2023年09月07日 公開

【中学受験体験談】調査書(報告書)とは?評価のためにできること

体験レポ連載「塾なし!小6からの中学受験」。4回目の記事では、国公立中学、一部の私立中学の受験に必要な調査書の評価の上げ方をご紹介します。調査書は、合否を左右する選考資料です。悔いのないようにしっかり準備しましょう!

小6からの中学受験

小学校5,6年の成績と生活態度の総評である調査書。(報告書としている中学校もあります。)国公立中学受検には必須です。また私立中学の一部でも受験必要書類となっています。

調査書は、小学校の担任の先生にお願いをして作成していただきます。6年生の2学期までの成績が対象となるので、手元に届くのは12月中旬以降(2学期の成績が決まるまで)となります。
入学試験の一部でもある調査書。できれば良い評価をいただいて、合格率をあげたいですよね。

この記事では娘の中学受験体験を基に、調査書の依頼の仕方、調査書の内容、調査書の評価を上げる学校生活の送り方についてご紹介いたします。

調査書には5年生の成績も書かれる

2学期9月末から受験勉強をスタートした娘。
勉強は本人に頑張ってもらうとして、願書などの提出書類は、親が確認して万全を期しておかなくてはなりません。

志望校は3校でしたが、3校とも受験票以外に提出する書類がありました。
1校は調査書、1校は成績表のコピー(6年生1,2学期分)、もう1校は活動報告書(校内外の受賞・表彰歴などを書く)の提出が必要でした。

この中で、私が不安に感じたのは調査書です。成績表のコピーに関しては、1学期の成績が良く、2学期の学校生活も特に問題はなさそうだったので、良い評価が期待できそうだったからです。また活動報告書は自由研究や習い事の受賞歴を書こうと考えていました。
しかし調査書は「小学校5,6年2年分の各教科の学力と生活態度の総評」です。5年生の1学期の成績が、6年生の時より良くなかったので心配になりました。
また、5年生の時の担任の先生が異動されてしまったため、調査書の作成は現在の担任の先生主体となるのも、評価が偏りそうな気がしてしまいました。

中学受験に必要な調査書とは?

中学受験では適性検査(国公立)、学力試験(私立)の他に、調査書の提出が求められることがあります。
調査書は、小学校の先生がその生徒の成績や生活態度を評価し、その内容を校長が確認した後、「厳封」した書類です。つまり親に内容を知らせない前提で書かれている「学力と人間性の評価」です。
提出書類に調査書がある中学校は、小学校の成績や生活態度を重要視している可能性が高いです。

【調査書に書かれること】・5,6年の全教科の成績
・生活態度・・・挨拶、整理整頓、人と接する態度など
・出欠席数

国公立中学では、調査書が必ず必要です。国公立受検においては、調査書の配点比率が高いことも多いので、調査書の評価が合否に影響します。(例:250満点中、「調査書・志望書・志望理由書・活動報告書」の配点が100点)

一部私立でも調査書、または成績表のコピーが必要となります。
調査書は、高校受験時の内申書のようなもの。出欠席数・成績・生活態度等が書かれていて、内容は通知表とほぼ同じです。

小学校に調査書を依頼するのはいつ?

娘が受験する予定だった3校のうち、調査書が必要だったのは1校。また1校は成績表のコピーが必要とのことでした。

担任の先生に調査書と成績表のコピーを依頼したのは11月下旬。どちらも6年生2学期までの成績が対象なので、依頼するのは少し早い気もしました。ただ同じクラスに数名受験予定の子がいたので、早めに知らせることで、先生が準備しやすいかと思いました。

成績評価、面談、行事練習、クラブ活動・・・12月の先生はとても忙しいので、調査書の依頼は11月下旬~12月第1週までにすませておきましょう。
5,6年生担任の先生、副担任、ALTの先生、学年主任、校長先生など、たくさんの先生の確認が必要になるものなので、願書提出期限ギリギリにお願いするのはNG。

逆にあまり早い時期(例:募集要項が開示されてすぐの9月下旬)に、依頼の手紙や受験校の資料を渡してしまうと、その管理が先生の負担になることも。

調査書の依頼の仕方

筆者の場合は電話連絡後、後日、先生にお会いして調査書と成績表のコピーの依頼をさせていただきました。

まず電話で

・中学受験のため、調査書と成績表のコピーが必要であること
・先生の都合の良い時に、必要書類についてお話させていただきたい。

を伝えました。

先生は16時以降であれば、いつでも良いとのことなので、2日後の16時過ぎに学校に出向き、以下のものを手渡しして、調査書と成績表のコピーの作成をお願いしました。

・調査書と成績表のコピーの依頼文(お手紙)

