2022年07月27日 公開

無駄じゃない!「幼児期からの英語学習の効果」続けて伸ばす英語力

幼児期から英語学習をはじめたものの、英語力に進歩が見られず、不安を感じるママパパは多いかと思います。現時点で学習成果が出ていなくても大丈夫!英会話教室、英語塾、通信教育などで、英語を学び続けることで、「英語を理解する聴覚、言語能力の土台」が育っています。

グローバル化が進み、学び方や働き方に多様性が生まれた現在。
国を越えてより多くの人と「コミュニケーションが取れる言語能力=使える英語力」を持つことは、未来の選択肢を広げるのはもちろん、学校の教科学習、受験、就職などすべてにおいてアドバンテージとなります。

親御さんの多くが、お子さまには”使える英語力”を身につけて欲しいと考えていると思います。脳、聴覚の発達が著しい乳幼児期から英会話教室、英語塾、英語通信教育、オンライン英会話などで学ばせるご家庭は増えています。

令和元年に厚生労働省が行った「「第9回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」の「性別にみた習い事等の種類(複数回答)」では、英会話(他の外国語を含む)を習っている割合は男児が16.4%、女児が21.0%でした。順位としては男女共に5位。水泳、ピアノ、学習塾等に並ぶ「定番の習い事」と言えるでしょう。

参考資料:厚生労働省「第9回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況」令和元年調査 
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/18/dl/kekka_02.pdf

すぐに効果がなくても大丈夫!

乳幼児から英語学習をスタートさせるご家庭は珍しくありませんが、3年、4年と継続していくことは難しいかもしれません。と言うのも、英会話教室、英語塾、英語通信教育、オンライン英会話などで目に見える効果が出るには数年かかることも多いからです。

子どもの学習意欲、言語能力の発達の速度には個人差があります。
勉強を始めて数カ月で英語を話す子もいる一方、4年後に突然読み書きがスムーズにできるようになる子もいます。

脳は12歳までに完成すると言われています。0歳~小学生までは、英語学習をしていて得はあっても、損することはありません。英語を勉強することで、日本語の語彙力や文章力も伸ばせます。
すぐに効果が出ないからと言って、英語学習を諦めてしまうのはもったいない!

何歳から始めるのが効果的?

脳、聴覚を含む、神経系の発達は2歳で60%、5歳で80%まで完成します。10歳にはほぼ100%に。
母語(日本語)を習得したように、「聞く、話す」ことで英語をありのまま受け入れる能力は低年齢であるほど高いです。

5歳までの間に英語学習を始めると脳に言語として認識されやすいでしょう。

また一般的には英語を言語として認識し、発音を聞き取る能力「英語耳」を育てるなら9歳までと言われています。英語耳が育っている人は、正しい発音で英語を話せるようになります。
確かに聴力と脳の発達のピークから見ると、「英語耳」の臨界期は9歳かもしれません。

では10歳を超えたら英語を学んでも無駄なのかと言うと、決してそんなことはありません。集中力、理解力が育っているので、発音法則、文法を理解することができます。またワーキングメモリと長期記憶能力も幼児よりも高いので、学習内容を覚える、覚えたことを応用する学習がしやすくなります。

英語学習の方法と費用目安

英語学習にはさまざまな学び方があります。
英会話教室、オンライン英会話、英語塾、通信教育、市販のCD,DVD教材、ドリルや参考書について特徴と月謝目安をまとめました。

学習方法特徴月謝目安レッスン時間
■英会話教室英語で話すことで、英語を習得する。
主に聞く、話す力が伸ばされる。

外国人、日本人の講師が指導。英語でコミュニケーションを取りながら創作活動や遊びを行う。

レッスン形態はグループレッスン(10人前後)、少人数レッスン(5人以下)、マンツーマンレッスンがある。
6,000円前後~30,000円前後
外国人講師、マンツーマンレッスンは割高になる。
25分~60分
■オンライン英会話
オンラインで受講する英会話教室。
パソコン、タブレット、スマートフォンなどのデバイスとインターネット環境さえあれば、どこでもレッスンが受けられる。

