普段、何気なくやっている部屋の片づけや整理整頓。気づけば、毎日片づけをして、子どもに対しても「片づけなさい」と怒ってばかり……なんてこと、ありませんか?実は、整理整頓にも、理論やコツがあるんです。「整理」について、その理論や具体的な実践方法をご紹介します。
整理収納アドバイザーから
今回は、この【整理】の重要性・考え方・取り組み方等について、ご紹介します。
【整理】に対する正しい認識を持とう
「必要なものがすべてそろっていること」は、心の安心につながりますが、一方で家の中が片づいていないこと、モノがあふれていることで、心がザワザワ・イライラすることってありませんか?
片づけができない自分を責めてしまったり、片づけようともしない子どもを怒ってしまったりして、余計に悪循環に陥りがちですよね。片づけができないのではなく、自分や子どもが日々【整理】できる量以上のモノが家の中にあふれているからではないでしょうか。
モノがあふれる現代では、「モノを大切にする」という意識自体が薄れてしまっています。それは子どもも同じ。飽きたらすぐに、次のおもちゃを欲しがるといった傾向がありますよね。
【整理】できていない状態が当たり前になると、心の中の整理の仕方も、わからなくなってしまうかもしれません。
まずは【整理】に対して正しい認識を持ち、親子で取り組んでみましょう!
【整理】とは、一体どういうこと?
当たり前のように使っていると、本当の意味を考えることもないですよね。 筆者自身、【整理】はモノをきれいに整えて、どこかにしまうことと捉えていました。
【整理】において一番重要なことは、「不必要なモノを取り除くこと」なんです。
家の中が散らかるのは、原因があります。その最も大きな原因が、「不必要なモノ」が家に溢あふれているからー、なんですよね。
「不必要なモノ」を取り除くために、「必要か、不必要かを区別すること」 。
それが【整理】の基本となる考え方です。 言葉にすると簡単ですが、たくさんのモノに囲まれているほうが安心できるという心理状態になったり、いつか使うかもしれないという思いに縛られたりと、なかなか難しかったりしますよね。
でも、それができれば、家の中にモノがあふれて散らかる状態には、なりづらくなります。
【整理】の前に考えるべき4つのポイント
それが、以下の4つのポイントになります。
1:どうして片付かないのだろう?散らかる原因となる問題点は何か?
2:どんな状態が理想か?
3:【整理】をすると、どんな効果が得られるか?
4:散らかりにくく、片づけやすくするにはどうしたらよいか?
普段、意識しないポイントに目を向け、問題意識をもって現状をよく見てみると、解決策が出やすくなるんです。
散らかり方がひどくなればなるほど、片付けるのが嫌になってきます。一方、家の中がキレイで、モノが少なくて散らからない状態で生活をすると、それが快適に感じ、人間の心理としてその状態を長く保っておきたいと思うので、継続できるのです。
自ら片づける子どもになるには?
2:おもちゃがどうなっていたら、次の日すぐに楽しく遊べるかな?
3:おもちゃが散らかってないと、どんな気持ち?
4:〇〇くん・〇〇ちゃんは、どんなお片付けだったら自分ですぐにできそう?
まだ小さいからわからないだろうと決めつけるのではなく、その年齢なりの思考力、理解力で、自分自身で原因や理想の状態を認識することが大切です。
その理想の状態を環境として作り上げることで、子どもが自ら片付けできるようになりますよ。
具体的な手順で、子どものおもちゃを【整理】してみよう
1:整理したい対象のおもちゃエリアを決める(例:子ども部屋)
2:広いスペースを用意し、そのエリアにあるおもちゃをすべて一カ所に出す
3:必要か、不必要かを区別する
一つずつおもちゃを手に取り、スペースの左側に「半年以内に遊んだおもちゃ、これから遊ぶ予定のおもちゃ」を置き、右側に「半年以上遊んでいないおもちゃ」を置く。
明らかにゴミと思えるものは、ごみ箱に捨てる(親がゴミだと思っても、子どもにはそうでないものも多々あるので、子どもに決めさせましょう)。
4:右側にあるモノを再度一つずつ手に取り、また遊ぶだろうと思われるものは左側に移す
明らかに遊ばないものは、子どもの了解を得て処分するか、誰かに譲る。
遊んでいないけれど、処分する気になれないもの(思い出の作品など)は、ひとまとめに段ボール箱等に入れて別の場所に保管する。
5:左側にあるものをできる限り、種類別、用途別に分けて配置する。
子どもの判断はそのときの気分によって変わりやすいので、子どもの意見を尊重しつつ、親の判断を加味させながら(年齢不相応なおもちゃは外すなど)手順を進めるとよいかもしれません。
子どもはできるだけおもちゃを減らしたくないはず……。ですので、「このおもちゃは赤ちゃんが遊ぶものだよね。もう〇歳のお兄ちゃんになったから、もっと赤ちゃんに遊んでもらおうか?」「このおもちゃでいっぱい遊んだね。でも新しいおもちゃも増えたから、これはありがとうと伝えて、バイバイしようか」 など、子どもの気持ちに寄り添った声がけをしながら進めると、子どもも納得しやすいでしょう。
また、処分する、譲ると決めたものでも、後になってどうしても「あのおもちゃでまた遊びたい!」と気が変わることもあるので、一定期間別の場所に保管し、本人の気が変わらない場合は、処分しましょう。
【整理】の効果とは?
1:時間的効果
子どもがよく「ママ、○○どこにある?」と聞いてきませんか?そのたびに一緒になって探さなければいけないし、「自分でちゃんと片づけなさい」とついイライラした気持ちになってしまいますよね。心にも余裕ができ、子どもとの時間を豊かなものにすることができます。