2020年から小学校で必修化される方向で調整が進む、プログラミング教育。前回お届けした「小学校のプログラミング教育開始前に、親が心得ておきたいこと」に続き、プログラミング教室「ワオラボ」で、「プログラミングで身につく力」についてお話をお伺いしました。
前回の記事はこちらから
小学校のプログラミング教育開始前に、親が心得ておきたいこと – Chiik! – 3分で読める知育マガジン –
プログラミング教育で子どもたちに身につく能力は?
モノの仕組みがわかるようになる!
関西を中心に展開するロボットプログラミング教室「ワオラボ」では、実際にこういった生徒が登場しているのだそう。
「ある生徒がエアコンを見て、『これって何でできているの?』と聞いてきたんです。コンピュータとモーターとセンサーだよ、と答えると、その生徒は『それなら自分でも作れそうだ!』と思ったようで、その仕組みを一生懸命学んでいましたよ」と語るのは、ワオラボ講師の栗谷さん。
家電はこれまで買って使う物だったはずなのに、プログラミングを学ぶことで、モノを作る側の感覚を得た良い例だといいます。
プログラミングが表現のツールになる
プログラミングも、絵を描く、文章を書く、楽器を弾く、工作をするなどと同じように、一つの表現方法です。
「私たちが思っている以上にいろんなジャンルのいろんなモノを作ることができる。それが、プログラミングの優れているところだと思っています」とワオラボを運営するワオ・コーポレーション開発室の小林さんは教えてくれました。
ただ、思い通りに表現するには、一定のスキルや練習も必要とのこと。すぐに使いこなせるわけではないですが、プログラミング学習を通して新しい表現方法を身につけられるのは、子どもたちにとって大きな利点だといえるでしょう。
トライ&エラーが自然にできる
私たち大人も、「間違ってしまったらどうしよう」「失敗したらやり直せない」などの気持ちが働いて、消極的になってしまった経験はないでしょうか。子どもたちの成長や能力アップに欠かせない試行錯誤の過程が、プログラミングなら自然と習慣づき、上手にできるようになります。
AI時代を生き抜く力の素地ができる
2045年には、AIが、今ある仕事の半分を担うようになるといわれています。
そうなれば、私たちの役割は劇的に変わるはず。AIは記憶量や情報処理の速さにおいて、人間よりも優っているので、同じことをやれば人間は負けてしまいます。
栗谷さんによると、「勉強した内容をそのまま答えられるだけではダメ」だそう。例えばテストで一問一答があったとして、それを正確に・速く・膨大な数をこなすなら、それはAIにもできること。しかしAIは、人間のように考えたり感じたりして、新しいモノや価値を見出すことはできません。つまりこれからは、人間の役割や仕事は「生み出すこと」にシフトしていくと考えられています。
これからの子どもたちには、AIと共存し、活用していく力がだんだんと求められるようになります。自分で試行錯誤しながら新しいモノを生み出していくプログラミング学習。そこで培われる想像力と創造力は、来るべきAI時代に必ず役立つはずです。
プログラミングが子どもたちの可能性を拡げる!
表現方法としてのプログラミング。
イメージを形にしていく力を養えるプログラミング。
今回の取材では、そのスキルを学ぶ以上に、プログラミング学習には子どもたちの大きな可能性を拡げる重要な要素があるということがわかりました。2020年まであと少し。この記事を読んで、プログラミング学習のスタートが、パパママにとっても楽しみなことになってくれたなら嬉しいです。