夏の風物詩といえば、カブトムシ。自宅で飼うのは、とても貴重な経験になります。インターネットを使えば準備から飼育方法まで簡単に調べられますが、おすすめは本を手元に置いておくこと。子どもの自主性がぐーんと高まって、楽しみも学びも広がりますよ。
手元に置きたい子ども向けの飼育ガイド!
わが家でも、2歳の息子が「カブトムシに必要だから!」と、公園に枝を探しに行ったり、霧吹きを用意するなど、準備やお世話も積極的に関わるようになりました。また、腐葉土をケースに入れた際も、見様見真似でぎゅっとかためており、大人が調べて指示を出すよりも何倍もの効果があるようでした。
今回は、筆者おすすめのカブトムシ飼育方法の本を2冊、絵本を3冊ご紹介します。
カブトムシとクワガタ 飼いかた&図鑑
著者:安藤“アン”誠起
出版社:実業之日本社
カブトムシに愛着がわく!愛と勇気の成長物語
著者:宮西達也(作・絵)
出版社:教育画劇
卵が“ぱかぱかっ”とかえったり、たくさん食べてたくさんうんちをする姿など、飼育していると出くわすシーンには思わず共感してしまいます。また、体つきやツノの長さなど、3匹の個性の描写が面白く、ご自宅のカブトムシ観察のヒントになるかもしれません。
最後は、互いの長所を生かしながら立派に成長する3匹……。作者の宮西達也さんらしい、ユーモアと優しさのつまったストーリーもぜひ味わってください。
生命の神秘を臨場感たっぷりの写真絵本で味わおう!
著者:新聞 孝(写真)、小杉みのり(構成・文)
出版社:岩崎書店
物語だけでは飽き足らない!という本物志向のお子さまには、こちらの写真絵本がおすすめです。
飼育をしていても見ることができない貴重なシーンが、多く掲載されています。画面いっぱいに拡大された迫力ある写真には、驚きと感動がいっぱい。思わず見入ってしまうほどです。
最初は「幼虫が気持ち悪い……」と思っていた筆者ですが、卵から一生懸命かえる姿に胸を打たれ、今ではわが子のように(?)、愛おしくてたまらなくなってしまいました。
説明文に一切、専門用語はなく、子どもにもわかりやすい言葉で、写真に意味を添えて紹介してくれています。
卵や幼虫から育ててみたい!初心者にはこの1冊
著者:哀川翔(監修)
出版社:ブックマン社
“飼育歴15年の哀川アニキに学ぶ、虫が苦手なママでも30分でわかるカブトムシ飼育の心得とコツ“というコピーの通り、初心者にうってつけの内容です。
飼育方法がカレンダー仕立てになっていて、月ごとにやることがまとまっています。他の本では、静かに見守る時期と手をいれる時期の記載が、意外と分かりにくく、不安になることもあったのですが、こちらの本はその点でもとても便利でした。
初心者に心配はつきものですが、哀川さんの軽快な語り口調に励まされつつ、カブトムシの飼育が楽しめますよ。
夏の思い出がぎっしりつまった絵本で締めくくろう
著者:いしい つとむ
出版社:文研出版
カブトムシが家にやってきた喜び、恐る恐る触ったり、名前をつけたり、遊んだり……。そんなシーンすべてが自分たちと重なるようで、わが家の息子たちはいつになく真剣に聞いていました。
等身大の子どもならではの素朴な表現がグッとくる、夏の終わりに手に取りたい絵本です。わが家も、カブトムシにお墓を作った日に読んで、数々の思い出を心に刻みました。