2023年07月23日 公開

塾なしでも合格!小6での中学受験 おすすめ参考書・問題集

体験レポ連載「塾なし!小6からの中学受験」。2回目の記事では約4カ月で中学受験準備を完了させたおすすめの参考書、問題集のご紹介。短期間で「塾で教える受験テクニック」を身につけ、過去問に取り組める学力を養えます。家庭学習で使いやすいものを選びました。

小6からの中学受験

私立中高一貫校の中学1年生である娘が、中学受験を決意したのは小6秋。
受験準備をスタートさせるには、あまりにも遅かったため「中学受験専門塾」の入塾はあきらめました。(中学受験専門塾の在校生はすでに小6の勉強を終えて、過去問に挑戦している段階。授業についていけないと思いました。)

そこで選んだのがオンライン家庭教師の中学受験コース。受験に間に合うようハイスピード、要点を抑えた効率的な学習カリキュラムを組んでもらいました。そのおかげで小6の勉強を終了させ、4教科分の中学受験の勉強が一通りできました。

オンライン家庭教師の授業や宿題に使用されたのは専用テキストと先生がおすすめしてくれた参考書、問題集、私が口コミを参考に選んだ参考書でした。
この中でも娘の学力を志望校受験レベルに持ち上げてくれたのは、理科と算数の受験テクニックを広く、深く学べる参考書。受験テクニック必須な理科・算数の入試問題の解法と過去問について、基礎学力レベルから学べる内容でした。塾なし&受験テクニック0の娘でも理解できていました。

中学受験には「技能(テクニック)」が必要

中学受験の入試問題は学校の授業だけでは太刀打ちできないものが多いです。

娘の志望校3校はすべて私立でしたが、学校によっては国立、公立中高一貫校のような適正検査型の問題が一部出題されます。

例えば、以下のようなタイプの問題です。

■重さの違うおもりを3つ重ねて振り子を作る。その振り子の重ね方で周期が変わる時、どのような重ね方で一番周期が長くなるか?

■直方体の容器の中に「水を入れる際の時間と水面の高さの関係」を、以下1~3の条件に応じたグラフで表す。

1.何もしない場合
2.傾けた場合
3.直方体の半分の高さのついたてを入れた場合

のような論理的思考力も問われる問題です。

また私立中学受験には小学校の授業だけでは解けない、中学受験専門塾で教えるような受験テクニックが必要な問題が頻出します。
特に理科と算数は入試問題を解くための「技能(テクニック)」がなければ、時間内に問題を解くことが厳しいでしょう。

例えば、理科の「金属と水溶液」の問題。
「アルミニウムは塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の両方に溶けるが、鉄は水酸化ナトリウム水溶液には溶けない」
ということを踏まえた上で、
「食塩・鉄・銅・アルミニウムの選別方法を表したフローチャートの穴埋めをする。」
のような問題に取り組まなくてはなりません。

また算数の「場合の数・組み合わせ」では、いくつかのものの中から、異なる何個かを選ぶ際の組み合わせ(何通り)を求める公式を使います。

「異なるn個から、異なるr個を選んで取り出す組み合わせ」は以下の公式でもとめられます。

この公式を使うことで以下のような問題も短時間で溶けます。

・異なる6つのサッカーチームで総当たり戦を行う際、どのチームも他のチームと1回ずつ試合をするとしたら、全部で何試合あるか。

受験テクニックを身につけ、「この問題にはこの公式、この図を使う」というように覚えてしまえば、あとはひたすら過去問を解いていけばOK。
特に娘は時間がなかったので、「塾の受験テクニックをまとめた参考書」を確認しながら、さまざまな中学校の過去問を解くことで、実践しながらテクニックを身につけていました。

国語は市販の参考書・問題集とすきま時間の読書

漢字の読み書き、慣用句、長文読解(物語文、論説文、随筆など)の力をつけるには、日々の読書が有効。短編集、ライトノベル、図鑑・・・ジャンルは問わず、好きなものを読めばOK。
論理的思考力、語彙力、読解力、一般常識などの「国語(だけではなく全教科かもしれません)ができるようになるための力」を養います。

