2019年04月03日 公開

イギリス英語の特徴は?アメリカ英語との違いや代表的なフレーズ

英語には「イギリス英語」と「アメリカ英語」があることは、ご存知の方も多いはず。私たちが学校で習ってきたのはアメリカ英語です。同じ英語でも、ふたつにはどのような違いがあるのでしょうか?イギリス英語の特徴を、代表的なフレーズを交えながらご紹介します。

英語には「イギリス英語」と「アメリカ英語」があることは、ご存知の方も多いはず。私たちが学校で習ってきたのはアメリカ英語です。同じ英語でも、ふたつにはどのような違いがあるのでしょうか?イギリス英語の特徴を、代表的なフレーズを交えながらご紹介します。

イギリス英語(クイーンズ・イングリッシュ)とは

London Parliament England Ben - Free photo on Pixabay (136910)

イギリス英語とはその名のとおり、イギリスで話されている英語です。イギリス国内でも地域や人種によってさまざまな発音、方言が存在します。なかでも標準語とされる「The Queen’s English/クイーンズ・イングリッシュ(容認発音)」は、もともと上流階級の人たちが使う発音でした。伝統的に英国放送協会(BBC)の放送基準に採用されていることから、BBC英語とも呼ばれます。

イギリス国内でこのクイーンズ・イングリッシュを使う人口は減ってきているものの、国際的に使われているのはこちら。イギリス人が国外の人と話すときに、意識的にクイーンズ・イングリッシュを使うケースもあります。

イギリス英語の特徴

Telephone Booth Red London - Free photo on Pixabay (136928)

イギリス英語は発音や文法に忠実であることが大きな特徴です。アメリカ英語に比べると、省略などはあまりしません。一般的に丁寧な表現が多く、上品な印象を与えることができます。

日本の英語教育で習うのはアメリカ英語ですが、じつは世界で見てみるとイギリス英語を採用する国が多数派です。イングランド、スコットランド、ウェールズをはじめヨーロッパ諸国、オーストラリア、ニュージーランド、インドなどはイギリス英語が使われています。逆にアメリカ英語を使っているのはアメリカや南米、フィリピン、日本など少数です。

世界各国の代表が集まる世界会議でも、採用されているのはイギリス英語の語彙。世界的にはイギリス英語が主流になっています。

アメリカ英語との違い

American Books Boxes - Free photo on Pixabay (136926)

イギリス英語とアメリカ英語では、発音・表現・綴り・単語の意味などに違いがあります。それぞれの特徴をご紹介しましょう。

発音の違い

イギリス英語とアメリカ英語の一番の大きな違いは発音です。イギリス英語はノン・ロウティック・アクセント、アメリカ英語はロウティック・アクセントとされています。日本人が苦労する「R」の発音、アメリカ英語でははっきりと発音しますが、イギリス英語ではあとに母音が続かなければ発音しません。

たとえば同じ「George(ジョージ)」という名前でも、イギリス英語は「r」を発音しないのが特徴。日本語の「ジョージ」に近い発音です。逆にアメリカ式では、しっかりと「r」の音をこもらせて発音します。

もうひとつ、代表的な例が「Water (ウォーター)」です。アメリカ英語では「t」をほとんど発音せず、「ウォラー」というように発音します。しかしイギリス英語は子音をしっかりと発音するため、「ウォター」という発音に。この場合も、どちらかというとイギリス英語のほうが日本語に近い発音になります。

表現の違い

イギリス英語では過去形と現在完了形を使い分けますが、アメリカ英語では過去形での表現が多くなります。

【例文】
・イギリス英語
I have already met her on Monday.
(私は月曜日に彼女に会いました)
I have already had lunch.
(私はもうすでにランチを食べました)
Have you got a pen?
(ペンを持っていますか?)

・アメリカ英語
I already met her on Monday.
I already had lunch.
Do you have a pen?

イギリス英語だと「already」や「yet」などの副詞を使う場合には、現在完了形を使うのがルールです。一方のアメリカ英語は、過去形で使用しても問題ないとされています。特に口語では、過去形が使われるケースがほとんどです。

またイギリスとアメリカでは「shall」の使い方が異なることもあります。

【例文】
・イギリス英語
I shall/will work hard on next Friday.(未来形「will」の代わり)
(次の金曜日は一生懸命働くつもりだよ)
Shall I help you?
(手伝いましょうか?)

・アメリカ英語
I will work hard tomorrow.
Should I help you?

スペルの違い

イギリス英語とアメリカ英語には、同じ意味でもスペルが微妙に違う言葉があります。たとえば以下のような単語です。

・色
イギリス英語 colour(カラー)
アメリカ英語 color(カラー)

・映画館
イギリス英語 theatre(シアター)
アメリカ英語 theater(シアター)

・謝る
イギリス英語 apologise(アポロジャイズ)
アメリカ英語 apologize(アポロジャイズ)

このようにイギリス英語とアメリカ英語には、まぎらわしく、しかし明確な違いがあります。どちらの英語を学ぶとしても、違いを知っておくことでより理解度が深まるでしょう。

イギリス英語ならではのフレーズ

老人 長老 話します - Pixabayの無料写真 (136982)

イギリス英語のネイティブによく使われるフレーズと、その使い方をご紹介します。イギリスに滞在する機会があれば、一度は耳にするでしょう。

Have a lovely week end.
(良い週末を)

イギリス英語では、「Good」や「Great」「Nice」などの代わりに「love」「lovely」をよく使います。たとえばショッピングのとき、店員さんから「Thank you, love.(どうもありがとう)」と声をかけられることも珍しくありません。「素敵」「いいね」というときにもラヴリーを使うと、イギリス人の話すような英語になります。

イギリス文化を反映したフレーズも

少しクラシックな表現ですが、イギリスの文化を反映した言い回しにこのようなものがあります。

I need to spend a penny.

直訳すると「ペニーを使わないと」という意味になりますが、これは「トイレに行ってくる」という意味。ペニーはイギリスの一番小さな通貨の単位です。その昔、公衆トイレに行くのにペニーを払う必要があったため、「トイレに行く」がこのような言い方になりました。「トイレ」という直接的な表現を使わないところに、イギリス英語らしさを感じられます。

イギリス英語、アメリカ英語、どちらの英語を学習すべき?

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イギリス英語もアメリカ英語も同じ英語であり、どちらが文法的に間違っているということもありません。好きなほう、学びやすいほう、今後に活かしやすいほうを選ぶと良いでしょう。周囲にアメリカ人が多ければ、アメリカ英語を学んだほうが知識を活用できます。もちろん逆も然りです。

それよりも、どちらかの英語を学ぶ過程でふたつの違いを知ることが大切になります。「まったく別の言語」というわけではないため、どちらかを習得できれば他方の勉強も進めやすいはず。最終的にはイギリス英語とアメリカ英語の両方がわかるようになると、国際人としての幅が広がります。

世界各国で使われている英語

Globe Map Country - Free photo on Pixabay (136924)

英語はイギリス英語・アメリカ英語と大きく二分化できますが、国や地域によっても多少表現が変わってきます。しかし根本的な部分は変わりません。まずは自身の環境に活かしやすい英語を学んでいきましょう。世界の共通語を話せるようになれば、コミュニケーションをとれる人の数も増え、ぐっと視野が広がるはずです。

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