2023年10月02日 公開

勉強が好きになる!目標達成力の伸ばし方「書き出し計画表」のススメ

学業、スポーツ、芸術、どの分野でも、頭角を現すのは「目標達成力の高い人」。子どものうちに目標達成力を鍛えるなら「毎日の家庭学習」に、計画表を取り入れることをおすすめします。今日、勉強することを書き出し、実行していくことで、学習意欲が育ち、成績もアップします。

「テスト前日にしか勉強しないせいで、理解が浅く、成績も振るわない。計画的、継続的に勉強して成績をあげて欲しい。」

「学年が上がるたびに算数のテストの点数が下がる。モチベーションが保てずに算数そのものが嫌いになってしまっている。」

お子さまの学習面の目標達成力、学習意欲の低さに悩む親御さんは多いかと思います。

目的に向かって、やるべきことにコツコツ取り組み、それを達成する能力「目標達成力」。学業、スポーツ、芸術、ビジネス・・・どの分野においても、頭角を表しているのは目標達成力が高い人です。

自分で将来の目標をしっかり持つこと、そして後は、それに向かって一生懸命、一生懸命、努力してくださいということです。
目標がしっかりしていますと、途中でいろいろ苦しいときがあっても、必ず目標は実現します。

引用:リチウムイオン電池開発者・吉野彰氏(2,019年ノーベル化学賞)「滝ノ沢小学校卒業児に贈る言葉」2020年

そりゃ、僕だって勉強や野球の練習は嫌いですよ。
誰だってそうじゃないですか。
つらいし、大抵はつまらないことの繰り返し。
でも、僕は子供のころから、目標を持って努力するのが好きなんです。
だってその努力が結果として出るのはうれしいじゃないですか。

引用:元メジャーリーガー・イチロー選手がオリックス時代に受けた取材での発言,児玉光雄『継続する力』幻冬舎,2009より

目標達成力の高い人は、自分で目標を立てて、乗り越えていくことを繰り返します。その結果、能力が上がり、勝負に勝てたり、成績が上がったりすることが増え、自己肯定感と自己効力感も高くなるのです。

この記事では、目標達成力を養いながら学力を伸ばす方法を紹介します。
具体的な目標を決め、自分で決めた課題をこなしていくことで、自学力(自ら課題を見つけ、学習する力)も育てます。

目標を具体的に明文化することが”目標達成力”を育む

メジャーリーガー大谷翔平選手で話題となった目標達成シート(マンダラチャート)。「目標(成し遂げたいこと)」、「目標をかなえるために必要な要素」、「要素を身につけるためにやるべきこと」を書き出すことで、目標に使づく最短ルートが見えてくるものでした。

大谷選手が高校一年生の時に書いた目標達成シートには、

目標:「8球団からのドラフト1位指名」
必要な要素:人間性、メンタル、体つくり、コントロール等
やるべきこと:サプリメントを飲む、体幹強化、ゴミ拾い等

のように、具体的な目標設定と取り組むべきことが明確に書かれていました。

「目指すものにたどり着くために必要なこと」を明確にすることが、目標達成力を育てます。

漫然とした「算数の成績を上げたい!」という目標よりも、「1学期の算数のテストの平均点を80点以上にする。」という目標にすることで、モチベーションが高まります。
今までのテストとの向き合い方を見直したり、つまずきポイントを分析したりする機会も増えるので、意欲的に取り組むようになります。

目標達成力を伸ばす家庭学習法

学力を伸ばす、成績を上げる、の目的は、お子さまが描く理想の将来像に近づくこと。または、つける職業の選択肢を増やすためではないでしょうか。

「宇宙飛行士になりたい!」

「○○大学(中学、高校)に行きたい!」

「今学期の5教科の成績表をすべて◎にする。」

将来や勉強に関する目標の大小はあれども、基本は「毎日の目標=自分で決めた家庭学習」をクリアするところからスタートします。
毎日の家庭学習を「達成すべき目標」とすることで、目標達成力だけではなく、分析力・問題可決能力・継続力も培われます。

