子どものできたところを認め、自主性を伸ばす魔法の言葉、「タカカヒガソ」をご存知ですか? これは子どもの右脳教育で定評がある「七田チャイルドアカデミー」の七田厚先生がご自身の子育てで大切にしてきた6つのキーワードの頭文字を取ったものです。どのような思いが込められているのでしょうか。七田厚先生にお話をお伺いいしました。
タ……短所を見ない
どの子にも短所と長所があります。短所を見て「ここができていない」というよりも、長所を見て「あなたはこういうところが得意だね」「上手にできたね」「いつも明るく笑顔でいるところがいいね」と声をかけてあげるのです。
そうはいっても「うちの子はこんなところがだめ」と思ってしまうお母さんもいると思います。そんなときは、子どものいいところを10個見つけてください。最初は「いいところなんて3つくらいしかありません」と言っていたお母さんも、いいところに目を向けるようになると今まで気づかなかったいいところをどんどんあげられるようになります。お母さんも子どもの見方がどんどんポジティブになるのです。
カ……過程と見る
過程とはプロセスのことです。「彼は3歳だから3歳なりのまずまずの成長をしている」と認めること。親は我が子のできていないところばかりが気になって「あれもできていない。これもできていない」と言いますが、それは当然のこと。まだ3歳なんだから。それよりも「歩けるようになりました。ご飯も一人で食べられるようになりました。歯磨きもできるようになりました」というように、できたところを認めてあげる。
大切なことは、子どもを見る基準、ハードルを高くしないということです。
カ……完全主義で育てない
親からしたら「3歳だからおむつじゃなくトイレに行ってほしい」「ご飯を一人で食べられるようになってほしい」という、3歳なりの「これができてほしい」という気持ちがあると思います。それができたら100点……ですが、完璧にできなくても大丈夫。親からしたら毎回トイレに行けるようにしてほしいと思っていて、それができたら100点と考えているかもしれません。でも、1回でも行けたらそれでOK! 70点、80点で大丈夫です。20点、30点のできていないところがあったとしても、それは今後伸ばしていけばいいのです。まずは、やろうとしている気持ちに目を向けてあげてください。
ヒ……比較しない
「お友達の○○ちゃんはもう○○ができるのに、なんでこの子は……」。口に出さないまでも、こんなふうに考えてしまうことはありませんか? 友達の「得意」なところと、我が子の「苦手」なところを比較しても、勝ち目はありません。もし比較をするなら、我が子の半年前、1年前の姿を思い出してみてください。そしたら「この間までできなかったことが、もうできるようになっている」ということがいっぱいあると思います。
ガ……学力中心で育てない
小さいころから文字や数字に興味を持つ子がいます。しかし、それらのことに興味を示さないからといって、がっかりしたり、無理に教え込む必要はありません。それよりも、絵を描くこと、音楽を楽しむこと、何かを作ること、スポーツを楽しむこと、人や動物に優しくすることも大切にしてあげてください。学力だけが人間の能力ではありません。芸術的な才能、運動能力、人間的な魅力などを高めていくことも大切なことです。
ソ……そのままで100点!
まずは、お子さんが元気に育っている、もうそのことだけで100点です! そこから、その子のいいところがあったら5点、10点とプラスをカウントしてあげるのです。たとえば、「1回トイレに行けた」ら5点。次に行けなくてもそれはカウントしない。できたときだけプラスのカウントをしてあげる。それだけでいいのです。できたところに目を向けると、子どもは自信をつけ、どんどん成長していくのです。
以上が、私が日々子どもたちと接するうえで大切にしてきたキーワードです。これを直接使っていただいてもいいし、もしくはお父さん、お母さんのそれぞれの思いや考えを書き出し、それをもとにオリジナルのキーワードを作ってみるのもいいかもしれません。
まとめ
七田先生が実際に育児をするうえで心がけていたという「タカカヒガソ」。1日の終わりにパパやママ自身の振り返りとして、その日の育児でどれだけできていたかどうか考えてみるのもいいかもしれませんね。できていなかったというところがあっても大丈夫。パパもママも子どもも、そのままで100点です!
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