2022年04月21日 公開

新年度の子どものストレス : 家庭での3つの対処法

『新・家庭教育論 忙しい毎日の子育てコーチング』連載第10回は、新年度や環境の変化で感じやすい子どものストレスに対して家庭でできる対処方法をお届けします。ストレスのサインの見分け方や3つの対処方法を解説します。

           
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新・家庭教育論子どものストレス

進級、入園、入学、入塾など環境が一変する時期には、子どもはストレスを抱えがちになります。過度な心配は不必要ですが、気になるストレス反応には目を向けていきましょう。

大切なのは、早めの対処です。子どもとの対話で、「共感的に聴く」「子どもに話しをさせる」「質問をしてみる」を意識することは、ストレスへの対処に役立ちます。

ストレスはなくすことは出来ませんし、前向きな原動力にもなりうるもの。早めの対処でうまく付き合っていく姿勢が重要です。ちょっとしたリラックスタイムも忘れずに、新しい学年を楽しんでいきましょう。

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子どものストレスって悪いもの?

進級、入園、入学、入塾など環境が変わる時期。新しい扉を開いた子どもたちは、今どのような心境なのでしょう。手探りで始まった仲間関係、先生との関係には、ワクワク感とともに、多少のストレスもあるかもしれません。

そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと。日常の中で起こる様々な変化は、ストレスの原因になるからです。

ストレスというと、嫌なことや辛いことを想像されるかもしれませんが、そういったネガティブなことばかりではなく、嬉しいことや楽しいこともストレスの原因となります。

楽しいと自然に前向きな気持ちが出てきます。つまり、ある程度のストレスは行動を促進するための原動力ともなるということ。

「この子は大丈夫だろうか」と親が不安になりすぎてしまうと、子どもにもその不安が伝達されてしまい、子どもも不安になってしまいます。
ストレスは悪いものばかりではないことは、心にとめておきましょう。

大きくなる前にみつけたい子どものストレス

ただ、まだ小さな子どもは、自分の状態を伝えるだけの語彙力や経験を十分に備えてないため、何も言わずに、ストレスを大きくしてしまっていることもあるかもしれません。
新学年がスタートする特別な時期は、いつも以上にストレスを感じやすいということを前提に、子どもの様子を見ていきましょう。気づかぬうちに子どもが感じるストレスが大きくなり、深刻な問題になってしまうこともあるからです。

具体的には、「子どもを観察すること」がおすすめです。子どもの表情、姿勢、しぐさ、呼吸等に意識を向けていきます。子どもの言葉(バーバル)からの情報のみならず、非言語情報(ノンバーバル)にも意識を向けましょう。

そこで「いつもと違う」が見つかった場合には、更に注意深く観察していく姿勢が必要です。暗い表情が続いている、チック症状が出ている、いつも疲れたとゴロゴロしている、呼吸が浅くなった等は、要注意かもしれません。

もちろん、過度に心配しすぎてはいけません。しかし、放置しすぎてもいけないのです。求められるは、適度なさじ加減。その上で、大きなストレスになる前に対処することが重要です。

「最近少しストレスが溜まっているな」と感じたら、早めに対処をとりましょう。ストレスを完全になくすことは不可能ですので、早めの対処を繰り返し、上手にストレスと付き合っていくことが求められます。

子どもの抱えるストレスへの3つの対処法

新・家庭教育論子どものストレス

まず最初に、ストレス反応が表れるメカニズムについてみていきましょう。ストレスには、ストレッサーと言われるストレスの原因があります。心や体にかかる外部からの刺激がストレッサーであり、そのストレッサーに適応しようと、心や体にはさまざまな反応が表れます。これが、ストレス反応と呼ばれるものです。
よって、ストレスへの対処の際には、ストレッサーにも目を向けていくことが必要です。

では、「早めの対処」として、家庭ではどのようなことができるのでしょうか。親子の対話です。ここでは、子どものストレス軽減につながる親子対話を、3つのポイントからご紹介しましょう。

共感しながら子どもの話しを聴く

1つ目は、共感しながら子どもの話を聴くことです。子どもの話しを聴きながら、「辛かったんだね」「頑張ったんだね」と、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。共感していることが伝わります。

ストレスを抱えている子どもを見ると、親は不安になってしまいます。そして、なんとかストレッサーを取り除こうと、あれこれ聴いてしまいます。「何が嫌だったの?」「誰に言われたの?」と原因追求を急いでしまうのです。

しかし、それは子どもが求めていることではありません。ストレスの原因追求は、エネルギーを要するいとなみであり、心が傷ついているなら、回復させることがスタートです。子どもの話しを聴き、子どものことを分かってあげましょう。自分のことを分かってくれる人の存在があれば、子どもは安心し、「自分でいていいんだ」と思えるはずです。