幼児期から読書をしていることがベストですが、読書が苦手で今まで読んでこなかった場合でも、今から読みましょう。すきま時間に好きな本を読むことで「国語力アップ効果」は感じられるはず。
娘は受験勉強中の気分転換に「初版・グリム童話」、「星新一 短編集」、「ヘルマンヘッセ 短編集」を読むことで、語彙力と読解力の伸びを実感しました。

要約は「キーワードを見つけるコツ」をつかめれば楽勝

長文読解で頻出する要約問題。「筆者の考えをまとめ、それに関するあなたの意見を150字以内で書きなさい」のような問題ですね。
苦手とするお子さまも多いですが、作者の意図を伝えるために欠かせない「キーワード」を見つけられれば簡単です。その「キーワード」を必ず入れることで、おのずと文章がまとまることが多いです。キーワードを見つけるには、言い換えながらも繰り返し出てくることば逆説の接続詞の後に出てくることば、結論の接続詞の後に出てくることば等に注目すると良いでしょう。

長文読解の記述式問題対策用の参考書・問題集を1冊やれば、「キーワードを見つけて、要約する力」がかなりつくはずです。

理科、社会は写真や図表の多い参考書で知識量アップ

学校で学ぶ内容よりも一歩踏み込んだ知識が求められる理科、社会。
特に社会は日本地理、世界地理、日本史、世界史、政治経済、時事問題と幅広い知識が求められるため、暗記量はかなりのものとなります。

理科も水溶液と気体、植物のつくり、人体について等、さまざまな分野において、小学校では習わない用語も出てくるので、できるだけ早く頭に入れておきたいところ。

短期間で大量の知識を脳に記憶させるには、もともと持っている知識と結び付けて覚えるのが効果的です。そのためには写真や図表の多い参考書を使って、「イメージ」と共に用語を記憶するのがおすすめ。
今までの経験や学習で得た知識と、参考書の写真や図表がつながり、あまり興味のない用語も頭に入りやすくなります。

小6秋からの中学受験勉強で活用した教材

娘が受験勉強を決意したのは小6・9月。短期間で学力を上げるために、オンライン家庭教師の中学受験コースを受講しました。
そのスクールでは、自分が使いたい問題集や参考書を使った授業も可能でした。しかし、娘は小6の学習がまだ終わってないため、どのような参考書、問題集を購入すれば良いのか迷いました。
スクールの事務局に相談したところ、中学受験対策の小6の学習を終えていない子でも、中学受験準備がスタートできる専用テキストがあるとのこと。とりあえず、そのテキストを購入しました。

そのテキストの他に、参考書、理科・社会の用語の解説がすぐに読める参考書が欲しかったので
「自由自在 社会(小学高学年)受験研究社」、「自由自在 理科(小学高学年)受験研究社」を購入。

受験テクニックなしでは解くのが難しい算数と理科。
解法パターンを覚えて、繰り返し類題を解くしかないので、塾で教えてもらえる受験テクニックをまとめた「塾技100 算数 文英堂」、「塾技100 理科 文英堂」を選びました。

また志望校の中に、適性検査型試験があったので「24日間で完成! グラフ問題 特別ゼミ 吉原 功」資料分析力記述力を高めました。こちらはオンライン家庭教師の先生がおすすめしてくれたものです。

国語で頻出することわざ・四字熟語・慣用句はなるべく早く暗記してほしかったので、漫画で覚えられる「ことわざ 四字熟語 慣用句 大辞典 1120」に頼りました。寝る前に読んだり、学校の休み時間に友達と読んだりして、何度も読み暗記しました。

また時事問題についても、ニュースを見るだけでは足りないと思い、「時事問題に強くなる本 Gakken」をすきま時間に読んでいました。

自由自在 理科 

タイトル:基礎から難関校受験まで 自由自在 小学 高学年 理科
出版社:受験研究社

ママパパで使っていた方も多い「自由自在」。筆者も使っていました。
生き物、地球、エネルギー、物質・・・3~6年で学ぶ単元を基礎から中学受験対策までしっかりサポート。写真、図、表が多く、目で見て理解できる参考書です。小学校教科書の内容+中学入試向け発展的な学習内容で、小学校6年間の勉強のまとめから、私立、国公立中学受験までしっかり知識を積み上げられます。