早朝~深夜までレッスンを受け付けているスクールも多く、レッスン時間を自由に選べる。

外国人、日本人の講師が指導。カードゲーム、クイズ、ディスカッションなどで楽しみながら、生きた英語を学べる。

レッスン形態はマンツーマン、少人数レッスンが多い。
2,000円前後~10,000円前後
10分~25分
■英語塾
英語の読み、書き、文法の学習に力を入れて学ぶ。
学校の教科学習の補習、受験、資格試験対策など、目的に合わせた英語の勉強ができる。

日本人講師の指導が多い。
20,000円前後~120,000円前後
50分~90分
■通信教育
タブレットや紙の教材で英語を学びます。
英語以外の国語・算数・理科・社会とセットで学べる教材が多い。
聞く(listening)・読む(reading)・話す(speaking)・書く(writing)の4技能を伸ばす。

言語のネイティブスピーカーの発音を真似る発音練習、AIによる発音評価、文法学習、読解問題への取り組み、などをバランスよく学べる。
3,000円前後~6,000円前後
15分~30分
■市販のCD,DVD教材
幼児期の英語聞き流し学習におすすめ。
ネイティブスピーカーのナレーションで「英語を聞き分けられる」耳を育てる。

手遊びやゲームを英語で楽しめる教材も多く、親子で遊びながら英語の聞く力、話す力を伸ばすことができる。
2,000円前後~180,000円前後(一括にすると支払いが高額になるものもあり。)
自由
■ドリルや参考書
アルファベット、英検対策、小学英語の総括・・・学力レベルや目的に合わせた学習ができる。
キャラクターもの、漫画仕立てのもの、英語で日記をつけるもの、など子どもが英語に親しめる工夫がされたものが多い。

子どもと一緒に選ぶと、学習意欲も高まる。
1,000円前後~3,000円前後

自由

【実例:筆者の近隣に住む小学3年Bちゃん】

「0歳から続けて8歳で英語力開花」

現在小学3年生(8歳)女の子Aちゃんは、英語の長文読解が得意。特に文章を自分で読んだ後に、音声で問いが出される問題が好きです。
会話力もネイティブの英会話教室のネイティブ講師と日常会話ができるレベルです。

Aちゃんは0歳から8年間、英語学習を続けてきました。
ここまで聞くと多くの方は、Aちゃんの英語力の高さは、コツコツ頑張ってきた「当然の結果」と思われるでしょう。

この学習成果が現れるまでには、7年以上の「停滞期間」がありました。あまりに長い間、学習の進歩が見られないので両親は何度も英語学習の継続を迷いました。
しかし、Aちゃんが英語学習を楽しんでいたため、何となく続けていました。
Aちゃんが学んできた英語学習の内容は以下の通りです。

年齢学習内容経過、学習成果
0歳~1歳CDやDVDでかけ流し学習。ダンスや歌で英語に親しんだ。
英語の歌をかけると、声を発して喜ぶ。

ママパパが一緒に歌う、踊ると笑顔になっていた。
1歳~3歳 DVDの英語教材で読み書きを学習。かけ流し学習も継続。
アルファベットの練習は3歳からスタート。お手本通りになぞって書くのも難しい様子。

DVD教材は、途中で飽きてしまい、遊びをはじめてしまうことも多かった。
3歳~5歳 某キャラクターのDVD教材で「読む、書く、聞く、話す」を、実験や創作活動をしながら学習。
アルファベットを暗唱、書けるようになった。単語や短文をどんどん覚える。
5歳~6歳 通信教育(紙教材)で英語の「読む、書く、聞く、話す」を学習。
覚えることはできるが、長文読解や自分から話すことができない。
教材のネイティブスピーカーの話も理解できていない。
6歳~7歳 タブレット通信教育で「読む、書く、聞く、話す」の学習を行う。同時に英会話教室に通い始める。
相変わらず単語や文章を暗記するものの、自分で読み取る、話をすることができない。
英会話教室でも先生の言っていることが、理解できずにジェスチャーに頼り勝ち。

