2018年11月07日 公開

自ら学ぶ力と計画力を身につけるには?【気づいたら娘が東大生】

小中高・公立で東大に現役合格できた娘ですが、塾には通わず、自分でコツコツと勉強するタイプでした。それを貫き通せたのは、細かい学習予定を立てて実行する「計画力」が身についていたからだと思います。では、どうすれば自分で計画を立てられる子に育つのか。体験談を連載第5回としてお届けします。

小中高・公立で東大に現役合格できた娘ですが、塾には通わず、自分でコツコツと勉強するタイプでした。それを貫き通せたのは、細かい学習予定を立てて実行する「計画力」が身についていたからだと思います。では、どうすれば自分で計画を立てられる子に育つのか。体験談を連載第5回としてお届けします。

担任の先生から教え込まれた定期テストの勉強法

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娘が中学の頃の試験勉強スケジュール表です。
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娘が中学生のとき、担任の先生が口を酸っぱくして教えてくれたのが「学習計画をしっかり立てる」「その計画を何が何でも実行する」ことの大切さでした。実際に、定期テスト前になると2週間分の日付が入った白紙の計画表が配られ、生徒は自分で定期テストまでの学習計画を立て、先生に提出するのです。

このチェックが厳しくて、学習内容の欄に「国語」「数学」などと教科名を書くだけでは絶対にOKはもらえませんでした。「数学のワークP30~36の問題を解く」「国語の新出漢字を10回ずつ書いて暗記」「歴史の教科書P24~30を音読」というように、毎日の勉強内容を具体的に、細かく書き込むよう、徹底的に教えられました。

そのためにはまず、テストまでにやるべきことをすべてリストアップしなければなりません。そして、それを日々の勉強時間に割り振っていくのです。かなり時間のかかる作業ですが、これを毎回の定期テストごとに行うことで、娘の計画力は飛躍的に高まりました。

幼いうちから「時間」の感覚を覚えさせよう

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もちろん、このやり方がすべての生徒に好評だったわけではありませんが、娘はすんなりと受け入れていました。それは、幼い頃からの習慣があったからだと思います。

筆者がフルタイムで働いていたので、限られた時間の中で、やるべきことをいかに効率よくこなしていくかは、常に重要課題でした。けれども、子どもにはそんな親の都合はわかりません。それなのに「早く、早く」とただ急がせるのはかわいそうだし、子どももストレスが貯まるでしょう。

そこで、小さいうちから、やることを先回りして伝えるようにしていました。

たとえば「ご飯を食べ終わったら、保育園に行く前に歯を磨いてね」「お風呂から上がったら、絵本を読んでから寝ようね」などと言って、これから何をするかがイメージできるようにしたのです。

さらにもう少し大きくなったら、「あと10分、あの時計の長い針が9のところに来たら、保育園に行くよ」「あと5分、長い針が6になったらお片づけしよう」というように、具体的な時間も伝えました。そうすることで、自然に時間の感覚が身についていったようです。10分というのがどのくらいの長さなのか、その間にどのようなことができるのかがイメージできれば、具体的な計画が立てやすくなります。

通信教育で時間管理の習慣が身につく

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小学校に上がってからは、通信教育が大いに役立ちました。毎月届く教材の中には、各教科ごとに解説や練習問題を組み合わせたワークがあって、1項目15~20分程度で終わるようになっています。

テスト形式のワークには目標時間も設定されているので、どのくらいの分量を何分で終わらせることができるか、という感覚も身につきました。娘は朝の限られた時間を勉強タイムにあてていたので、より明確に時間を意識するようになったようです。

また、教材には1カ月のカレンダーがついていて、「1日(金)は国語の1回目」「5日(火)は算数の3回目と理科の2回目」というように、どのワークをいつやるか、細かく計画を立てられるようになっていました。しかも、シールをペタペタと貼っていく形式だったので、低学年でも楽しく計画カレンダーを作ることができたのです。

