「小学校受験」と「腹筋」。一見、何の関連もなさそうなこの2つの言葉。しかし、実は腹筋を鍛えておくことは、小学校受験ではとても役に立つのです。腹筋が強いことがどんなメリットをもたらすか、そしてどうやって腹筋を鍛えるかをご紹介します。
お受験をさせてはじめて知ったこと
小学校受験の考査内容は幼児にとっては特殊なものです。
例えば、行動観察では「普段の様子がわかる」といいますが、いつも一緒に遊ぶ仲のいいお友達とのやりとりが試験になることはありません。言葉を選ばずに言えば、行動観察で見せる「行動」は、練習を重ねた「演技」のようなものなのです。
塾に通っていなかったわが家では、模試や短期講習を受けるたびにお受験の世界と我々の日常とは全く異なるんだと痛感しました。中でも驚いたのは、ある塾で行動観察対策の一日講座を受けたときのこと。担当講師に「腹筋などの筋力が非常に強いですね」と褒められたことです。
腹筋?どこに注目しているの?受験と何の関係が!?とびっくりしたことを覚えています。
腹筋が強いと運動の考査で有利
この時の講習では運動の項目があり、マット運動や鉄棒、クマ歩きなど受験でよく出る運動を一通り行いました。特に鉄棒では、娘のミヤピーは目を見張る動きを見せたと後から聞きました。
鉄棒の場合、逆上がりで苦労されるお子さまが多いです。しかし、娘は腕と腹筋を使って勢いをつけずにくるりと回ったそうです。
逆上がりのイメージとしては勢いをつけて足を高く上げると思い込んでいたのですが、腹筋の力が重要なのだということをはじめて知りました。私自身は逆上がりができないのでコツがわからないのです。
その他、マット運動でもぐらつかずにポーズをしっかり決めたりして、体幹がしっかりしていると言われました。
クマ歩きも腰をしっかりと支える筋力がないとフォームが崩れてしまいます。腹筋が幼児の運動能力にこれだけ差をつけるということをはじめて知りました。
腹筋が強いとペーパー試験でも有利
運動と腹筋が関係あるのは想像できることかもしれませんが、実は、講師の先生からは、腹筋を鍛えておくとペーパー試験にもいい影響がある、ということも聞きました。
腹筋が鍛えられていると椅子に座ったときに上半身が沈まず、長時間姿勢をキープできます。ペーパー試験をやるときにも姿勢がよくなるので見た目もきれいです。さらに、疲れにくく机に長時間向かっていても割と大丈夫なのです。
私は、講師の先生からこの話を聞くまで、娘が長い時間しっかり椅子に座れていることが特別だとは思っていませんでした。慣れていなかったり筋力がついてないと、ペーパー試験を受けるのも大変なのか、と知りました。
どうやって腹筋を鍛えるか
娘は塾に通っていなかったので、あえて筋力をつけるためのトレーニングはしていませんでした。
その割に腹筋が強くなったワケを考えてみたところ、いくつか思い当たることがありました。
バレエ
姿勢を良くする意味でも、所作の上でも、特に女子校を受験するお子さまにおすすめと言われる習い事が「バレエ」です。
娘の場合は、レッスンは週に1回でした。とはいえ、レッスン中は常に姿勢を正すことを強要されます。レッスンを続けていくうちに、娘本人は背筋をピーンと真っ直ぐ伸ばすことを、言われなくても意識できるようになっていきました。
わが家は受験のためではなく偶然習っていただけでした。しかし、腹筋をはじめ全身の筋力や体幹を鍛えることにとても役に立ったと思います。
起き上がりこぼしの動き
私達夫婦がたまにヨガを習っていて、娘も一緒に教室に来ることがありました。そのとき、ヨガの先生が娘に「起き上がりこぼし」を教えてくれ、娘は楽しそうに何度もやっていました。
軽々とやってのける娘を見て、「私もやってみよう」と真似をしました。でも、勢いだけではうまく起き上がれませんでした。自分でやってみて感じたのですが、この動きはかなり腹筋を使うのです。
遊ぶ感覚で「起き上がりこぼし」の動きをやる娘。きっと、この動きのおかげで娘の腹筋はかなり鍛えられたのでしょう。
手押し車
2人ペアで、前の1人が腕を立て、後ろの1人が前の人の両足を持って進む手押し車。保育園で娘は友達と一緒によくこの「手押し車」をしていました。自宅でも私や夫と一緒に、「手押し車」をして遊んでいました。
腕はもちろんですが、体をまっすぐに保つために腹筋を使う遊びです。娘も、相当腹筋を鍛えられただろうと想像します。競争をしたり障害物を用意して、ゲーム感覚で楽しみながらやってみてはどうでしょう? 腹筋を鍛えるのに役立つはずです。
雑巾がけ
行動観察では、「雑巾」にまつわる指示がよく出題されます。わが家では受験対策とお掃除を兼ねて、雑巾がけを休日に娘によくやってもらいました。これも、体幹がしっかりしていないとふらついてしまってうまくできないんです。
練習するときは、フローリングの板に合わせて拭くなど、まっすぐきれいに拭けるよう何か指標があるといいと思います。家がきれいになって、しかも腹筋も鍛えることができて一石二鳥です!
お掃除にまつわる考査対策「『お受験』はじめました!」vol.44 – 知育と幼児教育が3分でわかる|Chiik(チーク)マガジン
鍛えて損はない「腹筋」
ちょっと頑張ったからといって、筋肉がすぐ鍛えられないことは、きっと皆さんもよくわかっているでしょう。ただ、スポーツの世界ではよく聞く言葉ですが、「筋肉は裏切らない」は本当です。コツコツとでも、鍛えていけば必ず応えてくれるのが筋肉です。
筋肉がしっかりあると、受験考査のときはもちろん、小学校に入ってからも体育で活躍できるなど、役立つ場面が多いですよ。お手伝いや普段の遊びのとき、腹筋を鍛えることを少し意識してみてください。続けることが大事ですよ。
それでは次回もお楽しみに!