まずは毎日の家庭学習の内容を、現時点のお子さまの習熟度に合わせて、決めます。ただし、自分の心の中で決めるだけではなく、紙に書いて明文化すると良いでしょう。

【準備するもの】

・家庭学習に使う教材(学校のドリル、市販のドリルや問題集、参考書、通信教育など。解説も問題も多いものがおすすめ。)

・ノート(形式自由)

ステップ1.今日の学習の目標をノートに書く(できるだけ具体的に)

例えば、
算数:通分を克服するために、練習問題を全問正解する。
算数:(食塩水の問題)図を書き、途中式を省略しないで解く。

国語:長文読解テストを30分で解く。
国語:明後日の漢字テストで100点を取るために、範囲内の漢字プリントで模擬テストをする。
のように、課題や目標時間を細かく書くと良いですね。

ステップ2.ドリル、問題集などの教材を解いて、答え合わせをする

漢字誤り、ケアレスミスも見逃さず、厳しく採点すること。
学校低学年以下で、親に褒められることでモチベーションが上がる子の場合、親御さんが採点しても良いでしょう。

ステップ3.間違えた所のできなかった理由を考察し、改善点を導く

例えば、
算数:問題文を理解できていなかった。→問題文を落ち着いて読む。
長期的に取り組む対策として、就寝前に読書をする。

国語:音が同じ漢字と間違えた。→同音異義語を確認する。
のように、間違えてしまった理由を自分で考えて、対策も自分で決めます。

ステップ4.間違えた問題を解き直したり、間違えた問題の類題を解いたりする

できていない所を重点的に学習して、今日時点での苦手を克服する。
タブレット教材は、間違えた問題のみノートに書き出し、ノートで解き直しをすると良いでしょう。

【実体験】毎日の学習計画表で目標達成力をつける

中高一貫校の中学1年である筆者の娘。小学校の頃は、夏休みの宿題や受験期以外の家庭学習は計画的に勉強していませんでした。
夏休みの宿題や受験期以外の家庭学習は計画的に勉強していませんでした。
しかし、中学では毎日、学習計画表を出すことが義務となりました。
学校指定の学習スケジュール帳に「今日の学習と明日の学習目標」を書き、取り組んだ学習内容を具体的に書かなくてはなりません。

毎朝、ホームルーム時に担任に提出。確認後、帰宅前ホームルームでスケジュール帳が返却され、学習内容やスケジュールの組み方について口頭や書面でアドバイスを受けます。

「なぜこの学習内容にしたのか?」
「代数の復習の時間を増やすべきだ。」
など、具体的な確認や指摘があるので、適当に書くことができません。

小学校の時よりも、計画的に勉強するようになりましたし、書き出すことで「何をすべきか(自分の弱点はどこか?)」がよくわかるので、面倒ですが良い取り組みだと思います。

勉強時間以外も見直すことで生活リズムが整う

学習スケジュール帳には、勉強以外のスケジュールも書きます。起床時間、学校にいる時間、課外授業、習い事、遊び・・・開始時間、終了時間を記入することで、その行事や取り組みの、1日に占める割合が目に見えるようになります。

この計画表は毎週末、自分で総括をするのですが、娘は毎回気づきがあります。
「ゲームやSNSの時間が多過ぎるせいで就寝時間が削られている。」
「夕食前に塾の予習ができそうだ。」
など、生活や学習のリズムを見直すきっかけとなっていました。

はじめは「なんで、プライベートのことまで学校に報告しないといけないのか?」と、親子共に不満を感じていました。細かくスケジュールを確認することで、子どもの自己管理能力を育てていたのだと実感しています。

目標を積み重ねれば定期テストも息切れナシ

定期テスト前にも、中間テスト学習計画表や期末テスト学習計画表を提出します。
各教科の目標点を決め、それに到達するために必要な学習を書き出し、テスト前日までのスケジュールを決めます。毎日、実際にどのくらい勉強できたかも記入します。

そして後日、テスト結果と照らし合わせて、考察します。分析結果と改善点を書き、それを見た保護者の意見と共に、担任に提出します。
自分の苦手教科、単元に向き合えるので、復習すべき箇所がはっきりわかります。保護者も子どもの学習進捗状況がよくわかるので助かります。

