皆さん「九九」と聞いた時にどのようなイメージが浮かぶでしょうか?
リズムに乗せた九九の歌や、九九暗記表、自身が小学生の時に一生懸命暗記した経験を思い出す方もいるかもしれません。
一般的に九九は小学校二年生の2学期頃に行われる学習内容で、その後の算数~数学へと繋がるとても大切な単元です。
しかし、学校の授業だけでは覚えきれないことも多く…家庭でのフォローが必要になってくることも。
膨大な暗記量に頭を抱えている親子も多いはず…!?
そこで、今日は我が家で取り組んだ「九九 駄菓子屋」や、その他 九九暗記の為になるアイディアをあわせてご紹介をしたいと思います。
「自然と算数が得意な子になる方法」算数のセンスは遊びで育つ!
小学2年生 算数の最大の壁!?九九の暗記
九九は「小学2年生の算数 最大の壁」といっても過言ではありません。
通信教育サービスを利用していると、4月の時点で九九の表や九九の歌が流れる付録が送られてきたり…。
早くから取り組めるような配慮もされています。
では、今まで行った算数の単元と比較して、具体的にどのような部分が「壁」となりやすいのでしょうか。
まるで呪文!独特の言い回しに大苦戦!
九九では1×1= を「いちいち」ではなく「いんいち」と読んだり、8×8=「はっぱ」と読んだり…
言い回しが決まっている上に、今まで習った数字の読み方が通用しません。
なので、式と答えとセットでこの呪文のような言い回しを覚えなければならないのです。
4=「よん」ではなく「し」、7=「なな」ではなく「しち」と、九九内で呼び方が統一されているとのは事前に説明したり、言い回しが独特なものは表に印を付けたりして注意を促せると暗記がスムーズになりそうですね。
膨大な暗記量に絶望
九九=81通りの計算と答えをを暗記しなければいけません。
この情報だけを提示されたら、大人だってとても高いハードルに感じますよね。
我が家は初めて九九の表を見せて「2年生はこれを暗記するんだよ~」と伝えたら、息子は絶望して泣きました。
きっと、表に書かれた膨大な情報量を覚えなければいけないという事が本人にとってかなりの衝撃だったんでしょう。
軽い気持ちで表の意味を伝えたつもりだったのですが、我ながら大失敗です。
1の段を指差して、掛け算の意味から入るべきでした。
状況の変化に弱い子、繊細な子の場合はファーストインパクトを工夫してみてください。
この先の計算問題の基盤にもなる掛け算
掛け算は、足し算や引き算に続き 様々な計算の基盤となっていく部分です。
今後も面積や距離を求める公式などなど…様々な場面で登場し続けますし、大人になっても私生活の中で頻繁に使います。
それだけ大事な単元となると、親としても気が抜けないという焦りが出がちですが、大事な単元だからこそ気長に着実に取り組むことが大切です。
知っておきたい☆九九の暗記のコツ
ここからは九九を暗記するコツやアイディアをご紹介したいと思います。
まずは掛け算の意味を理解しよう
子ども達にとって掛け算は初めての計算方法。
まずは闇雲に九九の暗記を始めるのではなく、暗記に対する必要性を理解してもらうところから始めていきましょう。
例えば小分けのお菓子を使って
「1袋にお菓子は何個入ってる?」「3袋だと何個になる?」と実際に指差してもらいながら一緒に数えましょう。
この「〈ひとまとまりの量(数)〉×〈いくつ分〉=〈全体の量(数)〉」を求めるという計算が掛け算であることを理解してもらいましょう。
2個入りのお菓子なら簡単に計算できるけど、
例えば8個入りのお菓子が9袋あったら数えるのが大変!
そんな時にパッと答えが出てくる魔法の呪文が九九であることを説明しましょう。
もしおうちに表がある場合は、実際に1から数を数えるのと表を見るのでは どちらが早いか競争してみても九九の便利さが伝わる上で効果的かもしれませんね。
九九の表を用意しよう
九九の表はネットショップや100円ショップでも手に入ります。
また、自宅でプリントアウトできる環境なら、ネットのフリー素材をダウンロードするのもおすすめです。
表は式答えともに読みがながふられているものが良いでしょう。
先ほどご紹介したように、呪文のような言い回しが多いので、そこも含めての暗記となります。
我が家では九九の表がたまたま手元に2枚きたので…1枚は壁に貼り、もう1枚は段ごとに切り分けました。
この切り分けた方を「今日は〇の段ね!」と渡しています。
暗記の手順として
①音読するだけ
②ふりがな部分を(テープなどで)隠し、正しい言葉を唱える練習
③②に加えて答えを隠して唱える練習
④完全暗唱
⑤逆(〇×9)から1つずつ下がって暗唱
⑥ランダムで出題しても答えが出る
までできたら、合格としています。
途中でつっかえたり、わからなくなってしまった場合は壁に貼ってある表で確認してもらいます。
1の段が唱えられたら過剰に誉める
九九の入口であり、一番覚えやすい1の段を誉めてあげるのは、やる気を引き出す大チャンス!
膨大な暗記量の九九に対するハードルを下げきることで、2の段以降も頑張ろうと思えます。
「いつもと違う1の言い方なのに正しく言えて凄い!」「こんなに早くできちゃうなんて才能あるんじゃない?」「もう9のうちの1終わっちゃったね!」等、あらゆる角度から誉めて、「これなら次もできるかも…」という気持ちに繋げてあげましょう。
九九ソングでリズミカルに暗記
教えてもいないCMソングや店頭で流れるBGM
を 子どもが口ずさんでいることはありませんか?
