2020年5月5日 公開

イギリスもロックダウンで家庭はパニック!?子育て・学習の現状とは

コロナ感染予防の外出自粛など、今まで誰も経験したことがない状況が全世界で起きています。長引く自宅待機中、お家の中でいかに心身とも健康に過ごすかが課題でしょう。連載【英国すくすくレポ】ではこの状況下での子育てや、慣れない家庭学習をどう乗り切っているのかをお伝えします。

仕事も家事も家庭学習も、全部なんとかやるしかない!

日本と同様、イギリスも学校や幼稚園・保育園は休校・休園です。医療関係者・生活必需品店のスタッフ、警察や救急などの安全に関するお仕事をするキーワーカー&エッセンシャルワーカーと呼ばれる方々以外、みんな自宅待機中です。

ここで問題になるのが、子どもの勉強も家庭学習になった点です。一人で勉強できるタイプのお子さんや年齢が高い学生さんならば、自主的に勉強したり、学校から出ている課題をこなして日々を過ごしてくれたりするのかもしれません。

しかし、わが家の8歳と5歳の子どもたちの場合、そう簡単に行かず……。正直、毎日手こずっています。

そんな日々の家庭学習や育児の声かけは、うまくいったり失敗してしまったり。1カ月以上も1日中、子どもたちと密に時間を共に過ごしていると、まさに悲喜こもごもといった状態です。

今回はその自宅隔離中の生活で、試行錯誤を繰り返して気づいたことや体験談をご紹介します。

家庭学習・生活でやってみたこと

ここからは、実際に筆者がやってみて良かったことや失敗したケースについてそれぞれご紹介していきます。

【やってみたこと、工夫など】

まず家庭学習を始めるにあたり時間割を作りました。時間割は曜日ごとに変え、毎朝A4サイズのホワイトボードに書いています。

大まかに30分または1時間ごとのコマに割っており、そのコマに教える内容が終わったら、その後は次の授業まで休憩(遊び時間)。集中して頑張れば、休憩時間が早く来るというシステムです。

イラストの中には書いていませんが、実際はおやつや昼食の時間なども入れています。また、ゲーム好きの娘たちが午前中の学習を頑張ってくれるように、12時の枠には「ゲーム」と書いて、視覚的に楽しみの時間を確認できるようにしています。

そして家事を家庭科と称して、昼食のサンドイッチ作りや洗濯・掃除などのお手伝いをする時間も入れています。結果として子どもたちの「達成感」や「気分転換」にもなっているようで、おすすめです。

私が苦手な算数(英語で説明するのは特に難しく感じます)などは、夫に授業をしてもらいます(その間に筆者は自分の仕事を……)。

今は世界的な非常事態。仕事・家事・育児・家庭学習の役割を、一人だけで負担していたら続きません。適材適所を意識して、夫婦で頼ったり頼られたりしながら、この時期を乗り切っていくことがポイントになると思います。

【成功談とやってよかったこと】

時間割は親が決めているのですが、与えたものだけこなさせるような子育てはしたくないという気持ちがあります。ですから、子どもたちが選べるような状況では、選択肢を与えて考えて決めてもらうようにしています。

たとえば「AとBのワークシートはどっちがいい?」「地理で調べる国はAとBどっちがいい?」「体育でするワークアウトの動画は、この中でどれがいい?」など。

文章を作る練習、計算や九九の練習をカードゲーム形式にしてみたり、アプリを利用して遊びながら学んだり、やる気が出ないときや、授業の後半で集中力が切れてきたときに取り入れるようにしています。

学校からもおすすめのアプリや無料プリント、オンライン学習サービスのURLのリンクなど、家庭学習の助けになるような情報が共有されるようになっています。

他には、心理作戦も使えます。面倒くさがる本読みでは、「お願い作戦」で子どものやる気をアップ!本読みを嫌がるときには、「妹に読んであげて」「ママに読んでほしい」と頼ってみたり、「この前の〇〇は上手にできてたよね~、お母さん嬉しかったな」と思い出したように褒めたりすると、急にその練習を始めてくれたりします。

言葉がけ次第で、受け取る側のやる気に変化がでることを日々実感しています。

【失敗談と難しいと感じていること】

学校が休みになったので、姉妹は常に一緒にいます。まるでコメディのように常に喧嘩と仲良しを繰り返しており、見ているこちらが疲れてしまうほど……。

さらに勉強が特に好きなわけでもない2人からは、「学習を始めよう!」と毎朝、声をかけるとプチ反対運動が起きます。学校のような環境であればきっと違う態度なのでしょうが、家庭で朝から勉強というのは気持ちの切り替えが難しいようです……。