自分を認めることができれば、ストレス軽減にもつながるでしょう。

たくさん話させて心にスペースを空ける

2つ目は、子どもに沢山話をさせてあげることです。話すとは、心の中にたまったものを吐き出すということ。吐き出すことで、心に「スペース」が空き、これがストレス軽減につながります。いっぱいだった心にスペースが空くことで、新しい考えが湧いてきます。気持ちも入れ替わっていきます。たくさん話した後に、嫌なことなど忘れてしまった…、こんなご経験をされた方も多いのではないでしょうか。

また、人は話しながら「自分はこんなことを考えていたんだ」と自分の気持ちを再認識していきます。オートクラインという効果です。「喧嘩になっちゃったのは、自分の気持ちをつたえられなかったからだ」「毎日練習できないのは、上手くできないと思っているから」等、本当の気持ちに気づくことができれば、ストレスも軽減されるかもしれません。

質問で「見方」を変える

3つ目は、ものの見方を変える質問です。例えば、子どもが友達といざこざを起こしてしまったとしましょう。「悲しかったね」とまず子どもの気持ちに共感し、そして「お友達には本当は何て言いたかったの?」「お友達はどうしたかったのかな?」等、質問をします。

質問により、子どもはその時の自分を客観視することができます。「本当は仲良くしたかった。友達も一緒に遊びたかったんだと思う」こんな気持ちに気づけば、友達に対する見方が変わります。親からの質問が、見方を変えるきっかけになったということです。

私たちは解釈の世界で生きています。一つの事実に、様々な解釈をつけ、自分なりに理解をしながら日常を過ごしているのです。そして、解釈は置き換え可能です。質問で見方が変わる、解釈を置き換えることができれば、気持ちも変わり、ストレスは軽減されるでしょう。

親子でリラクゼーションも忘れずに

新・家庭教育論子どもストレス

最後にもう一つ、ストレス軽減に大きく役立つ簡単な方法をご紹介しましょう。心をときほぐすリラクゼーションです。深く深呼吸をするだけでも、気分が変わります。

忙しい日々でしょうが、外の空気を吸ってみる、空を見上げてみる時間は確保していますか?気持ちは時にゆるめることで、また元気になっていくものです。緊張ばかりでは、心の糸が切れてしまいます。伸ばして緩めて…を繰り返すことで、きっと心の筋力は強くなっていくのでしょう。

お子さんと一緒に、リラックスする時間を是非とも意識的に取り入れてみてください。お子さんとのスキンシップは、お子さんにとっても、そして親御さんにとっての最高のリラクゼーションになることでしょう。

「一緒に何かをする」もおすすめです。他愛ない対話をしながら、一緒にお料理、一緒にジョギングなどいかがでしょう。たった30分のリラクゼーションタイムが、一週間の流れを変えたりするものです。

上手くストレスとつきあいながら、新しい環境を大いに楽しんでいきましょう。

■ライタープロフィール
江藤プロフィール写真
江藤真規
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了 博士(教育学)
株式会社サイタコーディネーション代表
クロワール幼児教室主宰
アカデミックコーチング学会理事
公益財団法人 民際センター評議員

自身の子どもたちの中学受験を通じ、コミュニケーションの大切さを実感し、コーチングの認定資格を習得。現在、講演、執筆活動などを通して、教育の転換期における家庭での親子コミュニケーションの重要性、母親の視野拡大の必要性、学びの重要性を訴えている。著書は『勉強ができる子の育て方』『合格力コーチング』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『心の折れない子どもの育て方』(祥伝社)、『ママのイライラ言葉言い換え辞典』(扶桑社)など多数。
株式会社サイタコーディネーション

■江藤さんへのインタビュー記事はこちら↓
イヤイヤ期の言葉がけはタイプ別に!江藤コーチの子育てアドバイス①
子どもをやる気にさせるほめ術は?江藤コーチの子育てアドバイス②
学力向上ために6歳までにやるべき6つのこと。江藤コーチの子育てアドバイス③

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WRITER

江藤真規 江藤真規 サイタコーディネーション代表。サイタコーチングスクール、クロワール幼児教室主宰。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了 博士(教育学)。皆が「子育ち」を楽しめる社会を目指して、保護者さまのエンパワメントを行っています。社会が大きく変化する中、幼児期の子育てにも新しい視点が求められます。子育ての軸をしっかりと築き、主体的な子育てに向かうためにお役立ちとなる情報を、コーチングの考え方を基軸に配信いたします。HP:https://saita-coordination.com/