2019年5月1日 公開

5月22日は国際生物多様性の日!自然や生き物の多様性を学ぼう

毎年5月22日は失われつつある生物の多様性と、環境保護を考える「国際生物多様性の日」。地球の生物多様性を守るためには、まず「生物多様性」についてよく知る事が大切です。普段は気付けない生き物の世界に目を向けてみましょう。家庭で環境教育を学ぶ方法もお伝えします。

生物多様性って?

Ethan Daniels / Shutterstock.com
地球上には、私たち人間を含む哺乳類から、爬虫類や昆虫類、植物やバクテリアまで多種多様な生物がいます。この無数の生きものたちのつながりが「生物多様性」です。

では、私たち生きものは、どのように支えあい、つながって生きているのでしょうか。

実は、生物同士が互いが関わり合うことで、それぞれの生命が維持されています。どの生物も、どれか一種のみでは存在できず、生きるためにお互い直接的、間接的につながり合っているのです。

生物多様性を考える上でもっとも重要なメッセージは「すべての生命にはそれぞれ個性があり、どの生き物であってもただ一種だけでは生きていけない」ということです。

5月22日は「国際生物多様性の日」

Bika Ambon / Shutterstock.com

地球環境の悪化やCO2排出が原因となる温暖化が世界的に深刻な社会問題となりはじめていた1992年、ケニアで開かれた国際会議で「生物多様性条約」が採択されました。

この条約はワシントン条約などのように特定の生物や生息地に限定するのではなく、地球上の生き物すべてを保全することを重視している点が大きなポイントです。また、生物多様性を利用しながらも同時に保護する、つまり「持続可能な利用」の取り組みを行なう必要があることも明記されています。

国連はこの条約が締結された5月22日を「国際生物多様性の日( International Day for Biological Diversity, World Biodiversity Day)」と定めました。失われつつある生物の多様性と、それにまつわる諸問題の認知を広めるために制定された記念日です。

ちなみに「生物多様性」という言葉は、日本語ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、”biological diversity "(生物学的多様性)をつなげた"biodiversity"という英語の造語が語源です。

以来、毎年5月22日は、日本をはじめとする世界各国で、市民による生き物の保全活動や取り組み、環境学習が行われています。

さらに、国連の定めた「国際生物多様性年」である2010年には、愛知県名古屋市で「cop10(生物多様性条約第10回締結会議)」が開かれました。

その後の2011〜2020年は「国連生物多様性の10年」と位置付けられています。日本でもさまざまな活動が行われており、多くの企業もこの活動に賛同し、協賛しています。

ただし、アメリカは「生物多様性条約」を批准していないなど、まだまだ課題が残されています。

地球の生物多様性を守るためには?

Rawpixel.com / Shutterstock.com

私たちは、生物多様性がもたらす自然の恵みがなければ衣食住を得られず、生活していくことができません。にもかかわらず、人間の活動は生物多様性の存続や破壊に大きな影響を与えています。例えば、地球温暖化も、既存種の絶滅スピードを早める引き金となっています。生物が減少している速度は人間が関わらない自然状態に比べて100〜1,000倍も早くなっているんだとか!

日本では環境省などの取り組みで、国家レベルでの絶滅危惧種の保護や増殖、自然保護地域の指定、外来種や外来生物の駆除、増加しすぎた生物を適正な数になるよう捕獲など、さまざまな課題への戦略が実行されています。

また各自治体でも地域戦略として、生物多様性に関するパネルディスカッションやセミナー、パンフレットの作成などで、生態系の保全について多様な取り組みがおこなわれています。

それでは私たちが暮らしの中で、生物の多様性を保護するためにできることには何があるのでしょうか? まずは親子で生物多様性に触れて、知ることからはじめてみませんか?

