2017年06月12日 公開

新・都立多摩図書館がすごい!②あの人気絵本の挿絵が昔と違う!?

今年1月にリニューアルオープンした都立多摩図書館。充実した「児童・青少年資料サービス」と、国内最大級の「東京マガジンバンク」に特化したこの図書館では、ほかではお目にかかれない貴重な本や雑誌を手に取って見ることができます。その魅力的な本棚を覗いてみましょう!

今年1月にリニューアルオープンした都立多摩図書館。充実した「児童・青少年資料サービス」と、国内最大級の「東京マガジンバンク」に特化したこの図書館では、ほかではお目にかかれない貴重な本や雑誌を手に取って見ることができます。その魅力的な本棚を覗いてみましょう!

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本選びに迷ったら、おすすめ本が並んだこのコーナーへ

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多摩図書館では子どもの読書活動推進のため、年齢やテーマごとにおすすめの本を紹介した小冊子を作成しています。そして、そこに載っている本を並べたコーナーもあるんです!これなら、選りすぐりの本の中からさらに自分好みのものを探せるので、よい絵本に出合えそうですよね。
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小冊子は、小さいお子さん向けの「ひとりでよめるよ」、どうぶつ・ともだち・おばけなど、さまざまなテーマに分かれた小学生向けの「ほん・本・ごほん(1~3)」、読み聞かせに適した本を集めた「読み聞かせABC」など、目的別に編集されているので、とても参考になります。

しかも、そのすべてが東京都立図書館のwebサイトからダウンロードできるんです。

このwebサイトの中の「こどもページ」も、かわいいウリボウがいろいろと案内してくれるので楽しいですよ。
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また、「こどものへや」の外側に展示された、人気の児童文学作家の作品とその紹介リーフレットも圧巻! 佐藤さとるさん、岡田淳さん、ミヒャエル・エンデさんなど、作品を見ればだれもが「懐かしい!」と声をあげてしまいそうな作家さんがずらりと並んでいます。

開架書庫には最新1年分(約4,500冊)もの児童書が!

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自由に閲覧できる「こどものへや」のほか、カウンターで申込みをしてから入る開架書庫もあり、ここには最近1年間に新しく入荷した4,500冊もの児童書が置かれています。これほどの数の新刊本には、大型書店でもなかなかお目にかかれません。

ここで気になる本を探してから、Amazonなどのネット書店で購入するといった使い方もできそうですね。

中には貴重な初版本まで!

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また、多摩図書館では基本的に本の廃棄を行っていないので、貴重な初版本に出合えることも! 

今回、浅沼さんが見せてくださったのは「しろくまちゃんのホットケーキ」の初版本。「1972年10月15日第1刷発行」「定価350円」という奥付を見て感動していると、「実はこれ、今のものとは絵がちょっと違うんですよ」と浅沼さん。

ええっ、なんで!? 早速、最近刊行されたものと見比べてみました。皆さん、違いがわかりますか?右が初版本、左が最近のものです。

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そうなんです!昔の本はシンクの中が泡でもこもこですが、最近のものは水がためてあるだけ。これは、当時、合成洗剤の環境破壊が社会問題になったため、作者と出版社で話し合って絵を変えたんだそう。それに伴って、文章も「ほら あわのほっとけーきだよ」が「いっぱいたべたね おいしかったね」に変わっています。

このほか、冷蔵庫のデザインが昔と今でちょっと違ったり……といった、微妙な変化も。なんだか間違い探しみたいで面白いですよね。

見たこともないような雑誌もいっぱい

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多摩図書館は「東京マガジンバンク」として、約1万7,000タイトルもの雑誌を所蔵していることでも知られています。

閲覧室の雑誌エリアと開架書庫には、現在刊行中の雑誌6,000タイトルが並べられ、過去1年分のバックナンバーを自由に見ることができます。中には「こんな雑誌があるの!?」と驚いてしまうほどマイナーな雑誌も!

「家庭・子育て」「食」「女性誌」など、ジャンルごとに分類されているので、興味のある棚を覗いてみれば、面白い出合いがあるかもしれませんよ。

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また、明治10年から現在までの雑誌創刊号約6,600タイトルを集めた「創刊号コレクション」も貴重です。こちらは閉架書庫に収められているので、閲覧にはカウンターでの申込みが必要です。
「りぼん」「コロコロコミック」などの漫画雑誌もあるので、子どもの頃にハマった懐かしの雑誌を探してみるのも楽しいかもしれません。

おなかがすいたら、可愛らしいカフェスペースへ

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建物の1階には広々としたカフェスペースも設けられていて、おいしそうなパンがたくさん並んでいます。こちらは地元で人気のパン屋さん「キィニョン」の支店になっていて、こだわりの手づくりパンやスコーンがいただけます。
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100%オレンジジュースやリンゴジュース、コーヒーなどのドリンクメニューもあります。おすすめはハンドドリップで淹れる「国分寺ブレンドコーヒー」だそう。14~17時には、ドリンクとスコーンをセットにした「ひとやすみセット」もありますよ。
ここでパンを買って、お隣の武蔵国分寺公園でランチタイムというのも気持ちよさそうですね。

自分に合った楽しみ方を見つけよう

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書店や普通の図書館にはない貴重な本と出合えるのも、この多摩図書館の大きな魅力です。時間をかければかけるほど、面白い発見ができそうですよね。
ぜひ、親子でいろいろな楽しみ方を見つけてください。

次回は、浅沼さんに選んでいただいた読み聞かせにぴったりの絵本をご紹介します。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

YUZU
YUZU

フリーライター。東京都在住。出版社で書籍編集の仕事をしていましたが、夫の仕事の都合で2009年より台湾・台北へ。6年間の駐在生活中は娘二人を日本人学校に通わせながら、台湾師範大学の語学センターで中国語を勉強。帰国後はライターとして、主に台湾や子育てに関する記事を書いています。