音楽に乗せるといつのまに自然と身体で覚えてしまう…それを活かして九九を暗記するのも1つの手です。
参考までに我が家でよく流す九九ソングのリンクを2曲ご紹介しますね♪
♪九九の歌
♪九九サンバ
(こちらの方が気持ちゆったり目です)
この他にも様々な九九ソングがありますので、子どもが好きそうなものを選んで定期的に家庭内で流してあげましょう。
九九の表を見ながらでも良いですし、お手伝いをしている時やブロック遊び等で作業しつつ耳は空いている時にBGMとしてかけるのもありです♪
6の段からが特に難関!焦らず根気よく!
数が大きく、且つ規則性が無くなってくる6の段以降はなかなかの難易度。
表暗記、リズム暗記等で根気よく行っていくのがメインにはなりますが、それでも躓いてしまったら、こんな方法もあります。
【語呂合わせ】
例えば「8×8=64」は「8×8(葉っぱ)=64(虫)」と言葉に関連付けて記憶する方法です。
脳内でイラスト変換しやすくなる分、記憶しやすくなります。
いつも止まる部分が決まっているなら、そこを語呂合わせにして乗り切りましょう。
【前後セットでまとめて暗記】
いつも止まってしまう式の前後もセットでひたすら音読する方法です。
例えば「7×6=42」の部分で躓くようなら、「7×5=35 7×6=42 7×7=49」をひたすら繰り返し音読します。
覚えられた!と思ったら、7×1=7~の暗唱にチャレンジしてみましょう。
苦手部分をサンドイッチのように挟み込むことで、「7×5=35」を唱えた時 反射的に「7×6=42」「7×7=49」と続き、気が付いたら全部言えてる!という流れを作り出しやすいのがこの方法です。
いずれにせよ、子どもの様子を見ながら、合う方法を模索していきましょう。
我が家で効果大だった取り組み「駄菓子屋の九九屋」を紹介♪
ここからは、九九の暗記に向けて我が家のおやつタイムに導入した駄菓子屋の様子をお伝えします。
掛け算で買い物するおうち駄菓子屋、その名も「駄菓子の九九屋」です!
元々コロナ禍におうち駄菓子屋を作り、10円玉で足し算の練習をさせていたのですが…
それがとても楽しかったらしく、「掛け算バージョンで また駄菓子屋さんやってよ!」とリクエストされたのがきっかけでした。
日々 物価が変わる!?不思議な駄菓子屋
「駄菓子の九九屋」では、店主(私)に渡された「買い物シート」を使って買い物をしていきます。
ここで注目すべきは「本日の物価(何の段で買い物をするか)」と「予算」です。
子どものレベルに応じて物価も予算も毎日のように変動します。
一方、お菓子には値段ではなく「×3円」など、倍率のみ記されています。
これは値札のシールが「×3円」で物価が「2の段」だった場合、2×3=6円で買える商品であることを表しています。
この値段の見方を使って、定められた予算内で買い物をしていくのが「駄菓子の九九屋」のルールです。
今日の物価(段)を暗唱して買い物スタート!
買い物をするにあたって、まずは九九の該当段を覚える必要があります。
買い物用紙と一緒に九九の表を渡してよく覚えてもらいましょう。
暗唱してもらい、大丈夫そうなら買い物スタート!…が最終的には理想的ですが、最初のうちは難しいと思うので、「今日は表を見ながら買い物していいよ」「3回までなら表を見ていいよ」と、段階を踏んで少しずつ覚えてもらいましょう。
予算で足りるかな?これまで習った筆算も役立てよう!
お菓子を選びながら、買い物シートにはいくらのものをどのくらい買うのかメモをしてもらいます。
予算内で買い物をするルールなので、合計金額を計算するうちに、自ずとこれまでに習った足し算(予算から差し引くやり方なら引き算も)をする必要が出てきます。
挑戦する段によっては2桁や3桁の計算になりますので、ここで筆算が存分に役に立ちます。
復習にもなって一石二鳥です!
(この日は3の段の物価で行いました)
お釣りまでしっかり計算できたらおやつゲット♪
計算して合計金額とあまり(お釣り)が正しく出せたら、買い物成立です。
あえてお釣りが出るように金額を設定する日もあるのですが、本人はいかに無駄なお釣を出さずにお菓子を買い切るか…と、そりゃあもう熱心に計算しています。
普段の勉強もこのくらい前向きに取り組んでくれたら良いのですが…やはり、頑張った先に美味しいご褒美があると思うと、やる気が出るのでしょうね。
新しい段に苦戦することもありますが、今のところ「毎日やりたい!」という前向きな姿勢で取り組んでくれています。
毎日 続けていく中で「数の大きいお菓子は最初のうちに選んで計算するといい!」とか「物価数よりも大きい数が余ってる場合は、まだなにか買える!」とか…
気付いたことを得意気に教えてくれたりもして、日々の中で楽しく数に慣れていく良い機会だなと私自身も感じています。
お菓子を揃えたり、値段付けをしたり、計算に付き添ったり、それなりに手間は掛かるのですが…
こんな方法で九九に触れていくという方法もあるので、よかったら参考にしてみてくださいね。
慌てて詰め込むのはNG!気長に着実に取り組もう。
九九は小学校に入ってから始めての本格的な暗記単元。
量も多いし、後にも繋がっていく単元だし…と思うと、それをフォローする親にとっても大きな課題に感じます。
しかし、重要な単元だからこそ 焦らず子どもペースで取り組むことが大切です。
躓いてしまったら、何度でも表を指差しながらフォローしてあげましょう。