2019年5月22日 公開

子どもの能力を伸ばす環境作りはパパママ次第!【気づいたら娘が東大生】 

「子どもの能力は遺伝か環境か」とよく話題になります。筆者は「環境が大事」だと思ってます。それは、いい教材を与える、いい塾に行かせるといった単純なことではなく、もっと身近な日常生活の中にポイントがあります。特に大切だと思う4点をご紹介します。連載10回目です。

子どもが勉強好きになる「いい環境」って?

spass / Shutterstock.com

「できるだけいい環境で子どもを育てたい」。そう思っているパパママはきっと多いでしょう。

では、「いい環境」って具体的にどういう環境でしょうか?

そのヒントがたくさん書かれているのが、二人の娘さんが東大現役合格した江藤真規さんの著書『勉強ができる子の育て方』(出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。筆者も大いに共感し、いろいろと参考にさせていただいた、思い出深い本です。

江藤さんの長女は東大理Ⅲ、次女は東大文Ⅲに合格。その体験から子育ての重要性を実感して「教育コーチ」としての仕事をはじめ、現在は子育てコーチングを学ぶ「マザーカレッジ」を主宰されています。
『勉強ができる子の育て方』の中で江藤さんは以下のように述べています。
振り返れば、私は子どもたちがまだ幼い頃から、かなりの刺激を与え、勉強をさせてきました。学習の楽しさを伝えるために、『学び』を身近に感じられるような努力も重ねてまいりました。

一見遠回りに見えるかもしれませんが、子どもに勉強をやらせたいと思うのならば、『やらせる努力』ではなく『好きにさせる努力』から始めてみましょう。人間はしょせん、好きなことしかやらないのです。
つまり、勉強を自分で進んでやる子に育てるためには、その子を「勉強好き」に導かなければならないということ。はたして、どうやったら子どもは「勉強が好き」になるのでしょうか?

ポイント1:「楽しい!」をたくさん体験させる

娘が幼い頃、筆者が手作りしたお人形用のベビーカー。
via photo by author

「幼少期は子育てにおいて一番大事な時期」と著書で述べる江藤さん。幼少期は、24時間ずっとそばにいて、何でも一緒にやっていたといいます。

一緒に朝食の準備をし、食べたら一緒に公園に行き、帰りは一緒に買い物へ。夕食のメニューも一緒に考え、食器を並べたりテーブルをデコレーションしたりといった簡単なお手伝いをさせ、もちろんお風呂も一緒。夜は自分も疲れて一緒に寝てしまう……という日々だったそうです。

そうやって常に一緒に過ごしながら意識していたのは、「楽しさを伝える」こと。「楽しい!」と思えばやる気も起きるし、その体験が「好き」の土台になります。だから江藤さんは、お絵描きでもゲームでも、何でも自分も一緒にやって本気で楽しんでいたそう。

その理由は、
親がポジティブに楽しそうにしていれば、子どもも自然と楽しくなってくる。
ということだそうです。

とはいっても、「そこまではとても付き合えない……」と思うパパママも多いと思います。大丈夫です、何を隠そう筆者もそうでした。仕事もしていたので、そもそも24時間ずっと一緒というのは不可能だったし、「ごっこ遊び」などは気恥ずかしくて、どうしても付き合ってあげられませんでした。

では、どうしていたかといえば、自分が好きなことに娘を引き込んでいたのです。たとえば読書は昔から大好きだったので、絵本の読み聞かせは苦になりません。また、ちまちまと物を作るのも好きだったので、折り紙や工作は一緒に楽しんでいました。お気に入りの人形のベビーカーを作ってあげたこともあります。

また、お出かけ好きなので、ショッピングモールや図書館などの子ども向けイベントにもよく参加していました。

こんなふうに、自分自身が好きなことを子どもと一緒にやるだけでも、親子で無理なく楽しみながら、さまざまな体験をさせてあげることができるのです。

ポイント2:好奇心の芽を摘み取らない

Mama Belle and the kids / Shutterstock.com

「パパママの好きなことに子どもを引き込む」といっても、無理強いはいけません。子どもにも持って生まれた好き嫌いはあるようで、筆者の娘の場合はどんなに手を変え品を変えしても、運動には興味を持ってくれませんでした。

いろいろなことをやらせてみて、子どもがのってこないことはあきらめるという「引き」も重要です。

逆に、子どもが楽しんでいることは、どんどんやらせてあげましょう!

江藤さんも本書でこう語っています。
子どもの興味が上向きになったとき、その興味に乗っかってしまえば、子どもは面白いほど自分で動き出します。やりたい気持ちになっているとき、タイミングのいいときに興味のあることを目の前に差し出せば、子どもは恐るべき集中力でそれに取り組むことができるのです。
そして、こんなふうにも続けていました。
子どもの行動をしっかり見ていれば、その子がどんなところに興味を持っているのか、何をやりたがっているのかは何となくわかってくる。
子どもがのってきたら、大人の常識で制限をかけることなく、どんどんやらせてあげましょう。「こんな小さい子にはまだ早いかな」とか「もう少し他のこともやらせたい」などとパパママが躊躇してしまうと、せっかく芽生えた好奇心をつぶしてしまいかねません。

