2017年08月24日 公開

オランダの小学校で体感する、グローバル教育とは

国際化が叫ばれて久しい昨今、グローバリゼーションを目指すのは日本だけではありません。世界中から人が集まる、多民族国家オランダ。そして世界で活躍する人材を育むヒントは、やはり教育の中にあります。オランダのグローバル教育を、在住者の視点からお伝えします。

国際化が叫ばれて久しい昨今、グローバリゼーションを目指すのは日本だけではありません。世界中から人が集まる、多民族国家オランダ。そして世界で活躍する人材を育むヒントは、やはり教育の中にあります。オランダのグローバル教育を、在住者の視点からお伝えします。

グローバル教育ってなんだろう?

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グローバル教育という言葉を聞くと、「英語が話せて世界で活躍できる人を育成する教育」という漠然としたイメージをお持ちのパパママも多いのではないでしょうか。

2002年にオランダ、マーストリヒトで開かれた欧州グローバル教育会議では、以下のように定義されました。どうやら、グローバル教育は、言語だけではないようです。

「グローバル教育は、すべての人々の目と心を世界の現実に開かせ、すべての人に偉大な正義、平等、人権のある世界への気づきをもたらすものです。開発教育、人権教育、持続可能な開発のための教育、平和と紛争解決、異文化間教育などを含むと理解されており、市民権教育としての拡がりをみせている。」

なぜオランダ人は9割以上の人が英語を話せるのか

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人種のるつぼのオランダ。本当にたくさんの出身国の人がいます。
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世界の共通語ともいえる英語。オランダの公用語はオランダ語ですが、9割以上の人が英語を話せるといわれています。

実際に町中では英語だけで生活することが可能です。オランダは九州ほどの大きさで国土も小さく、他国との貿易や経済の関わりは必須。そのため政府は英語教育に力を入れているようです。
また、近隣国であるドイツやフランスの言葉も話せる、マルチリンガルが多いという印象もあります。

オランダの学校での英語教育・多言語教育

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学校では能力別に授業を行います。
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オランダでも小学校での英語教育は年々早期化の傾向にあります。

筆者の4歳、6歳の子どもたちが通う移民の多いオランダ語強化を目的とした小学校でも(オランダでは4歳から小学校がはじまります)、毎週英語のレッスンがあり、専任の先生と一緒に英語の歌を楽しんだり、発音指導を受けたり、簡単なワークブックで学んでいます。

わが家の場合、家庭での日本語教育とあわせ、3カ国語を同時に学んでいるということになります。中学校にあがると、フランス語、ドイツ語などの言語も学ぶことから、オランダローカルはオランダ語、英語、フランス語、ドイツ語と4カ国語程度は話せることが多い、ということになるわけです。

言語面だけではない、学校でのグローバル教育

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みんなで取り組む課題もいくつもあります。
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欧州グローバル教育会議が定義するように、言語以外の平和理解を育む面も、日常の中に感じることができます。
肌の色も出身国も文化も全く異なる子どもたちが一緒に学ぶ環境にいることで、互いを尊重することや、自分自身の主張をすることが、自然に身に付いている印象があります。

学校の行事でも、多文化環境を楽しむイベントがあり、家庭から持ち寄った各国の料理やおやつを楽しみます。宗教的な配慮から、ベジタリアンやハラル対応(イスラムの教えに基づくもの)が求められることもあります。

母語や母国の文化を大切にすることも重要

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筆者の子どもたちの通う学校は、言語学専門の先生がいます。

「家庭では母語を大事にすること。母国の文化を大切にすることはアイデンティティの確立にとても大切だから、絶対に間違えないで」とは専門家の意見。母語で深く思考すること、人間性を育むこと、自分自身のあり方を、現実を見つめ確立することは、前出の「グローバル教育の定義」が求める姿なのかもしれません。

グローバルな人材を育てることは、言語教育といった視点ではなく、より広い視野から眺めてみる必要があるようです。

まとめ

英語や外国語の習得、早期教育のみに目を向けてしまいがちですが、世界で活躍する人材、そして未来の平和な世界を担う人材を育てるためには、母語での教育も重要なようです。

お子さんの年齢や環境にあわせた「グローバル教育」、意識してはじめてみませんか?

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この記事のライター