2017年05月27日 公開

長時間保育でも早期教育に熱心!共働きに心強い台湾の幼稚園事情

保育園と幼稚園がある日本と違い、台湾には長時間保育の幼稚園しかありません。でも、公立私立問わず学習にとても力を入れています。台湾の幼稚園での過ごし方や小1プロブレムまで、共働き家庭にとってありがたい台湾の幼稚園事情をお伝えします。

保育園と幼稚園がある日本と違い、台湾には長時間保育の幼稚園しかありません。でも、公立私立問わず学習にとても力を入れています。台湾の幼稚園での過ごし方や小1プロブレムまで、共働き家庭にとってありがたい台湾の幼稚園事情をお伝えします。

朝から夕方まで預かり、食事も出してくれる台湾の幼稚園

台湾の幼稚園バス

台湾の幼稚園バス

via photo by author
台湾は共働きが一般的なため、幼稚園での預かり時間が日本の保育園並みに長いです。朝8時頃に登園したら、帰宅は16時以降。18時半までに迎えに行くか、園バスでの帰りを待つ、というシステムが多いようです。

幼稚園は公立と私立がありますが、いずれも共働きかどうかに関わらず、朝から夕方まで預かってくれます。台湾の幼稚園バスは決まったデザインの黄色い車体なのですが、夕方になると何台も通るのを見かけます。

また、預かり時間が長いので、幼稚園で朝食、昼食、おやつまで提供するところも少なくありません。忙しい朝に子どもの朝食時間を取らなくていいというのは、大助かりな方も多いのでは。そして、15〜16時頃に軽食のようなおやつを出してくれるので、夕食の準備に焦ることもありません。

2歳から幼稚園生活のスタートが可能

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Jimmy Tran / Shutterstock.com
日本の幼稚園は3年保育か2年保育で、3〜5歳からスタート。プリスクールや親子教室を設けているところもありますが、台湾は2歳児の「幼幼班(ヨウヨウバン)」というクラスが用意されています。共働きで、2歳から預けたい需要があるという理由もありますが、早期教育が目的の場合も多いようです。

ちなみに、もっと小さい時から預けたい場合は、別途、託児所かベビーシッターを頼むということになります。

幼稚園から英語、国語、算数が基本

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ucchie79 / Shutterstock.com
台湾の幼稚園では、シュタイナー教育などの、文字や数字を教えない方針の園をのぞき、公立でも私立でも英・国・数のお勉強をすることが一般的です。宿題を出す幼稚園も少なくありません。

台湾での国語は中国語です。日本にひらがながあるように、台湾では漢字の読み仮名として「注音(チュウイン)記号」というものがあります。小学校に上がって漢字を学ぶ前に、この注音記号を学ぶため、小学校の授業についていけるようにと、年少や年中の頃から教えることが多いです。

日本よりも進んでいると感じるのが、英語教育です。公立小学校でも1年生から英語の授業があるのですが、幼稚園でも公立・私立を問わず英語教育をすることが普通です。英語の授業は1日1〜2クラス、あるいは午前中のみの幼稚園から、年長になると園生活の9割が英語というところまで、保護者の好みによりさまざまな選択肢があります。

台湾にもある小1プロブレム

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幼稚園の先生方にお話を伺うと、そんな台湾でも、日本と同じような「小1プロブレム」があるそうです。

幼稚園と小学校の環境が違うため、授業中おとなしく座っていられない、宿題をしない、他の子との協調性に欠ける……などの問題を抱えるお子さんもいるそうです。

日本のように、小学校と幼稚園が直接連携を取って対処することはないようですが、幼稚園によっては入学準備期間を設けて、子どもたちがスムーズに小学校生活に慣れるよう心を砕いている園もあります。

台湾は9月が新学期スタート。卒園前の年長クラスは夏を準備期間として、以下のようなことをしています。

・自分の名前を書く練習
・40分座り、10分休憩するサイクルで過ごす練習
・校区の小学校見学
・保護者向けに、小学校生活の説明会

特に第1子の場合、はじめての小学校生活は親子ともに不安なものなので、幼稚園でこういうケアをしてもらえるのはありがたいのでは、と感じました。

日本より親の関わりを求められない幼稚園生活

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日本では特別な行事がない時でも親の強い関わりが求められる幼稚園がありますが、台湾では、例えシュタイナーやモンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園でもそれがありません。共働き家庭が多く、親の参加を求めることに無理があるのです。

筆者が幼稚園へ見学に行った際には、いずれの園からも、「親にボランティアや行事参加を求めることは一切ない」と言われました。参観日は園によってあったりなかったり、遠足などの行事も「来てもいいよ」くらいのスタンスでした。

共働き家庭には嬉しい台湾の幼稚園事情

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実際に幼稚園を見学してみると、保育だけではなく、学習活動に熱心な幼稚園が多く、特にどこも早期の英語教育に力を入れており、英語が話せる台湾人が多いことにも納得しました。

日本の保育園と幼稚園の良いところをうまく組み合わせたような台湾の幼稚園のシステムは、共働き家庭にはありがたいもの。こんな至れり尽くせりな施設が日本でも増えていくといいのではとないでしょうか。

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この記事のライター