先進的な教育を行う国、そして子どもの幸福度の高い国として評判のオランダ。子どもや家族にあわせ自由に学校を選択でき、4歳から8年間小学校生活を送ります。公立校、オルタナティブ校、インターナショナルスクールと選択肢もさまざま。現地の小学校入学事情をお伝えします。
2歳半から幼稚園へ、小学校は4歳から8年間
義務教育は5歳から始まりますが、たいていのお子さんは2歳半頃からピューターと呼ばれる幼稚園に通い、4歳になると小学校に入学するようです。
一斉入学ではなく、4歳の誕生日の翌日に入学
人気校は入学の1年以上前に入学予約を入れないと枠が埋まってしまうため、学校選びも2歳半頃から始まります。
ただし、小学校といっても、4歳、5歳は幼稚園と同じ。勉強というより、毎日楽しく遊んで帰ってきます。実際に学校見学に行った3つの学校でも、校長先生方は口を揃えて「子どもは遊ぶことが学びだから」とおっしゃっていました。
教育メソッド、学校の種類もさまざま
日本でもおなじみのモンテッソーリ教育やシュタイナー教育、イエナプラン教育、ドルトン教育などのオルタナティブな教育メソッドの学校も各地にあり、国の公的な補助を受けて運営されています。
公立校でも、さまざまな教育メソッドの良いところを取り入れたカリキュラムを実践しているところも多く、子どもや家族のスタイルにあった学校を選ぶことが可能です。
オランダの小学校、気になる学費は?
シュタイナー教育やモンテッソーリ教育などのオルタナティブ教育も、年間数万円の学費で通うことができ、日本の私立校の学費と比較するととても安価です。
実際に筆者が支払った小学校の1年間の費用は60€(日本円にして7,000円ほど)。30€は保護者協力費、30€は校外研修費です。月々の教材費などはありません。
保護者協力費は、クリスマスディナーパーティーをはじめ、学校主催のオランダらしいイベントの費用の一部に充てられるとのこと。
校外研修費は、月に1、2回美術館や博物館に行って子ども向けのアクティビティに参加したり、ミュージカルを見に行ったりするための交通費だそうです。
ちなみに市町村に、生活保護世帯として登録されている場合、すべての支払いについて補助があるので、通学に関する保護者負担はほぼなくなります。
すべての子どもたちを社会全体で見守る国、オランダ
日本では、成長の節目である小学校入学ですが、オランダでは、生活の中で自然に導入されていくという印象を感じます。子どもが社会へと踏み出す大きな一歩、みんなで見守っていけたら、すてきですね。