正直、子どもの学習モチベーションを上げるのは難しい……と日々感じています。それに加え、うまく家庭学習を進められなくて、休校中に子どもたちの学びがほとんどなかったら、学校再開のときに大丈夫だろうか?遅れをとったりしないだろうかと親自身が焦りや不安、責任に対するストレスを感じることもあります。

ですが、そんなときには「この数カ月は、子どもたちの長い人生にとって、ほんの短い期間。学習できた内容云々よりも、学ぶこと・知ることは楽しい、わかって嬉しいという興味のきっかけが少しでも育ってくれたら成功」と、落ち込みそうになったら、この気持ちを思い出すようにしています。

ロックダウン中のコミュニティの取り組み

イギリスのロックダウンでは、以下のルールが決められています。

・スーパーなどの買い物に買い出しに行けるのは家庭から1人まで
・散歩は徒歩圏内のみを歩き、1日1回のみ
・不要不急の外出は厳禁
・人と話すときは2メートル以上離れる


厳しい決まりがあり、ルールを破っていると警察から警告を受けることも。

こういう雰囲気の中で、いかに安定した気持ちを保てるかが、この時期を乗り切るコツですよね。ここからは、イギリス現地で子育て中のママパパや子どもたちが、どのようにコミュニティを明るくしているかというアイデアをいくつか紹介します。

虹の絵を描いて窓に貼る

今、イギリスで流行っているのは、「虹の絵を描いて窓に貼る」という取り組みです。紙にペンや絵の具で描いた虹を貼っている家もあれば、窓ガラスに書けるカラフルなチョークペン描いたもの、色紙で虹の切り絵を貼っている家庭もあります。

これは散歩中の人たちが、家々の窓を見て虹探しと散歩を楽しめ、希望が持てるようにという願いから始まったようです。

他に「Thank you, NHS!」など、大変な状況下の医療現場で働く方々への感謝のメッセージが書いてあるのも多く見かけますよ(NHSとはイギリスの国営医療サービスのこと)。

石探しをしてSNSで投稿し合う

石探しゲームも広まっています。手のひらサイズの石に絵やデザインをペイントして、みんなが通る散歩道に置いておき、子どもたちが散歩の途中で見つけるといったゲームです。

石を見つけたら、携帯電話で写真に撮って専用のSNSグループに投稿します。とても人気があり、ほとんど毎日誰かがどこかで石を見つけては投稿。SNSは、にぎわっていますよ。

また日本の自粛中のアイデアと同じで、ビデオ通話でお友だちと話をしたり、クラスメイトや先生とグループ通話をしたり。日々の様子や家庭学習の進捗などを学校指定のアプリに投稿して交流するなど、テクノロジーを活用した交流もよく使われています。

このようにさまざまな方法で、毎日を少しでも明るくするような取り組みが見られます。

手を抜くのは悪くない ♪

自宅隔離中・外出自粛中は今までの生活と全く違い、何かとストレスが溜まりがちです。しかし一番大切なのは、家族全員が心身ともに健康で、前向きな気持ちで毎日を過ごせること。そして、この時期を家族やコミュニティとのチームワークで乗り越えることです。

仕事の事や家事・育児の事、家庭学習のことなど、こなさなければいけない日々のタスクも多いのですが、感じる「焦り」「ストレス」「責任」などは、一旦脇に置いておき、絶対にそのタスクを優先しなければいけないかどうか自分自身に問いかけてみてください。答えがNOの項目は、手を抜いてOK。

筆者も目まぐるしい日々に頭と心がいっぱいになったときは、「さてどこから手を抜こうか?」とやる気満々で手抜きしています(笑)。

どうぞ、皆さまの体と心に耳を傾けつつ、ゆるくハッピーな気持ちでお過ごしくださいね。
取材・文・イラスト:いしこがわ理恵
在英13年目の2児の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。
※いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの過去記事はこちら↓↓↓
イギリスの教育事情を現地発信! 英国すくすくレポ
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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いしこがわ理恵 いしこがわ理恵  在英11年目ハンドメイド好きの2児の母。武蔵野美術大学卒業。現在は教育に携わる仕事の他に、日本にルーツのある子どもたちを対象とした日本語子ども会活動・児童文庫活動も行っています。興味の範囲が幅広いので、常にいろいろな方向にアンテナをはりつつ情報収集が日課です。ハッピー子育てに役立つ情報をみなさまにお届けできれば嬉しいです。