ポイント3:子どもに自信を持たせるために「親ばか」に

小さなシールを足にきれいに貼っていた娘。爆笑しました!
via photo by author

自分に自信があれば、たとえ困難にぶち当たっても、子どもは負けずに頑張ることができます。受験などの競争に打ち勝っていくためにも、自信は必要です。その自信の源となるのが、パパママの愛情と言葉がけです。
私たちが普段何気なく発している『言葉』、この言葉には、実はものすごいパワーがあります。自分にかけられる言葉によって、嬉しくなったり、やる気が出たり、あるいは傷ついてしまったり、なげやりになったり……。だからこそ、子どもにプライドを持たせ、自信をつけさせる言葉を選んで使っていきたいものです。
そのために江藤さんがおすすめしているのは、「親ばか」になること。どんなに小さなことでも、「すごいね」「頑張ったね」と口に出して褒めてあげましょう。また、「あなたは、どう思うの?」というふうに、子どもの意見を聞いてみるのも重要だそう。
子どもは意見を求められていることに喜びを感じ、それが自信にもつながっていきます。
「褒めるのってちょっと苦手」「どうやって褒めていいかわからない」というパパママは、まず一日に一つ、子どものいいところ探しをしてみるようにしてはいかがでしょう?どんなところでもいいと思います。意識して子どもを観察していくうちに、自然と褒めポイントが見えてくるはずです。

筆者の場合も、最初は「お手伝いができた」、「宿題ができた」、「周りの友達にやさしくできた」、というわかりやすい褒めポイントにばかり最初は目がいっていました。それがだんだん、変わっていったのです。

上の写真のように、足に小さなシールを貼っていた娘。こういうときは、実は褒めるチャンスだ!と気づいたんです。ちまちまと貼ってあるシールを見て親子で大爆笑したあと、「よく思いついたね~すごいキレイに貼れてる!」とアイディアや着眼点、工夫をすかさず褒めて、写真を撮ってあげました。

子どもって大人が思いもつかないようなことをいろいろやってくれますよね。もしかしたら「なんでこんなことしたの!」と注意したくなるようなこともあるかもしれません。でも、いったん心を落ち着かせ、子どもが頑張ったこと、工夫したことなどを褒めてあげるといいと思います。

ポイント4:幼少期にいい習慣を整える

VanoVasaio / Shutterstock.com

幼少期に、子どもの生活習慣を作っていくことの大切さと親の責任にも言及している江藤さん。
生活習慣がいい加減になってしまっているのは、子どものせいではありません。生活習慣を決めるのは、私たち親の責任。
江藤さんは、子どもを早く寝かせるために自分も一緒に寝て、やるべきことは早起きして片づけるようにしていた、と述べています。朝食や夕食、お風呂の時間を決めて、毎日同じ時間に同じ行動をすることも心掛けていたそう。また、娘さんが小学生になってからは、「朝起きたらプリントを一枚やる」ということを毎日の習慣にしていたといいます。

ちょっと大変そうに聞こえるかもしれませんが、この朝勉はわが家でも実践していたことで、習慣になってしまえば意外と苦労なくできるもの。特に朝は学校や仕事に出かける時間が決まっているので、習慣付けがしやすいです。

ためしに目覚ましを30分早くセットして、まずは子どもが興味を持ちやすいドリル形式の迷路などを毎日1ページずつやらせてみてはいかがでしょうか。できた日はカレンダーにシールを貼り、1週間続いたらお菓子のご褒美などというように、子どもが楽しく続けられるよう工夫してみてください。
『学習の習慣』がベースにあれば、遊びを切り上げ、勉強に向かうことへの大きな手助けになります。
学習習慣についてもこう述べている江藤さん。親の言うことを比較的素直に聞く幼少期に、ぜひいい生活習慣・学習習慣を作っておきましょう。

「いい環境」作りで親子で成長

「楽しい!」と思う気持ちや好奇心、また自信を持つことで、子どもは自発的に動くようになっていきます。また、規則正しい生活習慣や勉強習慣が身についていれば、子どもが今何をするべきかを自分で考え、行動できるようになります。これらが子どもの能力をのばす「いい環境」に結びつきます。

今、筆者が子育てを振り返ってみて思うのは、娘が東大に合格したのは筆者が「いい環境を作った」からではなく、「いい環境を作ろうと試行錯誤した」そのことすべてが、いろいろな形で娘への刺激になったのかもしれない、ということ。子育てに100%うまくいく方法なんてありません。やってみて、悩んだり失敗したりしながら、親も子も成長していくのではないでしょうか。

本書には、江藤さんが試行錯誤しながら娘さんたちと関わってきた軌跡が描かれています。年齢別の関わり方や勉強法など、具体的なヒントも詰まっているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

fuyumi fuyumi  東京都在住。大学で心理学を学び、卒業後は出版社にて編集業務を担当。現在は編集経験をいかしてフリーランスのライター兼編集者として活動中。2018年の春、小中高公立で過ごした長女が現役で東大に合格。共働きだったため夫婦ともに教育熱心な子育てをしてきたというよりも、いつの間にか本人の努力で東大!なのが本音ですが、子育てや教育を振り返る連載をはじめました。皆さんのヒントになれば幸いです。