単元のはじめにある漫画を読むと、学習内容に興味がわき自然と解説ページが読みたくなります。知識を暗記するというよりも、興味があるので自然と読み進んでしまう図鑑のような参考書だと思います。
各章の最後には思考力・判断力・表現力を養える「チャレンジ!思考力問題/作図・記述問題」があり、学んだ内容の理解度がチェックできます。

自由自在 社会

タイトル:基礎から難関校受験まで 自由自在 小学 高学年 社会
出版社:受験研究社

とにかく範囲が広く、暗記しなくてはならない用語、知識が多い社会。受験に出題される5、6年に学ぶ単元を完全網羅した参考書です。カラフルな図表で、入試頻出で混乱しがちな単元(日本の鉱産資源や工業・交通・観光、各時代の政治制度など)も整理しながら覚えられます。

「中学入試にフォーカス」では入試頻出の用語、事項、テーマを掘り下げて解説。問題形式で「暗記必須」な知識を確認できる「入試のポイント」と、過去問で力試しできる「チャレンジ!思考力問題」、「チャレンジ記述問題」に取り組めば実践力が身につきます。

塾技100 算数

タイトル:塾講師が公開! 中学入試 塾技100 算数
出版社:文英堂

算数が苦手&受験勉強をしていない娘が救われました。
Z会進学教室講師 森 圭示著の、「受験算数の解法」を1冊にまとめた参考書兼問題集。
実際に塾で行われているカリキュラムに沿った、効率の良い内容で「短時間で入試テクニック」が身につきます。

中学入試の算数は、公立の小学校の授業だけでは解けないことが多いです。大人も考え込んでしまう問題もあります。
しかし、この『塾技100 算数』で解法パターン(テクニック)を学ぶことで、解答までの道筋が見えるようなります。
表紙で「大手進学塾で教えている技で入試算数を完全攻略!」と謳われている通り、この1冊に取り組むことで難易度の高い過去問も1人でできるようになります。

塾技100 理科

タイトル:塾講師が公開! 中学入試 塾技100 理科
出版社:文英堂

『塾技100 理科』は参考書・問題集・図鑑を1冊にまとめました。
入試頻出の植物・動物・気象現象・電流などの図やデータはすべて掲載。単元ごとに詳しい解説、塾技チェック!問題、チャレンジ!入試問題があって、苦手を作らずに学習を進めていけます。

用語を覚える暗記力、問題文を理解する読解力、データや図を読み取る分析力、滑車・振り子・電流と電圧などの問題で必須となる計算力・・・理科の入試では幅広い学力を求められます。
また出題される分野も幅広く、生物・化学・物理・地学をすべて勉強しなくてはなりません。

『塾技100 理科』あれば、いろいろな参考書、問題集、図鑑を購入しなくても、中学受験対策が可能です。
私の娘のように、受験までの時間が短いお子さまや、教材が多過ぎて勉強が進まないとお悩みのお子さまにおすすめの1冊です。

24日間で完成! グラフ問題 特別ゼミ 

タイトル:24日間で完成! グラフ問題 特別ゼミ 
出版社:朝日学生新聞社

オンライン家庭教師の先生(難関私大在籍、中学受験指導歴2年、中学受験経験あり5校合格)が「国語、社会の記述式問題対策」としておすすめしてくださった1冊。
公立中高一貫校対策の参考書兼問題集ですが、適性検査型の試験を取り入れている、資料分析の記述式問題が出る私立受験生にも推奨します。

24日間で論理力を高め、合格答案が書ける記述力を身につけます。
資料分析、記述力を基礎から難関校レベルまで、ステップ形式で無理なく伸ばします。入門編8日間で、グラフの種類と特長、問題文の読み方、解答の書き方を詳しく、丁寧に解説。9日からは日本の農産物の生産量、各国のフードマイレージ、ごみの最終処分量の推移などの表やグラフを読み取り、簡潔な文章でまとめるワークを行います。
娘がコツをつかんだのは7日目。国語と社会の記述式問題の解答が、論理的で簡潔な文章になっていました。

