日本では、宿題が出るのが普通だと思いますが、昨今「宿題なし論」が議論されているのをご存じでしょうか。はたして、子どもにとって宿題はあった方がよいのか?ない方がよいのか?日本とハワイの現在の宿題事情を探っていきながら、宿題なし論について一緒に考えていきましょう。
日本の宿題事情
その際の宿題は、教科書の音読が毎日、それに加えて、算数の計算プリントがほぼ毎日出ていました。さらに、ひらがなやカタカナを書くペーパーが出されていたこともありましたが、総じて、10分から20分以内でできるものだったと思います。近所の小学校に通うお友だちの宿題内容を聞いても、量の差はあれ、毎日出ることに変わりなく内容もほぼ同じでした。
娘はハワイで日本語補習校に通っていますが、週に1回しか授業がないこともあってか、国語と算数の問題集が2冊ずつあり、とてもたくさんの宿題が出ています。さらに、音読、漢字テストの勉強も加わります。
1年生でもこれだけ出ているので、上級生になればなるほど、増えていくのだろうと思います。
ハワイの宿題事情
現在、娘が通っている私立の学校は宿題がありません。その代わり、毎日20分程度は、「自分に合ったレベルの本を読みましょう」といわれています。その本は毎日学校から借りてくるので、それを娘が読み、わからない単語などは親子で確認をしています。
ですが、娘の通っている学校は一般的ではなく、周りの公立の学校に通っている子どもたちの話を聞くと、学校にもよりますが、結構宿題は出ているようです。
一週間分の宿題をまとめてもらって、何曜日に提出、と決まっている学校や、日々出る学校など、その方法も多種多様なよう……。ただ、どの学校でも、本を読む宿題が出るのは同じようでした。
宿題なし論とは?
アメリカ・デューク大学の研究では、宿題が子どもに及ぼす影響について、1987年から2003年にかけて60以上の調査を実施。当時、宿題は子どもの成果につながるという見解が示されていました。
しかし2006年、心理学教授のハリス・クーパーは、宿題が子どもの成果につながるのは中学生以上においてだと主張します。
結果は、どの学年においても「多すぎる宿題はよい影響を与えない」というものでした。
そして宿題は、低学年よりも高学年においての方が意味があるといいます。とはいえ、1年生なら10分、4年生なら40分というように、10分かける学年での宿題の量にとどめた方がよいのだとか。
この研究論文が元となり、「宿題はなくてもよいのではないか」という議論が持ち上がっているわけです。
習慣化は大切なこと
つまり、宿題をしてもしなくても、小さいうちは特に、直接の学力に関係は及ぼさないということです。
子どもは遊ぶのも大切な仕事ですので、宿題に当てていた時間を遊びに回す、というのも有意義なことだと思います。
……が、個人的には、「勉強の習慣をつける」ということはとても大切なことだと思っており、たった10分や20分でも、落ち着いて机に向かう時間を取るという意味においては、宿題があるのも意味があることだと思うのです。
大きくなってから、今までの習慣にないことをはじめるのは、とても大変な労力がいること。少しでも小さいうちから習慣化するのは、自分の為にもなるのではないでしょうか。
今後も「宿題があった方がよいのか?なくてもよいのか?」という議論が続いていいきそうですね。