2020年05月19日 公開

外出自粛時の子どもの家庭学習と過ごし方は?【無料オンライン学習】

新型コロナウイルスにより、多くの地域で外出自粛や休校措置が取られています。ご家庭でのお子さまの学習は、どうしていますか?オーストラリアに住むわが家の子どもは、約2カ月間自宅学習を行いました。そこで役に立った無料オンライン学習サイトや、自宅学習の感想を紹介します。

新型コロナウイルスにより、多くの地域で外出自粛や休校措置が取られています。ご家庭でのお子さまの学習は、どうしていますか?オーストラリアに住むわが家の子どもは、約2カ月間自宅学習を行いました。そこで役に立った無料オンライン学習サイトや、自宅学習の感想を紹介します。

自宅にいる間の子どもの教育、どうしている?

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via pixabay.com

新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界各地で、学校や娯楽施設の閉鎖、外出規制などが行われています。日本でも、緊急事態宣言の下、外出自粛が呼びかけられ、公立の学校は休校になっている地域もあります。多くのご家庭にとって、家にいる間のお子さまの学習や活動をどうサポートするかは、悩ましい問題ではないでしょうか。

筆者の住む西オーストラリア州でも、スクールホリデーを含めた2カ月弱の間、社会活動に対する厳しい制限が取られてきました。多くの生徒は、自宅で学校から提供された学習を行う『遠隔学習』をしてきました。

筆者の小学5年生の息子も、その間自宅で勉強していました。内容は、学校がカリキュラムに沿って用意してくれた自宅学習用のプリント教材をメインにして、民間のオンライン学習をサポート的に組み合わせたスタイルでした。

今回は、『遠隔学習』の間にわが子がやっていた無料オンライン学習サイトやそれを取り入れるコツ、感想などを紹介したいと思います。

オンライン学習サイトで算数の復習

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算数は考え方を理解するとともに、たくさん練習問題を解いて、理解を深めていくことが大切です。筆者の子どもの場合は、学校から与えられた教材を解く以外に、2つのオンライン学習サイトに取り組むよう、先生から勧められました。

1つ目は、Kahn Academy (カーンアカデミー) の算数コースです。およそ小学生レベルの算数が網羅されています。それぞれの単元は、小さい項目に分かれており、説明の動画を見て、その後小テストにチャレンジするしくみです。

一つ一つの項目が、小さくまとまっているので、子どもがやる気がある時にちょっとずつ取り組みやすく、達成感も得やすいようでした。Kahn Academy は、もとは英語サイトで、アメリカのカリキュラムに基づいた構成になっていますが、日本語にも翻訳されています。

「小学校の算数をやり直したい」「忘れてしまった単元だけしっかりやり直したい」という中学生、高校生にも有効です。

ビデオを見て,練習問題を解きましょう。ほとんどの数学のスキルについて学べます。

ゲーム感覚で楽しめる算数学習サイト「Prodigy」

もう1つは、Prodigy (プロディジー) という算数学習サイトです。こちらも、小学生をターゲットにしたものですが、よりゲームに近い感じです。子どもは自分のキャラクターを選び、その主人公が冒険しながら、算数の問題を解いていくことでパワーを得たり、戦いに勝つことができます。

ゲームで遊びながら算数の練習ができる、という優れもの。コロナウイルスのパンデミック以前から、家庭学習として取り組むよう、学校から勧められていました。

アカウントを作るだけで、誰でも無料で楽しめます。ただし有料の会員にならないと、アクセスできないコンテンツがあるようです。また日本語版はないようです。

これらのオンライン学習は、ゲーム感覚で進められ、子ども自身もストレスなく取り組めるのは利点ですね。ただ、筆者の見た限りでは、「すでに習ったことの反復練習」には向いている一方、小学生にとって、これらのオンライン教材だけで新しい単元を学ぶのは、難しさもあるように思いました。
日本語版はありませんが、Googleアカウントで登録できます。

限られたスペースで楽しく運動

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長期の自宅学習となった場合、筆者が心配していたのは、子どもの体力面の衰えでした。家の周りをウォーキングするだけで十分なのかどうか……。

そこで役に立ったのが、GoNoodle (ゴーヌードル)というサイトです。さまざまな運動・ダンス・ゲームなどのアイデアを動画で発信している、体育教育目的のサイトです。学校の体育の先生からも、自宅学習期間に、指示されたエクササイズに加えて「GoNoodle をやるように」と言われました。

