2017年5月12日 公開

聞く絵!?子どもの絵の物語に耳を傾けよう【3〜4歳のお絵かき】

子どもはいつから、どんな風に絵で表現しはじめるようになるのでしょう?3~4歳の子どもの絵の発達過程と特徴、その時期、周囲の大人が気を付けたいことについて詳しくお届けします。イラストレーター・金斗鉉さんに話を伺った連載の第2回目です。

【3歳~】表現することがはじまる

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手の運動だった殴り描きから、描いたものに後から意味づけする1~2歳の時期を経て、3歳くらいからは、最初から意味づけして描くようになります。

【表現のはじまり】です。

子どもはこのころから、自分の描きたいものを描きはじめます。ただし、まだそのものの形をとらえて描くことはできません。マルに点々だけだったり、細長いマルを二つ重ねたものを車に見立てるといった状態です。

【見る絵】ではなく【聞く絵】!

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この時期の絵は、見る絵ではなく【聞く絵】と考えてください。

子どもは、自分が感動したものや興味のあるものを描くものです。たとえ今は形になっていなくても、描いていくうちに形をとらえることができるようになります。つい形を教えたくなるのですが、そこはぐっと我慢して、見守ってあげましょう。

絵や形を教える代わりに、周囲の大人がすべきことはただひとつ。子どもの絵の中身について、聞いてあげることです。

「これなあに?お母さんに教えて」と聞くと、子どもは喜んで教えてくれるはず。子どもの世界を一緒に楽しみましょう。

顔だけの絵からはじまって、足、そして胴がついてくる

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「お母さんの絵を描いてあげる」と言って、マルに点々をつけただけの顔を描きはじめるのもこのころです。

最初は、頭だけ。次は、頭に足がついている絵。それから、頭と胴と足になります。
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子どもの絵というのは、こんな風に変化していくのが普通です。顔からいきなり手と足が出ている絵を描く子もいます。子どもの描く絵の自由さには、驚かされます。

そんな絵を見て、心配するパパママもいるかもしれません。でも、頭から足が出ているからといって、変だと言ったり、直したりしないようにしましょう。

この時期の子どもが、顔のように描いているマルは、その子にとって実は体全体でもあるのです。そのうちに、自然に胴体がつくようになりますので、心配は無用です。

【4歳~】子どもの絵の特徴

4歳前後の子どもの絵の特徴をいくつかご紹介しましょう。子どもは、子どもなりの感性と感覚で、絵を描いています。

【特徴1】イメージの絵から、体験をベースにした絵へ

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体験や特徴認識から絵を描くようになります。そうすると、どういうことが起こるかというと、印象の強いものを大きく描くというようなことが出てきます。

【特徴2】カタログ風に並べて描く

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同じようなものを並べて描く、カタログ風の描き方をするのもこのころからです。

【特徴3】1枚の絵の中に時間の経過がある

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1枚の絵の中に、時間の経過した場面を入れ込むようになるのも、この時期の特徴です。

子どもの絵の物語に耳を傾けよう

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このころから、子どもの絵は飛躍的に変化をとげます。どれが良いとか悪いとかはありません。

子どもが夢中で描いているときは、そっと見守ってあげてください。そして描き終わったら、子どもの描く物語に耳を傾けてあげましょう。

子どもは大人の未発達版ではありません。子どもならではの世界を持っているのです。子どもの絵からインスピレーションを得るというアーティストもたくさんいます。有名なピカソもその一人でした。

だから、周囲の大人は子どもの絵と接するとき、子どもの世界を尊重する気持ちを大切にしてほしいと思います。

次回お届けするのは、幼いうちから自信をなくし、絵を描かなくなる子どもが増えているということ。その原因はなぜでしょうか?そして、もし自分の子が絵を描かなくなったとき、どうすれば再び絵を描くようになるかという対策をお伺いしています。

金 斗鉉(きむ とうげん) プロフィール

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1953年、韓国ソウルに生まれる。18歳のときに日本に移住。広告代理店でグラフィックデザイナーを経て、フリーランス・イラストレーターに。

著書に『絵本イラストレーション入門』(新星出版社)、『最新イラスト・カットの辞典』(主婦の友社)、『水墨・墨彩画で風景を描く』(誠分堂新光社)、絵本に『ヌリマースペンキ店』(日本キリスト教団出版局)、『よるのおさんぽ』(講談社)、『かぐやひめ』(小学館)、『サンガイ ジウナコ ラギ』(ディヨの本)など多数。

個展は1983年から「渋谷パルコGALLERY VIEW」「銀座 ギャラリー21+葉」「吉祥寺 伊勢丹」「西武 銀糸町」「西武 三軒茶屋」「京都市国際交流会館」「ギャラリー・エフ」「オキュルス」など多数。日本各地の博物館、展示館など約70カ所のイラストレーションを制作。ライフワークとして「絵が描けない人のためのワークショップ」「幼稚園の先生とお母さんのための絵の教室」を開き、また、2008年から毎年ネパールの子どもたちへの絵の指導をしている。

日本図書設計家協会会員。浦安市在住。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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宮本ちか子 宮本ちか子  フリーランスエディター、ライター&コーディネイター。ネパールのポカラ在住。広島県の瀬戸内海の島育ち。東京での会社員時代は、マーケティング会社の編集部でマーケティング情報誌や、社内報、会社案内などの編集、ライティングを担当。その後ネパールのポカラにて宿を15年間経営。ネパール人夫と娘の3人家族。現在は、フリーランスライター、仕入れサポート、プライベートガイドとして活動中です。