・受験予定の中学校の募集要項のコピー

調査書は中学校指定の用紙はなかったので、当該中学の募集要項のコピーの余白部分に、

「依頼書作成をお願いいたします。娘の氏名・クラス・出席番号・志望校」

と書き、必要書類の箇所にマーカーを引いておきました。成績表のコピーも同様に書き込みをして、依頼書(書類を書いていただくお願いの手紙)と一緒にクリアファイルに入れてお渡ししました。

先生との面談は短時間で

忙しい先生を長く引き留めることは避けたかったので、手短に志望校と必要書類について説明しました。
先生からは、
「調査書と成績表のコピーはいつまでに必要か?」

「子ども経由で渡しても良いか?」
の2点の確認がありました。

先生としては終業式の日に、子ども経由で渡したいとのこと。調査書・成績表のコピーは年内にいただければ問題なかったので了承しました。

最後に
「今日、時間をいただいたことへの感謝」

「忙しい中、調査書・成績の書類作りをしていただくことへの感謝」

「日ごろの教育指導への感謝」
を伝えました。

学校に着いてから、10分程度でやり取りは終了。
私たちにとっては、一生に一度の中学受験ですが、今まで多くの学校の調査書を書いてきた先生にとっては、毎年恒例の事務処理のひとつに過ぎません。過度に神経質にならなくても大丈夫です。簡潔に要件を伝えて、丁寧にお願いすれば快く引き受けていただけるでしょう。

調査書依頼のポイント

■なるべく先生に会って直接お願いする。

■先生は忙しいので短時間で用件を伝える。

■調査書依頼書、受験・受検校の調査書(指定がある場合)、募集要項などを、1式まとめて渡す。

■調査書を書いていただくこと、日頃の指導への感謝を伝える。

依頼書の文例

筆者が担任の先生に書いた依頼書は以下の通り。

○○先生

いつも大変お世話になっております。

先日、お話させていただいた■■中学の調査書と△△中学の成績表のコピーの作成をお願いいたします。

願書提出締め切りが✕月〇日となっておりますので、□日までに作成していただきますと幸いです。
ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

先生の都合で会う時間がとれない場合は、連絡帳に依頼文を書き、必要書類と共に子ども経由で渡します。

娘経由で届いた調査書。その内容は?

終業式の日に娘が持ち帰った調査書と成績表のコピー。もちろん調査書は厳封されていて、内容は確認できません。
しかし、封筒が薄く太陽光や照明に透かすと中身がうっすら見えてしまいました。

見えた内容は

【5,6年の10教科の評価】
国語・算数・理科・社会・英語・体育・音楽・家庭・図画工作・道徳の10教科が1~3の数字で3段階評価されていました。3がよくできる、2ができる、1がもう少しでした。

【5,6年の出欠の記録】

【生徒の生活態度】
数字による評価ではなく、言葉で書かれていました。

でした。
10教科の評価、生活態度ともに、とても良い評価をいただいていて、ありがたかったです。全体的に「生徒の良い所をアピールする調査書」感があり、励まされました。

国公立中学受検では合否に影響大

先にも述べた通り、国公立中学の受検の総合得点において、調査書の占める割合は高いです。

・筑波大学付属中学校(2023年度)
学力検査配点・・・4教科計150点満点  国語50 点、社会25 点、算数50 点、理科25 点

報告書点・・・ 6年生12月末の9教科の学習の記録(評定) 計 42 点満点
国語・社会・算数・理科(各3点)、 音楽・図画工作・家庭・体育・外国語(各3点×2)

・ 東京都立立川国際中等教育学校 (2023年度)
総合得点1000点満点
適性検査の満点・・・750点
報告書の満点・・・250点

国公立中学を狙うのであれば、調査書評価対象となる前年の小学4年生から、成績や生活態度への意識を高く持った方が良いでしょう。

私立でも調査書は良いに越したことはない

私立中学でも調査書、成績表のコピーの提出が求められることもあります。国公立に比べて重要度は低いものの、欠席があまりに多い、成績が著しく悪い、など「悪い意味で突出した」調査書にならないようにしましょう。
入試で合格ラインギリギリだった場合など、学力試験が同点の人と比べられた時に、調査書の評価が高いに越したことはありません。

