2022年07月14日 公開

夏休みに親子で取り入れたい子どもの遊びの工夫

『新・家庭教育論 忙しい毎日の子育てコーチング』連載第13回は、子どもの夏休みに取り入れたい親子の遊びのコツをお伝えします。この記事では非認知能力を高める季節の取り組みやおうちでできる知育などおすすめの取り入れ方をご紹介します。

           
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新・家庭教育論夏休み

忙しい日常には、子どもが遊び込む時間をなかなか確保出来ません。それでも、遊びは子どもにとって最も大切な経験であり、非認知能力を育むためにも重要です。幼少期にこそ夢中になって遊ぶ経験をさせてあげましょう。

少しだけ気持ちに余裕がある夏休みは、子どもの遊びを充実させる絶好のチャンスです。どこにも行かずとも、少し工夫をするだけで、子どもの遊びは豊かになります。親の役割は環境を整え、離れたところで見守るのみ。許容範囲をいつもより広げ、子どもが楽しい!と思える夏を過ごすことができるといいですね。

夏休みは親子で遊ぼう!

子どもも大人も忙しい現代社会。平日は仕事があるため習い事は週末に…と、今どきの子どもたちにはのんびり遊ぶ時間はあまりないようです。地域で子どもたちが群れて遊ぶ光景も、都心では見かけなくなりました。それでも、子どもにとって遊びは大切です。いかなる環境であっても、子ども達を遊びから遠ざけない。ここは大人が配慮をしなければならないことでしょう。

近年、注目度が上がっている非認知能力とは、読み・書き・計算のような数値化できる能力とは異なり、感情や心の動きのような数値化しにくい能力のこと。意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、創造性等であり、あと伸びする力、学びの基盤となる能力とも言われています。非認知能力の重要性はもちろんのこと、特に幼児期は非認知能力が育つ重要な時期であることが、研究結果とともに広く示されるようになりました。

では、この非認知能力はどのようにして育つのでしょうか。遊ぶこと、五感を通して遊び込む経験で、非認知能力は育つといわれています。日常生活には不足しがちかもしれない遊びは、実は子どもにとってとても大切な経験ということがわかります。

遊びと勉強(能力開発)を分けて考えてしまえば、「遊んでいないで勉強しなさい」「遊ぶ時間を削って習い事に」となってしまいますが、これでは学びの基盤が育ちません。遊びこそが学びであることを理解し、遊ぶ経験を大切にしていきましょう。

それでも、物理的な環境確保が難しいのが現代の子育てです。そこで注目したいのが、少しだけ親の気持ちに余裕がある夏休み。ちょっとした工夫で、子どもにとっては大きな成長が、大人にとっては新しい子ども発見が期待できること間違いなし。許容範囲をいつもより広げ、夏休みこそ遊ぶ!を実践してみましょう。

夏にできる子どもの遊びの工夫

新・家庭教育論夏休み

夏休みだからこそできる遊び、に視点を移して、いくつかのポイントをご紹介します。

遊びを通して季節を感じる

四季があるのが日本の良さ。しかし、今どきの子どもたちにはあまり季節感がないように思います。部屋はいつも同じ温度ですし、スーパーマーケットに行けば、いつでも同じ食材が並んでいます。地域で行う季節の行事も、様々な理由で減少傾向にあるようです。それでも小学校お受験では季節について問われるため、付け焼き刃で季節感ある行事を行うというご家庭も…。
しかし、季節は覚えるものではなく、感じるもの。体験し、味わうからこそ、自分の中で感じることができるのです。

子どもの遊びを通して、季節を感じてみませんか。大自然の中に出向き、非日常の経験をするのも素敵ですが、たとえ遠出をしなくても、季節を感じる遊びはたくさんできるはず。

例えば、いつもは急ぎ足で通りすぎる公園で、夏休みだから少しだけゆっくり、子どもに自由遊びをさせてあげましょう。探せば見つかる夏の虫や、セミの大合唱、ジリジリと照りつける太陽の暑さや、日陰にはいった涼しさから、子どもは夏を感じることでしょう。水遊びだって、砂遊びだって、軽装の夏の方がやりやすいですね。

夏だからこそ子どもに与える自由度を上げる

子どもは遊びの天才です。子どもに与える自由度を少しだけ上げれば、子どもは自分で一つの遊びを発展させて、次の遊びにつなげていきます。例えば、水遊び。水に触ってみる、流してみる、まいてみる、入れ物に入れてみる、入れ物をふってみる、染み込む様子を見てみる、乾く様子を見てみる、冷たくしてみる、熱くしてみる…、子どもは夢中になって、次々遊びを発展させていくことでしょう。

豊かな遊びとは、子どもが夢中になれる遊びです。そして、自分で遊びを作るからこそ、子どもは夢中になるのです。大人の役割は危険がないかを見守ること。急がずゆっくり遊ばせてあげることが、子どもの夢中時間を作り出します。

子どもが満足するまで遊ばせる

「もう時間よ、早くしなさい」。これを言わずに過ごすことができれば、子どもは自分で考え自分で行動するようになるでしょう。それでも、なかなかその勇気がでないのは、親の目が常に「これから」を見ているから。

夏休みだから、思い切って「今」に注目してみませんか。子どもの世界には「これから」はありません。子どもは今を生き、今楽しみたいのです。1日でもいい、子ども目線になって、子どもが満足するまで遊ばせてあげましょう。子どものほうから楽しかった、今日は終わりにすると言ってくるまで待ってあげれば、それは子どもが大満足したという証拠です。やりきったという感覚は、子どもの自尊心を高めます。

