2017年04月17日 公開

ベストセラー『こども孫子の兵法』担当編集者インタビュー(後編)

10万部を超えるヒットとなっている、齋藤孝先生監修の『こども孫子の兵法』。発売から1年が経った今も売れ続けている理由を、この本の担当編集者である、日本図書センターの高野愛実さんに伺いました。前編に引き続き、ご覧ください。

10万部を超えるヒットとなっている、齋藤孝先生監修の『こども孫子の兵法』。発売から1年が経った今も売れ続けている理由を、この本の担当編集者である、日本図書センターの高野愛実さんに伺いました。前編に引き続き、ご覧ください。

 (43951)

タイトル:強くしなやかなこころを育てる! こども孫子の兵法
監修  :齋藤 孝
出版社 :日本図書センター

『こども孫子の兵法』、どう活用すればいい?

ーーオススメの読み方はありますか?

1つのことばを1見開きで紹介していますので、本の途中からでも読むことができます。もくじを見て気になったところからでも、イラストが目についたところからでも、自由に読んでみてください。

24のことばのうち、ひとつでもふたつでも、心に響くものがあるのではないかと思います。
就学前、小学校低学年……中学生と、読む年齢によって、気になることばが変わることもあるでしょうし、そのときの状況や気分などによって、ことばのとらえ方がも変わることもあると思います。
ご家庭に置いておいていただければ、どのことばも、必ず役に立つときがあるはずです。

この本を選んでくださったお父さん・お母さんから、「自分の役にも立った」というご感想をいただいているので、世代や男女を問わず、受け入れられる内容なのだなあと、うれしく思っています。

ーー本の最後に、音読をするための書き下し文が載っていますね。

書き下し文は、漢字も多く、難しそうなイメージがあるかもしれませんが、読んでみると、リズムがあって、力があって、とても魅力的なのです。
ですので、ちょっとカッコよく、セリフっぽく言うなどして、「孫子の兵法」のことばをさらに身近に感じてほしいという願いがあります。

 (49322)

画像提供:日本図書センター

子どもからも大人からも反響が!

ーー子どもからの反響はどうでしょう

もっとも印象的だったのは、ネット書店のレビューに「小4の息子がこの本を読んで、『この本勇気もらえるわ〜』と呟いていたので、買って本当に良かったです」と書いてあったことです。
そんなふうにこの本を読んでほしいと思っていたので、すごく感動しました。

ーー大人からの反響も?

あります! 特にお父さんからが多いように感じています。
ビジネス書で「孫子の兵法」を知っていて、子どもに本書を読ませたいと思ったとか、逆にお父さんが本書を読んで、大人向けの「孫子の兵法」を読みたくなったという声もあります。

また、今までにはなかった「子ども向け」という新しい切り口によって、古典好きの方にも読んでいただけているようです。

新聞・雑誌・ラジオなどでも紹介されています

ーーほかにどんな反響がありますか。

特に図書館向けに作ったわけではないのですが、小中学校・公共の図書館様からのご注文も目立っているように思います。図書便りなどに、中のページを掲載したいというご連絡もいただきます。 
また、学校を卒業する記念にといったかたちで、プレゼント本として選んでいただいていることも多いようです。

ーー10万部を超えるベストセラーとなりました。

じつは、発売当初の反応は、それほど良くなかったです。 
類書もありませんし、最初は書店員さんも「???」と思ってらしたようです。
でも、実際に手にしていただくと、「おもしろい!」と感じていただけたようで、発売から2~3カ月で大きく展開できるようになりました。
ネット書店などでも、徐々に反響が広がり、刊行から1年経った今でも、売れ続けています。

かなりチャレンジングな企画だったと思います。好き嫌いが分れるのではないかと、ドキドキしながら作っていましたので、たくさんの方に読んでいただくことができて、本当にうれしく思っています。

最後に

ーーこの本が気になっている読者へメッセージを!

本書には、世の中を生き抜くヒントがいっぱいつまっています。
少し大人っぽい内容だと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもは、大人が思っている以上に、さまざまなことを感じながら毎日を過ごしています。
お子さんが、強くしなやかなこころを育て、自分らしく毎日を過ごせるように、ぜひご活用いただければと思います。

また、育児書としても読んでも役立つ1冊ですので、お父さんお母さんにも読んでいただきたいです。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター