恐竜への興味が湧いてきたら、シリーズ絵本を読んでみませんか?恐竜には詳しくなりたいけど種類が多くて難しい……。そんなときは、何かコアになるものを選んでシリーズで読み続けるのがおすすめです。恐竜の生活や暮らしていた時代について楽しみながらぐっと詳しくなれますよ。
宮西達也さん作:深イイ話ばかりの「ティラノサウルスシリーズ」
著者:宮西 達也(作) 宮西 達也(絵)
出版社:ポプラ社
本来、ティラノサウルスは獰猛な肉食恐竜なのですが、宮西達也さんの描くティラノは少し違います。イラストもキャラクター風でお話も友情、愛情、優しさと勇気の詰まったピュアなストーリーばかり。凶暴なものはイヤ!というパパママもご安心ください。
このシリーズは、既刊14冊。毎回違った恐竜とティラノサウルスの出会いが描かれており、1冊ずつ読み進めるうちに親子で随分恐竜の種類を覚えていました。
なかでもどれか1冊!と言われれば、まずは宮西ティラノらしさの詰まった『おまえうまそうだな』を選びます。また『わたししんじてるの』には、たくさんの種類の恐竜が出てきます。どの作品もやや長めなので、時間をたっぷりとって読み聞かせてくださいね。
思わず目頭が熱くなる、親子で読みたい深イイお話4つ
恐竜博士・黒川先生による冒険物語「恐竜トリケラトプスシリーズ」
著者:黒川みつひろ(作・絵)
出版社:小峰書店
トリケラトプスを物語の中心に据えているのが、こちらのシリーズです。草食恐竜・トリケラトプスの一団が、毎回仲間たちと冒険の旅に繰り出します。みどり豊かな新天地を求めてさまよったり、肉食恐竜と戦ったり、他の恐竜と助け合ったりと、さまざまな出会いや出来事が待ち受けています。
おすすめポイントは、肉食恐竜めがけて体当たりするトリケラトプスがなんといっても強くてカッコイイところ。イラストが、色鮮やかで可愛らしいのに、迫力満点なところ。そして、恐竜の長い名前をうまく愛称にしているところです。
例えば「ダスプレトサウルスのダス」「プテラノドンのプテラぼうや」という風に、覚えにくいカタカナ言葉が、あっという間に子どもにも親しみやすいキャラクターになるのです。
巻末にある恐竜の詳しい解説や、黒川先生の後書きも見逃せません。生息地や骨格などの情報から作品の補足説明やお話のこだわりなど、著者のあふれんばかりの恐竜愛に、親子ですっかりファンになってしまいました。
イグアノドンの成長を描いた本格作品「きょうりゅうペペのぼうけんシリーズ」
著者:ヒサクニヒコ
出版社:そうえん社
何より、この面白さは、主人公のペペが体も心もどんどん成長していくこと!成長に伴う役割の変化も見てとれ、群れで暮らすイグアノドンの生活が手に取るように伝わってきます。挿絵も丁寧で、トンボやカタツムリ、キノコなどがこの時代にあったのか~と、子どもが見つけて感激していました。
もうひとつのペペシリーズの売りは、ハッピーエンドばかりでなく、自然の驚異や仲間の死など、恐竜世界に生きる厳しさをもテーマにしていることです。火山の噴火や大雨は、ペペたち恐竜の生活にどんな変化をもたらすか?など学びの多い作品でした。明日に向かって懸命に生きるペペはとても力強く、親子でハラハラドキドキしながらも勇気をもらえるお話です。
なお、他のシリーズはそれぞれ独立完結していますが、ペペシリーズは1巻からお話が続いていきますので、順番に読み進めることをおすすめします。
すべてのやんちゃな恐竜好きっ子に贈る、NY発「きょうりゅうたち」シリーズ
著者:ジェイン・ヨーレン(文)、マーク・ディーグ(絵)、なかがわちひろ(訳)
出版社:小峰書店
牛乳をぶくぶく泡立てて飲んだり、鼻水のティッシュをぽいぽい床に捨てたり、寝たくなくて駄々をこねたり大騒ぎしたり……!わが子だとイライラっとするような瞬間も、可愛い恐竜がユーモアたっぷりに演じているとなんとも憎めません。こちらの絵本は息子たちの大のお気に入りで、毎度大笑い。
恐竜というよりも子どものしつけの本に近いかもしれませんが、1冊に10匹ほどの恐竜が登場。同じ恐竜は出てこないので、シリーズで50匹以上に出会えます(マイナーキャラクターも多数です!)。人間と恐竜のサイズ感もよくわかるなど、恐竜好きには見どころ盛りだくさんのシリーズです。