ことわざ 四字熟語 慣用句 大辞典 1120

タイトル:ことわざ 四字熟語 慣用句 大辞典 1120
出版社:西東社

覚えていれば即答できる「ことわざ・四字熟語・慣用句」の問題は、落としたくないですよね。
かと言って語句と意味を丸暗記するのは、効率が悪く、楽しくない・・・
『ことわざ 四字熟語 慣用句 大辞典 1120』なら想像力を使いながら、楽しく覚えられますよ。
入試頻出のことわざ・四字熟語・慣用句の意味と使い方を、まんがを読みながらマスター。似ている「ことわざ・四字熟語・慣用句」や、間違えやすい漢字も書かれています。
すきま時間に読むだけで、1か月もしないで覚えられるはず。

時事問題に強くなる本

タイトル:時事問題に強くなる本
出版社:Gakken

首都圏の私立・国公立中学校153校のうち127校(約83%)が、昨年度の入試に時事問題を出したそうです。(2022年 Gakken調べ)
「時事問題に強くなる本」では、入試年の前2年政治、経済、国際、社会・文化・理科・環境の時事ニュースをまとめています。
たくさんの時事ニュースの中から、入試に出そうなものをピックアップして、データを整理して書いてあるので、あれこれ資料を探さなくてもOK.
新聞やニュースに興味が少ないお子さまも、写真とカラフルな図表で、読みやすく、記憶に残りやすい!
じっくり記事を読んだら、重要用語のスピードチェックと実践問題に挑戦。
娘は志望校の過去問と照らし合わせながら、このニュースはこんな聞かれ方をするかも・・・と予想していました。

短期間の中学受験対策は無理なく、効率重視で

我が家の場合は、入試までの時間が短いこともあって、問題集や参考書は少数精鋭で選んで、1冊1冊を確実に終わらせていこうと決めていました。
ただ、いざ参考書を選ぼうとすると、現在の娘の学力にはどんな参考書、問題集が適しているのかわからなくなりました。

某大手進学塾の各教科の参考書や、歴史人物事典、計算力トレーニングドリル、小学6年生の総復習ドリル・・・どれも必要な気がしますが、すべてに取り組む時間はありません。
オンライン家庭教師の先生に相談したところ、「短期間で中学受験対策」をするなら、以下のような参考書、問題集をおすすめするとのことでした。

受験まで時間がない場合の参考書、問題集

・解説と過去問が一緒になっている参考書。(国語、算数、理科、社会。過去問の難易度に幅があると良い。)

・理科、社会は「事典、資料集」として使える、図や表の多い参考書がおすすめ。は
(問題演習をしながら、いつでも調べられるように)

・ことわざ、慣用句、四字熟語はまんが辞典。楽しくすきま時間に覚えられる。

・記述式問題は書いて慣れるワーク形式が◎。何冊も取り組まなくてもOK。1冊やりきればコツをつかめる。

また志望校の過去問についてですが、受験まで時間がないのであれば、学校の出題傾向をつかむためにも、早めに躊躇せず挑戦した方が良いとのアドバイスもいただきました。(たとえ解けなくても)

親は精神的サポートを心がけよう

受験前は、多くのお子さまが緊張と不安で、精神的に追い込まれます。
できない箇所ばかり目について、自信がなくなることもあります。また、周囲の友達の成績の良さに焦りを感じることもあるでしょう。

親から見て、「もっと勉強して欲しい」と感じた場合でも、子どもの劣等感を刺激する、追い詰めるような発言は避けましょう。元気に見える子でも「受験間近である」ということがストレスになっています。

親は「栄養たっぷりの食事を作る」、「話を聞いてあげる」、「毎日の頑張りを認めて声がけする」という3つのサポートをすれば良いでしょう。
静かに寄り添うことが子どもの情緒を安定させ、集中力も高めます。

次回は受験前に学校を休むのあり?塾ありでも塾なしでも悩ましい1月の過ごし方について実体験を元にレポートします!
お楽しみに♪

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この記事のライター

KOMETA
KOMETA

ライター業と服飾関係のフリーランスで働く兼業主婦です。南関東在住。小6・秋に中学受験を決意した娘の数カ月間の奮闘をまとめました。途中生活リズムが崩れたり、情緒不安定になったりもありましたが(親子共に)、無事、志望校の私立中高一貫校に合格。中学受験のスタートが遅れてしまった、受験が近づくにつれて自信がなくなってきた、勉強のモチベーションが保てない…親御さん、お子さま方の不安が解消出来たら嬉しいです!