両親は「英語教育」って意味があるのか疑問に思い始める。しかしAちゃんは英語学習自体を楽しんでいるようなので続けさせる。
7歳~8歳タブレット通信教育とオンライン英会話教室(週2回)で学習。
7歳8カ月頃からタブレット学習の長文読解がヒントなしで1人で解けるように。
またオンライン英会話の講師(ネイティブスピーカー)と会話ができるようになる。

講師が出した間違い探しゲーム、連想ゲームをジェスチャーなし、言葉のやり取りだけで楽しめるように。

英語で日記をつける、講師への手紙を書くこともできるようになった。

【実例:筆者の娘と同じ幼稚園に通っていたB君】

「幼稚園年少から続けて小学5年生で話せるように」

小学5年生のB君は、英会話教室に通うことで「ネイティブスピーカーと日常会話ができる」英会話力を身につけました。
学校のALTの先生や、通っている英会話教室のネイティブ講師と流暢な英語で話す様子は、1年前のB君からは想像もできないでしょう。

幼稚園の年少(3歳)から英会話教室に通い続けていたB君。小学4年生までは発話量も少なく、講師に促されたり、動詞や名詞をヒントで与えられて「ようやく英語を話す」レベルでした。
B君の通う英会話教室は、元々幼稚園の課外授業でした。この課外授業は小学6年生まで受講できるので、卒園した後も希望者は通うことができます。

この教室ではネイティブスピーカーの講師が「聞く(listening)・読む(reading)・話す(speaking)・書く(writing)」の指導を行います。さまざまな季節行事を体験できることにも魅力を感じたB君の両親は、小学校入学後も引き続き通わせることにしました。

B君の家は幼稚園から車で30分。親の送迎が大変ですが、教育内容が魅力的なので頑張ることに決めました。
両親はB君の英会話力が伸び悩む様子を見て、英語が話せるようになることは期待していませんでした。
外国人講師や他の生徒と触れ合うことで、コミュニケーション能力だけでも育てば良いと考えていました。

年齢学習内容経過、学習成果
3歳~5歳ダンスやカードゲーム、クイズで英語に親しんだ。

ネイティブスピーカーの講師の言葉を繰り返すレッスンが中心。
たくさんの英語を聞き、自分で真似て発音するの繰り返し。
簡単な自己紹介、英語の歌、英語の短い話を暗唱できるようになった。
5歳~7歳 遊びの要素も取り入れつつも、ディスカッションやプレゼンテーションの機会を増やした授業内容となる。

英会話中心の指導と並行して、テキスト、問題集を使った「英語塾」のような教科学習も行う。
テキスト学習は、順調に進むものの、発話量は増えない。
話したいことがあっても、英語で表現する力がないようで動詞と名詞の羅列とジェスチャーで伝えようとしてしまう。

6歳過ぎた頃から講師がセンテンスの途中までヒントを与えると、スムーズに話が続くこともあった。
7歳~8歳 「テーマ」を決めて、生徒同士でディスカッションする授業が増える。
子ども同士の英語力に差が目立ち始める。

スムーズに話せず講師にサポートされることの多いB君。英会話の授業よりも、教科学習の方が楽しいと感じていた。
文法、語彙力は着実に伸びたが、話す力の伸びは小康状態。
英語の絵本、詩等の短文はスラスラ読めて意味も理解できるようになった。
9歳~11歳メモなしでも発言ができるようになる。
10歳過ぎたころから、学校の授業、英会話教室でも自分から進んで発言することが増える。
学校のALTの先生に自分から話しかけ、先生の家族やペットについての話を聞いたり、自分の好きなアニメの話をしたりするなど、スムーズに意思疎通ができるようになった。

英会話教室の講師とも、授業後サッカー、オンラインゲームなど、お互いの趣味について盛り上がり、20分以上話すこともあった。

今の学びが”あと伸び力”につながる!

