世界と比較すると、日本の若者は自己肯定感が低いと指摘されています。今回は、さまざまな調査から現状を捉え、自己肯定感を高める要素について考えていきます。子どもの自己肯定感のベースは家庭で作られることから、親がサポートできる方法についてもご紹介します。
「自己肯定感」が低い日本の若者たち
そもそも自己肯定感とは、どういう意味なのでしょうか?
自らの存在意義や価値などに関する積極的な評価、自己評価することなどを指す表現。~(中略)~自己肯定感は円滑なコミュニケーションや人間関係の構築などに大きな影響があるとされる。
平成25年度我が国と諸外国の若者の意識に関する調査報告書(PDF版) – 内閣府
自分の長所が言えない子どもは40%以上も!
本調査の対象は、全国の小学1年生~高校3年生の子どもとその保護者で、同一の親子(約21,000組)を対象とし、2015年から2年間かけて実施。2017年は、子どもの「自己肯定感」に注目して行われました。
本プロジェクトにおいて、「自己肯定感は自立した学習者・生活者を支える基盤となるもの」としています。子どもが自信を持つ方法や、自分の未来を切り開き方について分析することが目的です。
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト 「子どもの生活と学びに関する親子調査 2017」
子どもの自己肯定感と自己否定感は行ったり来たり!?
この結果について、本プロジェクトでは、子どもが自己肯定感を維持し続ける難しさがある一方で、なんらかの理由で自己肯定感を持ち、否定から肯定に変わる可能性があると分析しています。
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」結果速報のプレスリリース
子どもの自己肯定感を高める要素とは?
・成績が上昇した子ども
・勉強が好きになった子ども
・将来の目標が明確になった子ども
・自分のクラスに愛着を感じるようになった子ども
・保護者が「努力の効果」を感じている子ども
これらの結果から、成績だけでなく勉強そのものへの動機づけや、自分の将来について考えるきっかけや経験の機会を持つこと、友だちや周りの大人の関わり方が、自己肯定感を高めることにつながると分析しています。
子どもの自己肯定感を高めるために親ができること
無条件の愛を注ぐ
子どもが親に対して、どんな自分でも愛して受け入れてくれるという安心感を持つことができれば、自己肯定感が高まります。
当たり前のことをほめる
当たり前のことこそ、「今日もできたね」とほめてあげれば、自信につながり、自己肯定感が高まるのではないでしょうか。
子どもに近い立場で反応する
お手伝いをたくさんさせる
料理作りや掃除をはじめ、日常生活の中で子どもにお手伝いをさせる機会はたくさんあります。子どもがお手伝いをしたあとに、親が笑顔で「ありがとう」「助かったよ」と言ってあげると、子どもは必要とされていると感じます。
【年齢別】料理のお手伝い。子どもの成長に合わせた内容と教え方
豊富な自然体験をさせる
さまざまな自然体験を通して、自分ははじめてのことでも乗り越えられる、新しい発見をすることができる、体力がついているなど自信がついていくのではないでしょうか。
国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する実態調査」
東洋経済オンライン「子どもの自己肯定感を上げる”10の言葉”」
ベネッセ教育情報サイト 「当たり前」のことが子どもの自己肯定感を高める[やる気を引き出すコーチング]
さいごに……
それと同時に、パパママが子どもとの接し方について見直しながら、得意なことや好きなことも見つけてさらに子どもの自己肯定感を養い、維持できるようにサポートしていけると良いですね。