夏の長いバカンスを終え、9月から学校の新学期がはじまるフランス。オムツが取れた2~3歳の子どもたちは、人生ではじめての【エコール(学校)】に通うことになります。今回は、日本とフランスの幼稚園の違いについてご紹介します。
制服がない
幼稚園教諭は教育のプロ!
フランスでは、幼稚園は国民教育省の管轄にあたり、0~2歳の子が通う保育所・託児所と小学校の中間に位置する、就学前教育を行う機関とされています。幼稚園で教える先生たちは、小学校の先生と同じ国家公務員にあたり、プロフェッショナルなのです。
規律教育がない
日本の幼稚園では、先生が子どもに対し、手洗いや歯磨き、トイレや掃除といった生活面や規律に関する教育をする場面もありますが、フランスではまずありえません。先生はあくまで「教育」をする者であって、それ以外のことはしません。生活や規律においての指導は、家庭などほかでされるべきものだと認識されています。
たとえば、昼食の時間は別の担当者がいますし、掃除はそもそも学校で子どもがすべきものではなく清掃の担当者がいます。
フランスで「先生」とは、子どもに対する「教育」に専念する人なのです。
先生が学校に来ない!?
事前にストライキをすることを知らせてもらえるとはいえ、働くパパママは仕事を休まざるをえなくなることもしばしば。
日本で生まれ育った筆者は、先生までストライキなんて「迷惑極まりない」と感じてしまうのですが、回りのフランス人を見ていると迷惑と思いつつも同時に「共感」している様子。フランス人の夫もストライキには慣れっこのようで、仕方がないといっています。先生たちがストライキを通じて勤務形態や賃金の改善等を主張することは、彼らの正当な「権利」であるから、それを行使することは当然認められるべきという考えがあるのです。
普段、不満ばかり主張しているフランス人が、「ストライキに対しては寛大だな」と思っていたのですが、小さいときからストライキされることに慣れているというのも、もしかしたらその理由のひとつなのかもしれません……。