自分から話すことがない子でも、脳の中では話す力、聞く力はしっかり育っています。何か自信を与えるきっかけがあれば会話力が急成長することも多いです。
「聞く(listening)・読む(reading)・話す(speaking)・書く(writing)」の学習のうち、どれか一つでも進歩が見られればOK!
例えどれにも進歩がなくても、すぐに結果が出なくても、慌てなくて大丈夫です。「家庭学習習慣」と「英語の基礎学力」がしっかり根付いているので、必ずあと伸びするはずです。

英語学習を遊びの中に

英会話教室、英語塾、通信教育などで学ぶ以外にも、遊びの中に英語学習を取り入れることで「英語に触れる時間」を増やせます。
親子のコミュニケーションにもなる英語を使った遊びを3つご紹介いたします。
語彙力、表現力が伸びることで、英会話力がアップします!

絵で覚える単語ゲーム

推奨人数
2人~4人

準備するもの
無地の厚紙(めくりやすいもの)、サインペン、色鉛筆やクレヨンなどのお好みの画材、ハサミ、鉛筆、定規

作り方&遊び方
1.厚紙を6㎝×9㎝の形に切る。これを24枚作る。

2.表面に好きなイラストをお好みの画材で描く、裏面にはイラストを表す単語をサインペンで書く。同じものをもう一枚作り、これを12ペア作る。
例)表面:イラスト=リンゴ、裏面:単語=apple

3.最初はイラスト面を上にした12枚を床やテーブルに並べる。(12種類の絵が並ぶ。)

4.読み手を1人決めて、12枚の単語カードをランダムに読み上げていく。

5.単語に合うイラストを取っていき、取ったカード数の多い人が勝ちとなる。

※読み手がイラストカードを提示し、単語を探す遊び方でもOK。

英語で指示する!くっつけゲーム

推奨人数
2人以上

準備するもの
A4以上の画用紙、色鉛筆やクレヨンなどのお好みの画材、ハサミ、セロハンテープまたは付箋のり、目隠しに使えるアイマスクなど

作り方&遊び方
1.画用紙に犬の絵を「尻尾は描かない状態」で描く。

2.別の画用紙に尻尾を参加人数分描き、切り取る。

3.切り取った尻尾に輪にしたセロハンテープまたは付箋のりをつける。

4.参加者の身長に合わせて壁に犬の絵を貼り、参加者は絵から2メートル程離れて立つ。

5.1人ずつ尻尾を持ち、目隠しをして犬の絵に貼り付けに行く。

6.プレイヤー以外は「Go right!」「Go a little further to the left!」などと英語で指示をして、応援する。
7.参加者全員が同様に尻尾を貼っていく。一番正しい位置に貼れた人の勝ちとなる。

※周りを片付けて危険がないようにする。大人が監督、サポートし怪我がないように遊ぶ。
犬のしっぽ以外にもうさぎの耳、ライオンのたてがみなどもおすすめ。

英語で表現「私はだれでしょう?」

推奨人数
2人以上

準備するもの
特になし

遊び方
1.問題を出す人がある対象物の特徴を、英語で挙げて「Who am I?」(私は誰でしょう?)と問いかける。
特徴例:「I am an animal.」「I’m so heavy.」

2.他の参加者は出された特徴を基に、対象物を当てる。
「Does it have a long nose?」、「Is it a herbivore?」などと出題者に質問して、答えを導く。

3.一番先に正解が出せた人の勝ち。

子どもが楽しめる学習法を探そう

英会話教室、英語塾、オンライン英会話、通信教育・・・どれで学ぶにせよ、子どもが楽しく学べれば、何かしらの英語力は伸びていきます。
例えば「聞く(listening)・話す(speaking)」力はついてるのに、「読む(reading)・書く(writing)」力がイマイチの場合も慌てなくても大丈夫。目に見える成果がなくても、伸びの悪い能力があっても、英語に触れる時間を与え続けることで「英語力」はあと伸びすることが多いです。
英語学習に正解、不正解はありません。楽しく続けられる学習法こそが、その子の最適な英語学習となります。

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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。