帰らなければならない時間が、子どもの満足前に来てしまった時には、「じゃあ、あと10分待っているね」と、子ども自身に遊びの終わりを決めさせるのが理想的です。何をするかのみならず、どう遊ばせてあげるかを意識すれば、子どもの遊びは豊かになります。

最初から最後までを経験する遊びをする

「最初から最後まで」を子どもが経験できる遊びは、子どもの達成感を育てます。

例えば、カレーライス作りを子どもに任せてみるのはどうでしょう。親は危険がないかの見守りに徹し、子どもに全てを任せてみる…。その経験が子どもを大きく成長させることは間違いなしです。

カレーライスの材料を考えるのが「最初」です。何を入れるか、どこで買うか、どうやって作るか…、子どもは過去の経験を思い出しながら、想像力を働かせ、どうすればよいかを自分なりに考えます。わからないことがあれば、自分から聞いてくるでしょう。危険がないように作るには、どうすればよいかも、自分なりに考えます。出来上がったら、どこでどう食べるか、どうすれば喜んでもらえるか、他者の気持ちになって考えます。もちろん、片付けも子どもにまかせましょう。なかなか落ちない油汚れはどうすれば取れるのかと、失敗を繰り返しながら発見していくことでしょう。

まだカレー作りには早すぎる場合には、サンドイッチやおにぎり作りはどうでしょう。大切なのは、最初から最後まで子どもに任せてみることです。

汚れるし、時間もかかるし、いつもはなかなかさせてあげられない経験こそ、夏休みに取り入れてみませんか。たった一回の経験であっても、そこから得られる価値は、一部のお手伝いを遥かに超えた大きな財産となるはずです。

おうちでできる子どもの遊びの工夫

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ここでは、おうちでできる遊びをみてみましょう。遊びの目的を明確にすれば、親の関わり方も自ずと見えてくるものです。ちょっとした工夫で、子どもが夢中になって遊ぶ環境が作れるかもしれません。

手先を使った遊び

手先や指先を上手に使う力でもある巧緻性。ハサミ、のり、セロテープなどは散らかりますし、危険も伴うため、「まだ早い」と、触れさせないご家庭も多いはず。しかし、注意するポイントをしっかり押さえ、親がちょっとした手助けをしてあげれば、意外と子どもは上手にできたりします。

手先の器用さは、トレーニングで育っていきますので、危険だということを認識させた上で、使わせてみると良いでしょう。初めて使う道具には、子どもも注意しながら集中して触れるものです。新しい道具を利用するには、親の関わりが求められるため、少しだけ余裕がある夏にはおすすめです。

切る、貼る、ちぎる、描く…、いつもは会えない祖父母にお手紙を書くのもよいでしょうし、カレンダーづくりも楽しいです。

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運動

子どもは身体を動かすのが大好きです。なかなか外に行けない環境なら、家の中でできる運動を行いましょう。足を使ったじゃけんは良い運動にもなりますし、親子のふれあいにも繋がります。動物になりきって、歩き方の真似をするのは筋力も付きますし、階下への音の心配もありません。

親子でヨガも楽しい取り組み。もしかすると、子どもの方が上手にできるかもしれませんね。大人のバランスボール等も、子どもにとっては良い遊び道具になりそうです。子ども用の小さなフラフープは値段もリーズナブルですし、たくさんの遊びが展開できます。

「今日は身体を動かそう」と目的を明確にすれば、楽しい遊びがいろいろ見つかるはずです。

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廃材利用

廃材を利用した遊びは特におすすめです。子供の発想力や想像力が大いに掻き立てられますし、廃材探しから始まり、親子で一緒に日常生活を振り返ることができます。大きなものから小さなものまで、素材も様々な廃材利用の遊びは自由が基盤。ダイナミックな遊びも展開でき、子どもの世界がぐんと広がります。

SDGsの観点からも、廃材利用の遊びには気づきが多く、遊びを通して社会的課題を考えるよい機会にもなるでしょう。遊んだあとの片付けも、子どもと一緒に考えるといいですね。

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いつもとは少し意識を変えて、夏休みだからこその遊び経験をしてみてください。大切なのは、子どもが楽しい!と思えること。ちょっとだけ許容範囲を広げて、夏を思いっきり楽しみましょう!

■ライタープロフィール
江藤プロフィール写真
江藤真規
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了 博士(教育学)
株式会社サイタコーディネーション代表
クロワール幼児教室主宰
アカデミックコーチング学会理事
公益財団法人 民際センター評議員

自身の子どもたちの中学受験を通じ、コミュニケーションの大切さを実感し、コーチングの認定資格を習得。現在、講演、執筆活動などを通して、教育の転換期における家庭での親子コミュニケーションの重要性、母親の視野拡大の必要性、学びの重要性を訴えている。著書は『勉強ができる子の育て方』『合格力コーチング』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『心の折れない子どもの育て方』(祥伝社)、『ママのイライラ言葉言い換え辞典』(扶桑社)など多数。
クロワール幼児教室

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WRITER

江藤真規 江藤真規 サイタコーディネーション代表。サイタコーチングスクール、クロワール幼児教室主宰。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了 博士(教育学)。皆が「子育ち」を楽しめる社会を目指して、保護者さまのエンパワメントを行っています。社会が大きく変化する中、幼児期の子育てにも新しい視点が求められます。子育ての軸をしっかりと築き、主体的な子育てに向かうためにお役立ちとなる情報を、コーチングの考え方を基軸に配信いたします。HP:https://croire-youjikyousitu.com/