調査書の評価を上げるためにすること

調査書には、5年生からの2年間分の学業・生活態度が書かれることが多いです。5年生になってから急に頑張るのは難しいので、4年生までの間に家庭学習習慣と正しい生活リズムの徹底をしましょう。また同時に授業で積極的に発言する、礼儀作法やマナーを身につける、得意なことを伸ばす、ことも大切。
学校に休まず通い、安定して良い成績をとり続けることが調査書の評価を高めます。

小テスト、カラーテストは満点を目指そう

漢字、計算の小テストは宿題をやっていればできる問題なので、100点を目指します。また各教科の単元終わりに行われるカラーテストは基礎的な問題です。応用問題や、ひっかけ問題はほとんど出ないので、こちらも100点を狙いましょう。
いつもテストは100点をとるつもりで臨むことが、調査書の評価をアップさせます。

ただし、100点がとれないからといって、お子さまを責めるのはNG。間違えた個所を解き直して理解できれば良いのです。中学受験を意識しすぎて、親御さんが100点以外は認めない態度をとることで、自信を失っていく子もいます。

授業はもちろん、委員会、部活動でも発言しよう

調査書は5,6年の成績表の評価をまとめたものです。つまり学期ごとの成績表が良ければ、調査書も良い評価となります
小学校の成績表は、テストの点数が良いだけでは一番良い評価はもらえません。発言の多さ、提出物の質、授業態度も評価の対象となります。

また、調査書の「生活態度の評価=人物評」は、委員会や部活動、学校行事への取り組み方からも評価されます。
学校生活全般において、積極的に参加し、発言をする姿勢を心がけましょう。
挨拶、授業態度、提出物・・・当たり前のことをコツコツと。日々の生活態度の積み重ねが大切です。

校内外問わず表彰されるチャンスを活かそう

国公立、私立問わず「活動報告書」「資格証明書コピー」などの、「小学校6年間の実績」をまとめた書類の提出を求められることがあります。これまでの学業、スポーツ、芸術活動等の実績があれば、ジャンルを問わずアピールすることができます。

英語検定、算数検定、漢字検定などの資格・検定試験の合格、ピアノや水泳、サッカーなどの習い事の入賞、夏休みの自由研究コンクールの入賞、ボランティア活動・・・校内外問わず表彰されたものがあれば記入できます。

娘は「活動報告書」と「資格証明書コピー」を自分で作成しました。これまでの習い事の入賞、資格試験の認定書、夏休みの自由研究などの賞状(過去の実績)を確認することで、自信が持てたそうです。

得意なこと、好きなことのコンクールや大会があったら、気軽に参加してみましょう。規模の大小は気にせず、「表彰されるチャンス」を活かしましょう。受験時にアピールできる活動実績が増えるかもしれません。

何事にも前向き取り組むことが評価を上げる

お子さまが受験勉強を頑張ってきた姿を見てきたからこそ、「調査書に良い評価を書いてもらいたい!」という気持ちは強くなりますよね。調査書を依頼する時点でできることは、「丁寧に、先生がわかりやすいように頼む。(短時間で)」だけかもしれません。忙しいのに指導以外の事務作業を依頼することに、申し訳ないという気持ちと、感謝する気持ちをしっかり使えると良いでしょう。

調査書の評価を上げるのは、難しいことではありません。
学校生活のすべてにおいて、「前向きに、精一杯取り組む」ことで、何事も上達し、成果が上がるようになります。もちろん、先生にも好印象を与えられます。挨拶、整理整頓、人の話を聞く、提出物を漏れなく出す、授業中に積極的に発言する・・・当たり前のことを毎日続けましょう。
充実した学校生活を送ることが、良い評価に直結しますよ。

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この記事のライター

KOMETA
KOMETA

ライター業と服飾関係のフリーランスで働く兼業主婦です。南関東在住。小6・秋に中学受験を決意した娘の数カ月間の奮闘をまとめました。途中生活リズムが崩れたり、情緒不安定になったりもありましたが(親子共に)、無事、志望校の私立中高一貫校に合格。中学受験のスタートが遅れてしまった、受験が近づくにつれて自信がなくなってきた、勉強のモチベーションが保てない…親御さん、お子さま方の不安が解消出来たら嬉しいです!