日本企業に勤めていても、突然海外赴任になる可能性は誰にでもありますよね。「夫の駐在について行くか否か…」と悩んでいるご家庭へ、タイのバンコクに4年駐在した筆者が、友人知人から聞いた話なども参考に、現地の赴任生活をレポートします。
ポイント1:優しく親切なタイ人の国民性
外で食事をしているときに子どもがぐずると、日本ではすぐに店を出なければならない雰囲気になることも多いですが、店員さんやお客さんがあやしてくれたり、「どうしたの?」と声をかけてくれたりします。子どもがぐずったからといって、外に出ている人はあまり見かけません。
街ですれ違う人がバイバイと手を振ってくれたり、階段でベビーカーを持ち上げていると通りすがりの人が手伝ってくれたり……子どもに対して優しい国民性です。
特に子連れでバスに乗ると、必ず誰かが譲ってくれます。日本では、席が空いたら我先にと、座ったもの勝ち、という雰囲気もありますが、タイではその心配はあまりありません。誰かが譲るために席を立ったら、私たちのところへ「ここ座って」と言ってくれます。周りも「座っていいよ」という雰囲気です。
子どもが大好きすぎて、近所の屋台の店員のSNSにうちの子の写真が大量にアップされていたことも。日本では許可も取らずに通りすがりの子どもの写真をSNSにあげるなんて中々ないことですが、タイではよくあることです。毎日優しく遊んでもらっているので、目をつぶることにしました。
ポイント2:海外文化に触れ、現地のお祭りも楽しめる
タイはリゾート地がたくさんあるので、子どもとのんびり過ごすのにももってこい。また、タイならではの行事として代表的なソンクラーン(水かけ祭り)、ロイクラトン(灯籠流し)などの世界的に有名なお祭りも一緒に楽しめます。
ポイント3:トロピカルフルーツなど、食の幅も広がる
以前子どもの便秘でタイの小児科に行ったとき、医者に「パパイヤを食べさせてみて」と言われたことも衝撃でした。アレルギーがある子には注意してあげなくてはいけませんが、せっかくタイにいるので子どもに美味しいトロピカルフルーツを食べさせることもアリなのかな?と思いました。
とはいえ、わが子には1歳をだいぶ過ぎてから、恐る恐る食べさせましたが……。
日本の育児書通りではなく、気候や生活習慣に合わせた生活をすればよく、世の中にはいろいろな考え方があるのだな、と学びました。
ポイント4:子どもと親の両者に学びがある
たとえば、暑いタイでは子どもが遊ぶのは夕方からです。日本では夕方から遊ぶことはあまりありませんし、夜まで遊んでいると周囲の目も厳しくなりますが、タイでは普通です(もちろん、親が一緒にですが)。むしろ、昼間は暑くて外に出られませんので、夕方からが外で遊ばせる絶好のチャンスです。
離乳食の件もそうですが、「郷に入っては郷に従え」とはよくいったもので、タイの習慣に合わせた方が合理的なことも。考え方が広がるチャンスとなりました。
最後に
もちろん渡航前には不安がありましたし、慣れない海外での子育ては大変でした。親類や友だちがいないので孤独を感じることもありました。それでも、道ですれ違う人が手を振ってくれたり、子どもが泣いていると「どうしたの?」と声をかけてくれるタイ人の優しさに触れて、「ここで子育てしてよかったな」と今では本当に思います。何より、日本ではできなかったであろう経験ができたことが一番よかったです。
ご主人の海外赴任が決まり、悩んでいる方がもしいらしたら、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。