とにかく面倒で大変というイメージが強いPTA役員・委員ですが、思わぬメリットや楽しさがあることも事実です。また、「フルタイムで働いてるから手伝えない」という保護者でも、工夫次第で上手に参加することも可能。実際に経験してみてわかったPTA活動の実態をお伝えします。
メリット1 保護者の情報ネットワークができる
子どもが大きくなってくると、親が学校に行く機会も減りますし、子どももあまり話さなくなったりして、学校の様子がわからなくなってきます。特に男の子の場合、「学校からの手紙も出してくれない」と嘆くママも多く、保護者同士のLINEで「今日、〇〇のプリントが配られたよ」などとやりとりをするのが重要な情報源になっていました。
また、中学生ぐらいになると、誰と誰が付き合っている……なんて話もちらほら出てきます。役員や委員の中には情報通のママもいて、そういう恋バナをこっそり教えてもらったりもしました。
ときには肝心の当事者のママが付き合っていることを知らなくて、「ええっ、そうなの!?」なんて笑えない事態になることもありますが……(笑)
メリット2 受験情報がわかる
「学校説明会より文化祭のほうが生徒たち本来の姿がわかるから、子どもに合った学校を選びやすい」「中学3年生は受験勉強で忙しいから、英検などの資格試験は中学1、2年のうちに受けるべし」など、雑談の中で具体的なアドバイスを聞けて、とても役に立ちました。
また、中学3年生の保護者の話を聞いていると、いつ頃受験校を決定するのか、推薦、私立、公立の試験がいつ頃あるのかなども大体わかってくるので、わが子が受験生になったときの心積もりができます。
ただ一般的に中学受験に関しては、全員が受験するわけではないことがほとんどですし、受験すること自体を内緒にしている保護者もいるので、ちょっと話題にしにくい面もあるかもしれません。
メリット3 先生方とのパイプができる
そんなとき、PTAの仕事で学校に行ったついでに、ちょっと担任の先生を呼び止めて、「最近、うちの子、家であまり話さなくなったんですけど、学校ではどうしていますか」などと聞いてみれば、先生も気軽に答えてくれます。
また、本部役員などの重役は学校運営側との会合も多いので、校長先生や副校長先生ともパイプができます。とあるPTA会合のとき、校長先生が「この間、卒業生が高校の文化祭で使いたいと学校の備品を借りに来たんですが、ずっと役員をしてくださっていた方のお子さんだったので、貸し出したんですよ」なんて冗談交じりに話していたこともありました。
メリット4 役員・委員のみの特典がある場合も
次女の中学校では年に一度、PTAサークルに参加している保護者の会合で、特別に給食をいただくことができるんです。子どもたちがどんなものを食べているかもわかるし、何よりおいしいので、人気の企画です。
また、サークル担当の先生を囲んでの茶話会もあり、ちょっとしたお菓子をつまみながら、先生や他の保護者の話を聞くこともできます。先生もこういう場ではちょっと気が緩むのか、クラスの保護者会などでは聞けない暴露話も飛び出したりして、とても楽しいひとときです。
デメリット1 拘束時間が多い
PTAの活動をするために何度も学校に足を運ばなければならないのは、仕事をもつ保護者にとってはもちろん、専業主婦であっても何かと面倒で、時間のやりくりも大変です。
ただ、最近は働いている人も多いので、「できるときに、できる人が、できることをやろう」というフレキシブルな活動スタイルが多くなっています。長女の高校では、土日のほうが動きやすいフルタイム保護者と平日OKの保護者で2つのグループに分かれ、委員会の仕事を分担していました。これならいろいろな立場の人が参加しやすいですよね。
また、次女の中学で防災行事の担当をしたときは、イベント当日に用事があるという人が何人かいたのですが、「私は当日参加できないので、事前告知の手紙を準備します」などと積極的にできる仕事を引き受けてくれて、とてもスムーズに進みました。
「働いているから無理です」などと、できないことを主張するのではなく、「平日の会合は参加できないので、家でできるパソコン作業をやります」というように、自分ができることを上手に引き受ければ、角も立たないし、仕事とPTA活動の両立もできそうです。
デメリット2 人間関係がうまくいかないとストレス倍増
そこで、どうせ役員や委員を引き受けるなら、知り合いのママ友にも声をかけて、一緒に立候補するというのもオススメです。お互いによく知っている相手と一緒なら心強いし、おしゃべりしながら楽しく仕事ができそうです。
そうやって役員同士でいい関係が築けると、卒業後もずっと連絡を取り合うような密な関係が生まれたりもします。一年間、一緒に仕事をこなしてきたという達成感が、絆を深めてくれるのでしょう。
自分なりのやり方で、楽しくPTA活動を
子どもが大きくなってくると、夜、PTA活動の打ち上げで保護者だけの飲み会があることも。みんなでワイワイ盛り上がるのが好きな人なら、大いに楽しめますよね。
PTAをうまく活用して、子どもを支えるだけでなく、自分自身の人生も充実させることができたら、とても素敵だと思いませんか。