小学校高学年にもなると、中学受験をするかどうか悩むことも……。中学受験をしないと決めた場合、学習面でどのような取り組みをすればいいのでしょうか?家庭学習や塾選びをはじめ、筆者の長男の体験から、小学生の間におさえておきたいポイントをご紹介します。
中学受験しないメリットは?
習い事を続けられる
そのため、小さい頃から続けてきた習い事をやめざるをえない場合も。実際に、長男の所属するサッカー部の中学受験組は、5年生になると休みがちになり、5年生の終わりから受験終了まで休部することになりました。
習い事によっては、高学年になってから伸びてくる場合があり、中学受験をしないなら、子どもは好きな習い事を続けられます。
友だちとの遊びを通してたくさんの経験が得られる
仲良くなれば、お互いの家を行き来することも多くなり、親は子どもがどのような友だちと仲良く遊んでいるのか、わが子を含め、同世代の子どもの考え方を実際に耳にすることも。
小学校の高学年になると、反抗期がはじまる場合もありますが、友だちを連れて自宅で遊んでいるときの会話から、子どもの普段の様子がよくわかります。
勉強にかける費用がおさえられる
中学受験対策の塾としては、進学塾大手・四谷大塚も有名ですが、四谷大塚の月額受講料(4教科)を参照してみると、4年生は3万3,000円、5年生は4万1,000円、6年生前期は5万2,500円、6年生後期は7万2,500円かかります。それ以外にも、教材費やテスト代などが必要です。
中学受験しないと決めたわが家の長男(5年生)も塾には通っていますが、月に1万2,000円程度。その分、他のことに費用をかけることができます。
教育費が家計にやさしい
文部科学省の調査によれば、1年間にかかる学習費の総額は私立中学で132万7千円、公立中学で47万9千円。私立中学は公立中学に比べて約2.8倍です。学校教育費、学校給食費、学校外活動費(塾・習い事)も含まれます。
個人差はありますが、中学3年間ともなれば、かなりの違いになるのではないでしょうか。
子どものペースで勉強できる
筆者の長男は、やや苦手な国語だけを個人塾で1年半みっちり学習。算数が好きだったので、夏休み・春休みだけは算数を加えてメリハリをつけました。
子どもの得手不得手、子どものペースに合わせて勉強に向き合えるのは、中学受験しない大きなメリットといえるのではないでしょうか。
中学受験しないデメリットは?
学習時間が少なくなる
しかも習い事がない日は、遊びやゲーム、テレビなどに費やす時間が長くなりがちに。宿題だけでなく、塾や通信教育、ドリルなどを取り入れるなど、自主的に勉強時間を捻出しなければなりません。
時間の使い方を学びづらい
中学受験せずに習い事をたくさんしている場合、ある程度、時間のやりくりが必要ですが、中学受験という大きな目標を達成する子どもより、時間管理の能力が学びづらい傾向にあると感じています。
中学の部活と高校受験の両立が難しい
早朝や放課後、土日、夏休みなども活動があるため、学習時間の確保のためには、睡眠や遊びの時間を削る、または希望する部活ではなく、活動日が少ない部活を選ぶなど、妥協が必要な場合もあります。
中学受験しない小学生の学習方法とは?
苦手科目があれば小学校卒業までに克服する
高学年の学習をスムーズに進めるためには、小学校3年生までに、子どもの苦手科目を把握することが大事。学校のテストや授業参観での様子、個人面談で先生に聞くのもいいでしょう。
苦手な分野を克服するのは、簡単なことではありません。卒業までに克服できるよう、低学年のうちに何らかのアクションを起こしましょう。学校の宿題はもちろん、購入したドリルや通信教育などで、苦手な分野を親が丁寧にみるなど。カスタマイズできる個人塾に通うのも一手段です。
プラスαの学習をする
筆者は、進学塾の内容に近い通信教育を長男に選んだところ、長男自身では解くのが難しかったようで、本人もこなすのが苦になり、続きませんでした。子どものレベルにあった通信教育やドリルを選ぶのが、一番のポイントです。
また、子どもは目標のある方がやる気になるため、漢検や英検、数検などにチャレンジするのもおすすめ。長男は漢検に挑戦しているおかげで、漢字に強くなりました。
中学校の先取り学習をする
スムーズに中学校の学習をスタートさせるために、余裕があれば先取り学習してみましょう。ただし、小学校の学習内容が定着していて、苦手科目がない場合に限ります。
先取り学習が可能な公文や、親がサポートしながらのドリル学習など、先取り学習の方法はさまざま。小学校6年生になってから、先取り学習を行っている塾に通う方法もあります。
塾は行くべき?塾選びのポイントは?
わが家は3年生前半までは通信教育、その後は塾に切り替えました。ただし塾は、家庭学習に比べると費用が高く、他の習い事との時間や曜日調整が難しいといったデメリットがあります。
子どもの家庭学習が定着しない、親がフォローを負担に感じる場合は、塾通いがおすすめです。ここからは、中学受験しない塾選びのポイントをお話します。
塾で学ぶ目的を明確にする
小学校の勉強だけでは物足りない場合は、少し発展的な学習を取り入れている塾がおすすめ。公立中学の学習をスムーズに進められたり、高校受験を見据えたりといった学習内容です。進学塾のなかには、中学受験コースの他に、公立中学進学コースを開講していいることも。
また、ある特定の科目だけなのか、複数科目だけを学びたいのかもポイントです。単科目でもOKな塾もあれば、「算数・国語」、「算数・国語・英語」などセットになっている塾もあります。
いつから塾に通うか
高学年になる前に、塾の春・夏・冬休みの短期講習に行ってみるのも一案。最後に、まとめテストがあり、学力や弱点が明らかになります。どの分野を勉強すべきか、直ちに、あるいはしばらく様子をみてから学習をスタートすべきなど、親身になってアドバイスしてくれる塾もあります。
集団か個別か
発表が苦にならず、周りと切磋琢磨することで伸びるタイプは集団がおすすめです。自分のペースでじっくりと学習したいタイプは、個別がいいでしょう。
集団と個別の選択は、子どもの意見を尊重するのをおすすめします。両方とも体験して、本人がやる気になる相性のよい方を選んであげてください。
公立中学進学に向けてお子さまに合った勉強を!
ただし、公立中学に進学する前におさえておきたい学習があります。まずは、小学校で学んだことを定着させ、苦手科目を作らないこと。そのうえで余裕があれば、発展的な学習に取り組んで応用力を身につけ、高校受験に向けた先取り学習を行うことです。
お子さまがやる気をなくさないように、無理強いすることや難しすぎる問題にチャレンジさせるのは避けましょう。そのためには、お子さまに合ったドリルや通信教育、塾選びが大切です。
家族をはじめ、小学校の担任や塾の先生とも相談しながら、公立中学でスムーズなスタートが切れるように、フォローしてあげられると良いですね。