計画表に書き慣れる6月くらいまでは、面倒臭がっていた娘。しかし毎日、自分でやるべきことを決めて、それをやり切ることで達成感や自己肯定感を感じられるようで、家庭学習に意欲的に取り組めるようになりました。

臨機応変に軌道修正する力もついた

部活、委員会、資格試験の講習、課外授業などで放課後の時間が限られています。

「幾何P.54 STEP3まで終わらせる。」
「生物ワーク P.21 問5まで見直し。」
などと、具体的に決めた「その日の学習スケジュール」をこなすことができない日もあります。

また学習内容が難しかったり、苦手だったりすると時間がかかってしまいます。
しかし、ほぼ毎日、各教科の小テスト、ないし中テストがあるため(テストは前日、前々日の復習であることがほとんど)、決めた学習内容は一通りやらなくてはなりません。

そうなってくると、学習内容の中から「重要な箇所」、「苦手な箇所」をピックアップして、該当箇所の解説を見直したり、練習問題を多めに解いたりするという、工夫が必要になります。

効率よく勉強するために、解説を頭の中で要約して、必要な問題を選ぶことは集中力読解力を鍛えます。限られた時間内で、理解して記憶しようとするので学習定着率も良くなりました。
小・中テストの平均点80点台、1学期の学年順位1桁をキープできたので「日ごとに軌道修正しながら、目標達成する」学習法は、娘に合っていたようです。

さまざまな勉強方法でアプローチしよう

「英単語や漢字をひたすら繰り返し書く。」
「計算ドリルを解き続ける。」
「植物の部位名を書いて覚える。」
書く、集中する、我慢することが必要な学習法ほど、学力がつくような気がします。
確かに手を動かす学習は、定着度が高いのですが、子どもの意欲が低かったり、疲れていたりする場合は逆効果になることも。

さまざまな学習法で勉強することで、学習意欲も記憶力も高まります。
例えば、漢字であれば、意味を考えた上で、分解して覚えれば、何度も書かなくても覚えられるでしょう。「総」=糸へん+公+心、「警」=敬+言のように覚えたり、その漢字を使った文章を考えたりして書くと良いでしょう。

計算練習も、「新一年生に教えるつもりで解き方を考える。」、「百ます計算を時間制限アリで行う」など、思考力や緊張感を高める学習法をいれていくことで、飽きずに楽しみながら取り組めます。

社会や理科の用語を覚えるなら、「マーカーで線を引いた後、音読をして、すぐに練習問題に取り組む」のように、複数の学習を一気にやるのもおすすめ。音読と思考を組み合わせることで、記憶に残りやすくなります。

家庭学習に遊びと変化を与える教材5選

親子や兄弟でコミュニケーションを取りながら、楽しく学べる「幼児~小学生におすすめの国語・算数・理科・社会・英語の教材」をご紹介いたします。パズルやゲームの要素のある、遊べる教材が、論理的思考力・語彙力・知的好奇心を養います。
マンネリになりがちな家庭学習に変化が生まれ、日々の学習目標も達成しやすくなりますよ。

【幼児~小学校中学年向け】算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ

タイトル:算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ
著者:田邉 亨 (著), 伊豆見 香苗 (イラスト)
出版社:学研プラス

ゲーム感覚で楽しく計算力、語彙力、論理的思考力が鍛えられる「ヒマつぶしドリル」。
算数オリンピックの金、銀、銅メダル受賞者を輩出する「算数に特化したりんご塾」のプリント教材をまとめています。

数字つなぎ、てんびんパズル、漢字パズル、慣用句めいろ・・・いろいろなパズル教材で遊ぶうちに、算数の力と国語の知識が身につきます。
ドリルと言うと、毎日、計算や漢字の書き取りを地道に続ける「遊び要素ゼロ」のものも多いですが、これは子どもが進んでやりたくなるドリルです。

この他に『算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ふつう (ヒー&マーのゆかいな学習)
』と『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ちょいムズ (ヒー&マーのゆかいな学習)』もあります。

【幼児~小学生向け】新版 98部首カルタ (漢字がたのしくなる本)