娘はこれを毎月繰り返していたので、定期テスト用の綿密な学習計画にも抵抗なく取り組めたのだと思います。

やるべきことを書き出して「見える化」する

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娘には、夏休みの宿題など、やらなければならないことが複数あるときには、まず最初にやるべきことをすべて書き出すというやり方を教えました。1枚の紙に、やることを箇条書きでどんどん書いていくのです。

頭の中で、あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ、と考えていると、課題がたくさんあって大変!と思いがちですが、やることを書き出して目に見えるようにすると、思ったほど多くないことに気づくことも。

そして、頭の中が整理され、「これとこれはすぐに終わりそうだから、今日片づけちゃおう」「これは時間がかかりそうだから、週末にやろう」というように、取り組み方をイメージできるようになります。

仕事でも、To Do(やること)リストを作って、頭にチェックボックスをつけて、終わったものにはチェックを入れるというノウハウがありますよね。娘にもこのチェックボックス方式を教えたのですが、「文字の上に線を引いて消していくほうが、終わった!って感じがして楽しい」と言って、いつもリストの上に線を引きながら課題をこなしていました。この線を引く瞬間の達成感が、娘のモチベーションになっていたようです(笑)

時間管理を学ぶセミナーや本もオススメ!

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こちらは筆者のスケジュール帳。筆者自身も子育てをしながら働く身として計画力の必要性をひしひしと感じています。
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わが家の場合は、たまたま中学の担任の先生が「計画力」の大切さを教えてくれましたが、親子で時間管理の仕方を学べるようなセミナーや本もあります。

時間管理術やオリジナルの手帳『アクションプランナー』が人気の佐々木かをりさんは、毎年夏休み前の時期に「小学生親子のための時間管理術」という半日講座を開催しています。ビジネスマンにも人気の「佐々木かをりの時間術」を子ども向けに楽しく、わかりやすく教えてくれる講座で、参加者の満足度も高いようです。

筆者は残念ながら毎年予定が合わず、受講したことはないのですが、10年以上前に彼女の著書『ミリオネーゼの手帳術』を読んで「目からウロコ!」の体験をしました。それ以来、時間管理や仕事の進め方がガラリと変わり、今でもそのやり方は大いに役立っています。
また、佐々木さんが子ども向けに書き下ろした『計画力おもしろ練習帳』という本もあります。7週間分の計画表がついた書き込み式の本で、イラストやシールを使って楽しく時間管理を学べるようになっています。保護者用の解説冊子もついているので、親子で取り組むのにオススメです。

大事なのは親が口をはさみすぎないこと

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娘が小学校高学年になってからは、できるだけ本人の自主性に任せるように心がけていました。娘が受講していた通信教育でも、「子どもが自分で取り組む」ことを重視する内容で、丸つけなども自分でできるよう誘導する仕組みになっていて、忙しい親としては大助かり。

幼いうちは親がいろいろと教えてやるべきだと思いますが、小学生になったら、少しずつ自分の責任でやることを増やしていったほうがいいと思います。

反抗期になると、親の言うことなんて素直に聞かなくなりますし、逆に高校生になっても大学生になっても、親の指示がなければ動けないというのも困りもの。ときどき「親の言うことを聞かなくなったら、あっという間に成績が下がった」なんて話を聞きますが、「自分でやる力」が育っていれば、そんなことにはならないはずです。

計画を立てて実行する力が身についていれば、勉強だけでなく、部活動や趣味などでも実力を伸ばしていくことができるでしょう。社会人になってからも当然、必要とされるスキルです。

ぜひ、幼いうちから「時間」の感覚を磨き、計画力と実行力を上手に育んでいってください。それが将来、お子さまの大きな財産になるのです。

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この記事のライター

FUYUMI
FUYUMI

東京都在住。大学で心理学を学び、卒業後は出版社にて編集業務を担当。現在は編集経験をいかしてフリーランスのライター兼編集者として活動中。2018年の春、小中高公立で過ごした長女が現役で東大に合格。共働きだったため夫婦ともに教育熱心な子育てをしてきたというよりも、いつの間にか本人の努力で東大!なのが本音ですが、子育てや教育を振り返る連載をはじめました。皆さんのヒントになれば幸いです。