になっていました。
その様子を見た筆者の母が、「これだけ吸収力があるなら英語も取り入れてみたら?」と一言。その言葉をきっかけに、英会話教室を探すことにしました。
正直、バイリンガル教育ができるほど筆者には英語力がないので、ネイティブの英語を聞いて言語のひとつとして興味を持ってもらえたらいいなくらいの軽い気持ちでした。
最初はプリスクールに付随する母子同伴の1時間のレッスンを受けていました。通いはじめたばかりの頃は、恥ずかしい気持ちが前に出ていて、はじめて接する外国人の先生を怖がっているようにも見えた息子。しかし、何度か通ううちにだんだんと慣れていき、先生とのやりとりも楽しむようになりました。
2歳半になった頃、家でも簡単な英単語を口にするようになってきたので、プリスクールに入れてみたいなという気持ちが沸々と湧いてきました。しかし、プリスクールは母子分離です。とても繊細なタイプで、食事もまだ一人でできない息子が、本当にやっていけるかという不安もありました。
悩んだ末、思い切ってプリスクールに入れてみた結果どうだったかは、次の項でお話しします。
週一でもこんなに変化が!プリスクールのメリット
親子で不安ながらも、思い切って飛び込んでみたプリスクール。結果、本当に実のある月日を過ごすことができ、ぐんと成長しました。
はじめの1カ月、息子は泣いて泣いて嫌がり、筆者の気が滅入りそうになったことも。しかし、その1カ月を越えればすんなり教室に入っていけるようになりました。他の生徒さんたちを見ていても、最初の1カ月にすごく泣いていたのに、気づいたらスムーズに入室しているようでした。
プリスクールに通っていたのは、約1年半ほどです。週1回4時間だけでしたが、その4時間は英語に密着していたので吸収力は素晴らしかったです。
アルファベットひとつとっても日本人では教えられないネイティブの発音を覚えてきます。幼いが故に口がうまく使えず、少し違う言い方の時もありましたが、耳ではきちんと捉えているというのは実感しました。
英語でスムーズに会話ができるようにはなりませんでしたが、聞く力は養われたように思えます。
言語はまずは聞く力を身につけることがとても大切。たくさん聞けば聞くほど、頭の中にインプットされます。すぐにアウトプットができなく ても、聞いて覚えたことは頭にしっかり残ります。そしていつか口に出るようになると思っています。
プリスクールで身についたのは、英語力だけではありません。はじめて母親と離れて集団の中で過ごしたことでお友達との付き合い方を学び、身辺自立の面でも成長しました。
通う前は自分でお弁当が食べられるのか不安でしたが、少し手伝ってもらいながらも毎回完食して帰ってきてとても感激しました。プリスクールに通っていたことで、その後の幼稚園入園時もあまり心配なく、クラスに溶け込んでいくことができました。
また、外国人の先生は感情表現が豊かで体を使って思い切り遊んでくれたり、ハグや言葉ではっきりと愛情表現を示してくれたりしたことで、自己肯定感も芽生えやすかったのかもと感じました。
プリスクールで過ごした週に1回の4時間は、息子にとっては幸せな時間だったように思えます。プリスクールに通ってからは英語に敏感になり、街で外国人の人を見かけると、自ら「Hello!」と挨拶をしにいくこともあり、積極的に英語を使ってみたい、コミュニケーションが取りたいという欲が出ていることも感じ取れました。
プリスクールや英会話教室を選ぶポイント
教室を選ぶ条件や決め手は人によって違いますよね。筆者が重視したのは以下の3つのポイントです。
(1)英語ネイティブの先生がいること
(2)料金
(3)教室の雰囲気
英語教育は価格帯が高めのイメージがありますよね。実際に高価格帯のインターナショナルプリスクールの体験にも行きました。内容や雰囲気はとても良かったのですが、やはり継続的に通うとなると予算が厳しく、他のところを探しました。
そこで見つけたのが息子が通っていたスクールです。多少施設の古さが気になりましたが、先生の雰囲気も良く、通っていた生徒たちも楽しそうだったので決めました。
レッスン料もお手頃で、振替制度があるのも決め手のひとつとなりました。乳幼児は体調もコロコロ変わるので、振替ができると安心です。
気になったスクールを見つけたらまずは体験してみて、清潔さ(親の目線でOKラインを決める)や全体の雰囲気をじっくりチェックしてみてください。保護者へのフィードバックがあるかどうか、安全対策に取り組んでいるかどうかもあらかじめ聞いておくことをおすすめします。
プリスクール卒業後に思うこと
卒業式の時にレッスンの様子を見ることができたのですが、元気よく英語の歌を歌ったり、英語での受け答えをしている姿を見て、通わせて良かったと心から思いました。
同世代のお友達と一緒に英語がたくさん溢れる時間を過ごすことで、刺激をたくさん受け吸収力も高まるように思います。
プリスクールを卒業してからはガクッと英語に触れる時間が減り以前ほど英語が出なくなってしまい、より通っていた1年半の効果を感じています。
しかし、あの1年半があったからこそ潜在的には英語が身についていると思うので、積極的に英語に触れる時間を作り続けていきたいと思っている今日この頃です。
耳や頭が柔らかい時期に、多くのお子さまにたくさんの生きた英語に触れる機会を作ってあげてほしいなと思います。