商品名:新版 98部首カルタ (漢字がたのしくなる本)
メーカー名:太郎次郎社エディタス

よく使われる98の部首と、その成り立ちと、その部首に分類される500字の漢字をカルタ遊びでマスター。

「人のじが ひだりに よると にんべんだ」
「きものきた えりの かたちの ころもへん」
のような、部首の成り立ちを説明する「よみ札」と、部首とそれを使った漢字が書かれた「とり札」で、漢字の形と意味を同時に覚えていきます。

中学受験専門塾・伸学会代表 菊池 洋匡著『小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』実務教育出版,2020においても、「漢字がパーツの組み合わせでできているのが理解できる部首トランプ」として紹介されています。

【幼児~小学校低学年向け】PlayShifu Orboot Earth

商品名:PlayShifu Orboot Earth
メーカー名:Shifu

アプリと連動して、世界の建造物、文化、動物などを音声と映像で学べる「体験型 3D地球儀」。
「見て、触れて、聞いて、体験する」ことで、地理だけではなく、世界の文化・歴史・自然などに興味を広げていきます。
文化、料理、記念碑、発明、動物、地図の6つのカテゴリーの、400種類以上の知識と1000種類以上の楽しいストーリーを、地球儀で国の場所を確認しながら学習できます。
パスポート、スタンプ、ステッカーなど、旅気分が味わえるトラベルキットつき。パズルやアクティビティに挑戦してコインをゲットすることで、目標達成力が育まれます。

【小学生以上向け】科学実験でスラスラわかる! 本当はおもしろい 中学入試の理科

タイトル:科学実験でスラスラわかる! 本当はおもしろい 中学入試の理科
著者:尾嶋 好美
出版社:大和書房

「折り紙を使った植物の種の模型作り」
「音の伝わる仕組みを学べる紙コップギター」
など、家にある材料でできる科学実験を体験することで、考える力を養い「地頭を良くする」理科本です。
実験を検証して、中学受験問題にチャレンジすることで「難問を解く面白さ」に気づけます。
科学のふしぎを、自分で調べることが知的好奇心を高めます。膨大な中学受験理科の知識も楽しく覚えられるはず。

【幼児~小学校低学年向け】Shifu Plugo Letters

商品名:Shifu Plugo Letters
メーカー名:Shifu

英語の読み方の基礎を学び、英語の語彙力を育める「 スマホ・タブレット連動型 英単語学習教材」。 5種類の体験型ゲーム、250種類以上の課題がある Plugoアプリを使うことで、学力レベルに合わせた無理のない学習ができます。

日本人にはわかりづらい「英単語の綴りと発音の法則」。音を聞きながら、アプリの映像を見ながら、感覚で覚えていきます。
アルファベットカードを、自分で並べて単語を作ることで、形容詞、名詞、動詞、母音など、言語における概念も自然に身につきます。

どんな目標でも達成できたら褒めよう!

親から見て、簡単に見える目標や小さく見える目標でも、子どもが決めた目標である以上、否定的な発言はせず、目標達成を見守ります。
「自主学習ノートをきれいに書く。」よりも、「自主学習優秀者に選ばれる。」の方が、大きな目標に感じるかもしれません。
また「毎朝、5分間ドリルに取り組む。」よりも「毎日計算プリントを5枚やる。」の方が、より学習効果が高いと思うかもしれません。

しかし、目標達成力は「確実にやり遂げたこと」の繰り返しで育ちます。達成しづらい目標を立てて、挫折感を味わい、自己効力感を下げてるくらいなら、「達成しやすい目標」をクリアし続けていく方が目標達成力は伸びます。
毎日、目標を達成して自己肯定感と自己効力感を上げることが、次の目標へ向かう意欲となります。

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この記事のライター

KOMETA
KOMETA

ライター業と服飾関係のフリーランスで働く兼業主婦です。南関東在住。小6・秋に中学受験を決意した娘の数カ月間の奮闘をまとめました。途中生活リズムが崩れたり、情緒不安定になったりもありましたが(親子共に)、無事、志望校の私立中高一貫校に合格。中学受験のスタートが遅れてしまった、受験が近づくにつれて自信がなくなってきた、勉強のモチベーションが保てない…親御さん、お子さま方の不安が解消出来たら嬉しいです!