その上で、自分達と世界の自然や生物とのつながりを考えれば、人と自然の共生に向けた取り組みを少しでも前進させていくことになるのではないでしょうか。

都会暮らしでも生物多様性を学ぶ方法はある?

zorina_larisa / Shutterstock.com

例え都会に暮らしていても、さまざまな方法で多様な生き物の存在やその生態に触れることが可能です。

テレビや図鑑、本の世界だけで見聞きしているのとは異なり、実際の生き物を見て触れる機会は、子どもにとっても貴重な体験となるでしょう。

生き物や自然に興味を持ち、知りたいと思う気持ちも大切です。具体例を紹介します。

自然遊びをする


森や山、海まで出かけなくとも、近所の小さな公園でも十分に生物多様性の存在を意識することは可能です。公園に出かけて自然遊びをしてみましょう。

季節ごとに変わる草花や虫の種類を観察するなど、身近な自然からもさまざまな生物多様性を学ぶチャンスがあふれています。

キャンプに行く


少し足を伸ばしてキャンプに行ってみましょう。いつもよりも野生の動植物たちに近づける・触れる機会が増えます。

鳥のさえずりや虫の鳴き声を耳にしたり、魚が泳ぐ様子を目にしたり、普段できない体験のオンパレード。キャンプは大人も子どもも、生物の多様性を全身で感じることができる大きなチャンスです。

動物園・水族館を訪れる


子どもたちとのお出かけスポットの定番である動物園や水族館も、生物多様性の視点を持って訪れると、さまざまな発見があるでしょう。

工夫を凝らして生息環境をできるだけ自然に再現して展示している園も多く、さまざまな学びがあります。

また、動物園や水族館は、絶滅危惧種・希少種の保護や、外来種の対策など社会的な意義も担っていて、生物多様性を守るという側面からも高い重要性を持っている機関です。

自宅で生き物を飼育する・花を育てる


自宅で何か生き物を飼育するのもおすすめです。生き物の生態や暮らしを身近に観察できます。また子どもにとっては、命の大切さを意識するきっかけにもなるでしょう。

花や野菜などの植物を育てるのも良いですね。小さな種や苗から大きく生育する様子を毎日目にできますし、自分で育てた野菜を食べるなど、生物多様性の存在に直接触れられるよいチャンスになります。

グリーンウェイブに参加する


「グリーンウェイブ」とは、各国や各地域で、5月22日午前10時(現地時間)におこわれる地球規模の植樹イベントのこと。地球上を東から西へ「緑の波」がひろがっていくことからグリーンウェイブと表現されています。

日本でも全国各地で、各種グループや団体で行われているグリーンウェイブ活動に参加が可能です。植樹だけでなく、緑の保全や手入れ、触れあう活動などもグリーンウェイブに含まれます。

ただし、オフィシャルな活動に参加しなくても、子どもと一緒に生物多様性について考える、話し合うなどのアクションを起こすのも、グリーンウェイブに参加する方法のひとつといえるのではないでしょうか。

自然体験を通して豊かな感性を磨こう

Jenoche / Shutterstock.com

普段、当たり前のこととして意識することが少ないかもしれませんが、私たちは生き物たちのつながりから生まれる恩恵をたくさん受けて生きています。

水や食べ物はもちろん、衣服や住まいなどまで、すべては生物多様性から得られる資源によるものです。

もし、自然と触れ合う機会が少ない暮らしをしていても、さまざまな方法で生物多様性の大切さに触れる環境教育の機会を作れます。

「いろんな生き物が支えあって生きていること」を伝え、森林や湿原、河川、干潟、海洋、サンゴ礁などでさまざまな生態系が存在していること 、動物や植物、菌、バクテリア、微生物など約3,000万種の生き物が生息・生息していること、同じ種内でも個体や個体群によって遺伝子がさまざまであることまで理解を深めていけたらステキですね。

ゴミを川や海に捨てない、リサイクルを考える、食べ物を大切にする、ということだって、親子でできるアクションです。

5月22日は各地で無料イベントも開催されています。これをきっかけに、環境や生き物の保護の重要さについてもさらに考えていけると良いのではないでしょうか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

みすみぞのいずみ みすみぞのいずみ  九州在住、フリーランスのライター。 2012年と2014年生まれの2男児の母です。産後、慣れない育児と家事を必死に両立させようとする中で、モノを減らした暮らしの快適さに気づきました。少ないモノで暮らしたい私と、たくさんおもちゃが欲しい子どもたちとのせめぎ合いの日々です。