2017年2月5日 公開

こんなにハードなんて意外⁉ スペインの幼稚園児の1日

シエスタ(昼寝)とフィエスタ(祭り)で有名な国、スペイン。ゆる~いラテンのイメージがありますが、意外にも幼稚園からしっかり勉強が始まるお国柄なんです。シエスタをする時間もない幼稚園児の1日を追ってご紹介します。

幼稚園というよりプリスクール

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まずはスペインの幼稚園の概要を簡単にご説明します。3歳からスタートする3年制で、3歳になる年の9月に新学期がはじまります。義務教育ではないものの、読み書きや算数、英語も習うため、幼稚園というよりまさに「プリスクール」。95%以上の子どもが通います。そもそも、たいていは小学校に併設されているのです(私立、半公立の場合は高校までの一貫が多いです)。

大きく分けて二つの時間割システムがあり、<集中型>は朝の9時頃に始まり終了は昼の14時頃。給食はありません。

もうひとつの<終日型>は、登園時間は同じながら、降園時間は夕方の17時頃になります。昼休みはなんと約3時間!園児は給食を食べるか一旦帰宅をして昼食後に再登園するのです。この場合、保護者は幼稚園と自宅を1日4往復するはめに……。

持ち物はおやつの入った巾着袋だけ

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さて、今回は<終日型>システムの幼稚園に通う園児の1日の過ごし方をお話ししましょう。

起床は朝の8時過ぎ。朝食を食べてから登園です。

持ち物は午前中のおやつが入った巾着袋やミニリュックだけ。スペインでは昼食時間が14時スタートと遅いので、朝食と昼食の間に軽食を食べる習慣があります。園児たちが持って行くのは、フルーツやビスケット、マフィン、そしてスペインの国民食ともいえるボカディージョ(バゲットサンド)などが定番です。

読み書き、英語、算数の勉強がスタート

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幼稚園では3歳児から早速読み書きがはじまります。年長になると英語のクラスもはじまるほか、簡単な算数も習いはじめます。幼稚園によっては週に1、2回の簡単な宿題が出ることも。そして通知表まであるのです。

もちろん園庭で遊んだり、お絵描きや工作、読み聞かせ、歌などのアクティビティはあるものの、日本に比べるとより勉強重視型。日本の幼稚園にも通ったことのある息子は、「日本はお勉強がなくて楽しい。ずっと遊ぶだけ」と言っていました。

お昼ご飯は給食か自宅かを選べる

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昼の12時から15時までは昼休み。家で食事をする園児は帰宅します。息子の幼稚園では当日申し込みをすれば、その日だけ給食をお願いすることもできたので、いろいろな物を食べる習慣をつけることと、筆者の時間をつくるために週に2回は給食を選択していました。

ここで驚いたことは、共働きの家庭は全員給食を選ぶかと思いきや、おばあさんやおばさんなど親戚が迎えに来て、そこで昼食を食べる子どももいることです。古い田舎町で家族が近くにいるという環境ではありますが、スペインの家族の絆を感じます。

再登園した後は17時に降園。習い事や用事がない限り、公園や広場に寄って遊びます。スペインは夕食時間も遅いので、この時がちょうど夕方のおやつの時間。幼稚園を出たらすぐに保護者が持って来たボカディージョを頬張って歩く子や、公園で遊びながら食べる子がいることにも驚きました。日本のように食べる時は座るという観念はありません。もちろん手も洗わずに、です。

シエスタの国なのに昼寝ができない幼児

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スペインでも習い事に通う幼児は多く、サッカーや水泳、英語が人気です。習い事のスタートは17時半か18時が普通。となると、家に帰る時間は19時近くで、それからシャワーを浴びて夕食を食べると就寝時間は21時、22時に。

もともとスペインの夕食時間の平均は21時頃スタートと遅いため、家族そろっての夕食となるとどうしても子どもが寝る時間が遅くなってしまうのです。そのため子どもを早く寝かせ、その後親だけで夕食をとる家庭もあります。

この<終日型>システムではお昼寝をする時間もないので、幼児には少々ハードです。また、3時間もの昼休みが合理的ではないのでは、という声も。私が住む州では基本的に<終日型>なのですが、ここ数年は子どものためには<集中型>にすべきだという声が高まっています。

最後に

なかなかハードな毎日を過ごしながらも、伸び伸びと育っているように見える子どもたち。これはスペインの土壌ならではなのかもしれません。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

田川敬子 田川敬子  2002年よりスペイン在住。小学生の西日ハーフ男児の母。日本語環境がない中、2人の間ではなんとか日本語会話を維持しているものの、問題は読み書き。こちらのサイトでは、日本とは異なるスペインの子育て事情をお届けします。