サイトに行くと、とにかくいろいろな動画があります。どれも3~5分の短いもので、室内でも場所を取らずにできものばかり。

運動と言うと、ちゃんと動きが決まっている「体操」をイメージしがちですが、GoNoodle の動画はとにかく「楽しい音楽と楽しい動き」。体力があまりなくても取り組めるものから、本気でやるとハードなものまで、さまざまです。

GoNoodleの遊び方

初めての場合は、[Get Started Now] をクリックして、[Families] または [Educators] を選ぶと、コンテンツにアクセスできるようになります。

言語は英語のみですが、画面を見て動きを真似るだけで、誰でも楽しめます。たとえば、”Hot Ticket” というチャンネルの中にある “SHOWSTOPPERS” という動画では、画面のインストラクションに合わせて、床を吹いたり、ポップコーンを投げたり、飛んでくるホットドッグを切ったり、カーテンを開けたり、と、全身を使ったさまざまな動きを行うようになっています。

GoNoodle は、子ども自身がイマジネーションを働かせて、楽しく自由に動きながら、体をまんべんなく使える点がよいです。ダンスなども、完成度は気にせず、とにかく真似してみましょう!

筆者も、自宅学習の間は、毎日2、3動画を子どもに選んでもらって、親子で一緒にやっていました。クレイジーに踊ったり、夢中で体を動かすと、気分も明るくなり、血行も良くなります。

↓↓↓英語版のみですが、App StoreやGoogle Playでも手に入ります↓↓↓

プログラミングで趣味を広げよう

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ゲームやテクノロジーに興味がある子なら、家にいる機会にじっくりプログラミングに取り組んでみるのもよいでしょう。

わが家の息子は、Scratch(スクラッチ) というプログラミングをやっています。以前学校で少し教えてもらったのですが、今回、自宅学習の空き時間にやるように勧めたら、独学でどんどん腕を上げていきました。

Scratch は教育用プログラミング言語として、日本でも有名ですね。自分のパソコンにパッケージなどをインストールする必要がなく、どのパソコンでも、ブラウザからアクセスするだけで直ちにプログラミングを始められるのがメリットです。

Scratch はプログラミングを視覚的に行えるよう作られているため、ゲームやスマホの操作を軽々と覚えてしまう子どもたちなら、Scratch も感覚的に覚えてしまうでしょう。チュートリアルも用意されているので、自分で学んでいくことができます。

個人的には、まず「さあ、始めましょう」を見て、次に「背景の追加方法」「名前を動かしてみよう」あたりから始めてみるのがおすすめです。低学年の子の場合は、親が一緒に取り組むとよいかもしれません。

今年からプログラミング教育が導入されましたが、筆者としては、学校の補習のためというよりは、子ども自身の趣味や特技を広げるきっかけになればよいのでは、と思います。

筆者の息子は、自分でゲームを作れるようになりました。テクノロジーを使って、自らのイマジネーションを形にするのが、とても楽しいようです。

最後に

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今回のパンデミックは、誰にとっても予想外の出来事でした。多くの国では、ロックダウンに伴い学校閉鎖や外出規制が行われたため、子どもたちが学校へ行けず、自宅で過ごす時間が増え、家庭にその負担がのしかかっています。

一方、おそらくどの国の先生たちも通常の授業ができない中、可能な限り子どもたちに教育を提供し続けるために、普段以上の労力を費やしてきたことだろうと思います。

西オーストラリア州では、多くの家庭が子どもの自宅学習をサポートしている間、学校は、仕事で家を空けざるを得ない家庭の生徒達を受け入れていました。

学校現場は、登校している生徒や先生の感染を防ぐため、ソーシャルディスタンシングや消毒、衛生管理などに気を配りつつ、同時に、自宅で勉強する子どもたちの教材の準備も。家庭だけでなく先生たちもいつも以上の負担を抱えながら、生徒のために最大限のことをしてくれていると感じました。

そのような状況で公的な教育がカバーしきれない部分を、民間のオンライン教育が積極的に補っていました。家庭学習のヒントになるよう、学校のカリキュラムに合わせた学習スケジュールを毎日アップするサイトや、有料コンテンツを無料公開するサイトもありました。

筆者自身、わが子の自宅学習を見るため、自分の仕事がはかどらずイライラし、落ち込むことも多かったです。しかし同時に、世界のさまざまな場所でたくさんの人々が、この困難な状況の中で「子どもたちの日常を途切れさせない」ために尽力していることを知り、子どもを育てる親の一人として、ただありがたく思いました。

わが子の成長が、見えない多くの人々によって支えられていることを改めて感じました。

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この記事のライター